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「お待たせ。レイは少し落ち着いたね。ムカつくけど感謝するよ」
団長室に戻ると早々にいつきが毒づく。
団長は苦笑いで部屋に迎え入れてくれる。
「さて、どうするのがいいのか皆で考えよう」
「この国から出ていこう!」
いつきが元気よく告げる。
「まあ、それが一番手っ取り早いな」
「団長濡れ衣着せられて処刑されちゃうけどね」
「そうなんですか!大まかな話は聞きましたけど、それは初耳です!」
アベルさんが食いつく。
「そうらしい。レイがこの国から出て行かないように王妃が脅したんだろう」
「当事者なのにあっさりしてますね」
「まあ、そう簡単に捕まってやるつもりはないしレイが出ていく決心をしてくれたら俺も一緒に出て行くさ」
「あ~そうですか。お二人が指名手配されないように祈ってますよ。…それよりここまで陛下はどうしていたんですか?王妃様の暴走なのか、陛下まで関わっているのか知りたいですね」
「そうだな。恐らく王妃の暴走だろう。息子達も王妃に逆らえないんだか美味しい思いをしたいんだか同じような考えらしいな」
「団長は陛下に謁見できないですかね?」
「警戒はされているだろうな。どこに王妃の息のかかった者がいるかわからないからな。妨害はされるだろう」
「王妃様はそんなにこの国を牛耳りたいんですかねぇ~」
「どうだろうな、数年前まで日蔭の身だったから色々我慢していたんだろ。愛し子を思い通りに操って自分が好きなようにこの国を動かせるチャンスと思ってんのかもな。偽者は思い通りに動かせそうになかったがレイなら強く言えば逆らえずに思いのまま操れると思ってるんだろ」
「そうですね~、精霊の愛し子なんて存在が現れたから余計に自分達が都合の良いように愛し子を使ってさらに権力を盤石にしたいと思っちゃったんですかね」
「別にこの国の為にレイを連れてきた訳じゃないんだけど。まあ、レイを勝手に連れてきちゃったのは悪いと思ってるよ」
「精霊達は愛し子が必要だったんだからしょうがないよ。それに第3騎士団の皆に出会えて皆が私の言葉に耳を傾けてくれたし認めてくれた。だから前向きに頑張ろうって思えたし精霊のみんなも優しくて可愛くて私はこの世界が好きだよ?」
「ありがと、レイ」
いつきが罪悪感を持っていたなんて気が付かなかった。いつもの俺様な態度が嘘のように優しい笑顔だ。
「貴族を召集するなら陛下の耳にもこの状況が届くだろう。だが、本当にミキと言う女が愛し子だと信じるかもしれない。ましてやレイが影になるなんて考えもしないだろう。恐らく俺もその会議に召集されるだろうが、そこでいくら俺が言葉を尽くしても所詮平民あがりだから誰も話を聞かないだろう」
「貴族ってそんな人ばかりなんですか?」
「良識のある貴族ももちろんいるさ。ただ、貴族なら平民には何をしても許されると、平民を同じ人間だとも思ってない貴族もいる。実際理不尽な仕打ちを受けている人も沢山いるからな。平民と貴族の間には越えられない壁があるんだ」
「貴族怖い……」
「レイは苦手だろうな」
「すぐに行動を起こせないとなるとレイさんと連絡が取れなくなってしまいますね」
「あっ、それはみぃもウンディーネも一緒にレイと居るから問題ないよ。僕も暫くはここにいるから。いいよね?団長殿?」
「ああ、勿論部屋を用意する。いつきは王城に行かないのか?」
「あの王妃が僕に来いって言うと思う?」
「いや、絶対無いな。だが、影になるならいつきだって一緒に行動しないと力が今までの様に使えないだろ?」
「植物に関しては僕の力が強いけど、雨を降らせるのはウンディーネだし問題ないんじゃない?」
「そんなものか?」
「僕がここにいないとみぃとウンディーネを介してレイとやり取りができないから絶対残らないとダメなんだよ。僕以外の精霊見えないでしょ?」
「お、おう。お願いするしかないよな」
「僕が必要ならここに寄ってから地方に向かうでしょ。それは王妃が考えるよ。偽者も僕がいたらレイに手出しできないから関わらない方向で調整するんじゃない?」
「うーん、地方に行かせる前に解決したいな。偽者がレイを逆恨みして何しでかすか分からないからな」
お読みいただきありがとうございます!
間があまりあかないように投稿したいと思いますが、皆さんの寛大な心で許してください。
ブクマ、評価ありがとうございます!




