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「そんなに早く解決したいならこっそり精霊の森に帰ればいいだけ!精霊の森なら人間に見つかる事もないからね。でもそれはレイが望んでないからしないけど」



「レイさんはこの国から出て行かないのは何故です?団長も一緒だったら何の問題もないんじゃないですか?あっ、勘違いしないでくださいね?出て言って欲しいと思ってるわけじゃないですよ?レイさんの扱いがあまりにも酷いからレイさんと精霊を大切にする国に行った方が幸せになれると思ってるだけです」


「ありがとうございます、アベルさん。…私がこの国から出ていったら怒っている精霊達も一緒に出ていくって言ってくれているんです。そうなるとこの国は荒れてしまうらしいんです。アベルさんやリディさん第3騎士団のお世話になった皆や、日々頑張って働いている何も知らない人達が苦むのは嫌だなと…偉い人が全てそうだとは思わないですが、偉い人の生活が苦しくなれば立場が下の人から搾取して苦しむのは結局は弱い人々じゃないですか」


「優しいですね。こちらこそありがとうございます」

「優しくないです。傲りかもしれないけど、自分が関わって皆が苦しんでいるなんて聞いたら私が苦しむから自分の為なんです!自分勝手なんです、私は…」

「そんなこと無いですよ、レイさんは自分勝手じゃないです。優しくなかったらこの国が荒廃していくのを耳にしても何とも思わないですよ?こんな酷い扱いされてるんだから俺だったらざまぁみろって思いますよ?」

アベルさんがなだめるように優しい声音で言う。


「レイが罪悪感を持つ必要は皆無!でもレイができるだけ納得するような解決策を見つけよう?」

「ありがとう、いつき。…あの、団長さっき王妃様が日蔭の身って…」


「あ、ああ。元々現王妃は第2妃だったんだ。元王妃が亡くなって王妃になったんだ」


「元王妃様にはお子さんは居なかったんですか?」


「いや、男児と女児がいたんだが自分が王妃になるのだから臣籍降下させろと迫って王族から抜けて彼等の母方の祖母の祖国である隣国に行ってしまっているんだ」


「そうなんだ」


「実家の爵位も元王妃は現王妃より低く、もともとそんな権力を欲していない家だったから実家の後ろ楯も弱く守りきれなかったらしい。元王妃の子供達は毒を盛られたり暗殺の危険が常につきまとっていて陛下は子供の命を優先させたんだ。確証は無いから王妃や王妃の実家が暗殺を目論んでいたのかは本人達にしかわからないことだが、元から権力欲はあったんだろうな」


「自分の子供を玉座につけるための女の争いなんてあちこちの国でありますからね」


「子供が王様になればおいしい思いができるんですか?」


「うーん、そこは個人の問題になるんじゃないですか?民を想って動く者も当然いるし、私利私欲で民から搾取する事をなんとも思わない者もいるでしょうし……民なくして国は成り立たないんですけどねぇ」


「精霊の愛し子を各地に派遣して肥沃な土地を願い民を思ってる様に見えるが、今レイが回ってる領は王妃の実家の勢力だからな。自分に従わなければ愛し子は派遣しないつもりなんだろ。臣籍降下してもまだ一部では隣国に行ってしまっている王子を国に戻すべきだという声もあるらしいぞ」


「そうだったんですね。最初の土地以外はそれ程貧しいと感じなかったのはそんな裏側があったんですね」


「ああ、精霊と共に自然と共生していた昔に比べればどこの領地も土地が痩せて収穫量も減っている。長い年月この国は豊かな実りが当たり前にあって自分達の力だと勘違いして精霊を蔑ろにした反動だろう。まあ、オレも精霊なんて信じてなかったから他人のことは言えないな」







お読みいただきありがとうございます。

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