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いつきと合流して王城をあとにする。
門番の騎士が見えなくなったとたん足に力が入らなくなり地面にペタンと崩れ落ちてしまった。
((レイ!))
今まで堪えていた涙がとめどなく溢れてくる。
(やっぱりあのオバサンが何か言ったんだね?)
(レイに向かってあの偽者に愛し子の力を返せって、返せないならあの女の影になれって!しかも妾になって子供を産めばそのあとに団長と結婚させてやるって!)
(はあ!?とんでもないクズだな!こんな国から早く出よう!)
「ふっ…でも、ぅっ私が……っく出ていったら団長ぅっ…が投獄され…ちゃう」
嗚咽混じりでなんとか言葉を紡ぐ。伝え終わると同時にさらに涙が溢れ出て声も抑えられなくなってしまう。
「レイ、寮まで少し我慢できる?ここじゃ誰に聞かれるかわからないから声が出たらまずい」
「う…ん」
少し冷静になり、声を出してしまったのに気づきあまりの失態に顔が青ざめる。みんなとなら声を出す必要なんて無いのに…
いっぱい人が通るのに私は何やってるんだ!私を知ってる人に聞かれていたら王家に告げ口されてしまうかもしれないのに…
まだ力の入らない足を踏ん張り立ち上がる。
「動けなければ蔓でグルグル巻きにして連れていってあげるよ?」
「へっ、いや、いい!歩けるからっ!」
蔓でグルグル巻きにされ、宙に浮かびながら運ばれる自分の姿を想像して涙が止まる。そんな恥ずかしい姿なんて見せられない!
「うん、ゆっくり行こう」
まだ目は赤いかもしれないが、食堂の皆に挨拶だけは交わしてそそくさと自分の部屋に戻る。泣いちゃったのバレてないよね?こんな時は遠征で寮に人があまり居ないのがありがたい。
「あー、もう!!この国の王族どんだけ腐ってんの!」
部屋に入るとみんな感情が爆発する。思い切り声が出てしまう。
「精霊が見えなくてもそこそこ国として成り立ってるから自分達の力で全てやってきたと思ってるんだろうね?」
「レイはどうしたい?」
「……これから美姫達の影をやらされるのならこの国から出たい。自分達を犯罪者にした私が近くに居れば今までよりももっと酷い扱いを受けると思う。私は表に出ない影だし…でも、団長と離れるのも…少し…つらいかな…」
声に出すのが恥ずかしくて最後は小声になってしまう。
「フンッ、団長がレイを助けてくれたのは事実だし、気に入らないけど信用はしてる」
いつきはぷいっとそっぽを向きながら団長を褒めてくれた?…褒めてるよね?
「団長に相談しなければレイは動けないでしょ?」
「そうかも………ねぇ、みんなが一緒に行ってくれるとこの国はどうなるの?土地が痩せ細ったり、雨が降らなかったりで大変になる?精霊みんなが出ていく訳じゃないから大丈夫だよね?」
「うーん、愛し子にこんな仕打ちをする国なんてずっと住みたいなんて思えないかもね」
「精霊が居なくなっちゃったらどうなるの?」
「……荒廃?」
いやー!いつき可愛い笑顔で恐ろしい現実を突き付けないで!
「そんな……お世話になってる人を置いて出ていけないよ!」
「そうだと思ったよ。だからこそ団長に相談しよう?」
団長が討伐から戻るのを待ってもらえる訳もなく王妃様から登城するようにと手紙が届く。
「行きたくない…今度はなんだろう?」
「いつきを連れてくるなってのが気に入らないよね。いつきが居ると毒吐きまくるから自分が不利になるのを分かってるんだよ!」
「そうよね~いつきが一番(悪)って感じよね。精霊のイメージが悪くなる~」
「精霊を信じてないんだしイメージなんて知らないよ。優しいだけじゃないさ精霊だって」
「優しくしたくない人もいるね~、………王妃とか?」
「言っちゃう?」
「事実」
「うん、何もできないけど当日は僕とウンディーネはもちろん付いて行くから」
「ありがと」
寮に戻って1週間。王妃様の待つ部屋へと向かう。
扉が開き一歩中に入って頭を下げて挨拶をする。王妃様に顔を上げろと告げられ顔を上げる。部屋の中へと目をむけて愕然とする。
王妃様の隣に美姫達3人とカミーユ殿下が座っていた。
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