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お待たせしました。
出発日早朝、いつきとウンディーネ、みぃと一緒に部屋から階下に向かうと団長が待っていてくれた。
「おはよう。レイ、いつき」
「おはようございます」
「出発だな。いつき、レイを頼む」
「頼まれてやるよっ。頼まれなくてもレイは守るけどね」
「ああ、知ってる。いつきが一緒なら俺が一緒に行くより安全だな」
「任せて。人間の権力なんて関係ないし、別にこの国を助けなくても僕達は構わないからね。レイはこの国がいいの?」
「…第3騎士団の皆とかお世話になった人に恩返しはしたいかな?……あと団長がいるから……」
団長と二人、顔を赤く染めて俯いているといつきが呆れた声で
「あ~、ちっちゃい声で聞こえなかったなぁ。はいはいそれは後にしてね?」
と場の空気を切り裂く。
「行くよ、レイ」
「いつきが一緒だから心配ないと思うが、気をつけてな。魔力を流し過ぎて倒れるなよ」
頭をポンポンしたあと名残惜しそうに髪を撫でる。
「はい。王家の思惑に流されないようにしますね」
「レイが大人しそうだからって王妃はレイを自分の手駒として使いたいのがバレバレだ。偽者は思い通りに使えそうになかったから言えなかったんだろうな。偽者の扱いとは全然違うのが気にくわない」
「それも覚悟して愛し子って名乗ったんですよ?」
「そうだな。俺が守るって言ったのに守れなくて悔しいな」
「ありがとうございます。十分心を守ってもらってますよ?」
「レイ!」
「はーい、すぐ行く」
玄関を出て門に向かうとこちらに向かってくる馬車や騎士さんが見える。
「あんなに沢山の馬車と護衛が必要なの?」
「王子様だから荷物がいっぱいあるんじゃない?」
「そうだけど…やっぱり気が重いな。あの御一行様に入るのは…」
「王族が一緒ならあれくらいの人数は普通だな。レイには負担になってしまうかな」
「…自分で決めた事……弱音は吐いちゃいけないですよね」
俯き加減だった顔を上げる。
「今回だけじゃないだろう。愛し子の力を使って国中を豊かな土地にするつもりだろうから、どうしてもダメになったら俺でも誰でもいいから言うんだぞ」
「ありがとう、団長」
御一行が門を抜け寮の敷地に入ってくる。特に豪奢な馬車の扉が開き、ユベール殿下が降りてくる。
ワンピースのスカートを摘まみ頭を下げユベール殿下を迎える。
「レイさん、いつきさんお待たせしました。団長も早朝から見送りありがとう。早速出発しよう!」
「殿下、わざわざ御足労いただきありがとうございます。レイといつきをよろしくお願いいたします」
「ああ、顔を上げて。レイさんは僕達に任せて。荷物は後ろの馬車に乗せるから騎士に渡して?それじゃ、レイさん」
「は、はい。お願いします。行ってきます、団長」
手を差し出されているから手を取って乗らなくちゃ失礼だよね?
ユベール殿下の手を取り馬車に乗る。馬車の中にはユベール殿下の側近だろうか、殿下と同じ位の年齢の男性が座っている。私の隣にいつきが座りユベール殿下は座っていた男性の隣、私達の対面の席に座った。ウンディーネとみぃも空いている席に座る。さすが王族が使う馬車だ。対面で座っても膝がぶつかる事もなくゆったりとしている。
ウンディーネもみぃもワクワクしているようだ。
殿下が合図すると馬車はゆっくり動き出す。
「レイさん、レイさんの力楽しみにしています。ぜひこの目で見たいです。道中ゆっくりしてください」
「はい、ありがとうございます」
「紹介しますね、僕の側近でベルトラン·オクサリス。こちらが世界樹の精霊のいつきさんと愛し子のレイさん」
「ベルトラン·オクサリスです。いつきさんにレイさんよろしくお願いします。長い旅路ですからお互いあまり気を張ることなく過ごしましょう」
「はい。よろしくお願いします」
私の精霊の愛し子としての初仕事が始まる。
お読みいただきありがとうございます。
プライベートで色々な問題を抱えているのですが(皆それぞれ抱えていると思いますが)、自分の中でプチッて切れる音がしたんです。今まで自分が動いて変われば状況も変わってくれるだろうと思って頑張っていた糸が切れてしまったみたいで、何もかもが嫌になってしまいました。
書いても書けない状況になってしまっているので、これからは更新のペースがかなり遅くなってしまうと思いますがよろしくお願いします__




