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「ご迷惑をおかけしました!ただいま戻りました」

 夕食時、皆が集まる食堂の入口で挨拶をする。




 寮に戻るまでも近衛騎士の人や騎士団の人に捕まりそうになったが、アレク団長が寮まで付き添ってくれてその度に助けてくれた。

 寮の中で監視していた騎士さん達もアレク団長が陛下から一筆したためてもらった紙を見せた為、寮の監視はすぐに取り止め騎士さんは寮から出ていった。





「「レイさん」」

「「団長!」」

 席を立ちこちらに向かおうとする人達。

「皆さん、一斉に集まってもしょうがないのでご飯を食べちゃいましょう。その後で話をしましょう」

 さすがアベルさん上手くこの場を収めてくれた。だけどいつきも連れてきているのだ、皆興味津々でザワザワと話し声は大きくなる一方だ。


「団長、レイさん、あとお二人のお子さんですか?とりあえずここで話しませんか?お腹すいてるでしょう?ご飯用意しますね」

 アベルさんが席から声を掛ける。

 二人のお子さんですかの言葉でより一層ざわめきが大きくなる。


 アベルさんが席を作り、リディさんが残っていたパンと魚のソテーを並べて夕食の用意をしてくれる。

「すまん、皆のおかわりが少なくなってしまうな」

「そんなの気にしないでください!それよりその可愛い子は孤児ですか?拾ってきてしまったのですか?」

「いや、いつきは世界樹の精霊だ。レイは世界樹が生まれ変わるのを手伝う為にこの世界に呼ばれたそうだ」

「精霊ですか!初めましてアベルと言います。ぜひ色々なお話を聞かせてください!」

 アベルさんが目を輝かせていつきを見つめている。

「レイさんは精霊が見えていたの?」

「…はい、すみません。リディーさんに嘘ついてしまって……」

「そっか、精霊が見えるって言えばあの3人からさらに攻撃が酷くなったかもね?一緒に王宮で生活しなくちゃいけなくなっていただろうし。散々傷付いてたから目をつけられないようにしたかったよね」

「……何が起きたか訳がわからなかったのもあるんですけど…嘘ついてごめんなさい」

 深々と頭を下げて謝る。

 リディーさんは私の手をギュッと握りしめてフルフルと首を振る。

「気にしないで。それより疲れたでしょ?お風呂もゆっくり浸かりたいでしょ?だけど食べた後に少しだけ話を聞かせてね」




 私達が食べ終わるのを皆が待っていてくれた。

 団長からいつきが世界樹の精霊である事、愛し子は私という事、それを証明する為と、今の愛し子が精霊には認められていないのを知らしめる為に対決をすると陛下と話し、殿下が帰って来て対決の日にちが決まったら連絡がある事を話してお開きになった。


 団長は私の部屋でいつきが生活するのが許せなく、いつきと話し合いをしている。(団長が押されてるんだけどね)


 いつきは結局私の部屋で一緒に過ごしている。

 団長は長期間休んでしまった為、休みなく仕事をしている状況だ。夕食の時に会えるだけになってしまった。(それも私と会うために無理して寮に戻って来てくれていたと後にアベルさんから聞いた)

ずっと一緒に行動していたから会えなくてやっぱり寂しいと思ってしまう。

 気をまぎらわせるためにも私も仕事をしたいと話したが、食堂の皆や団長があまり仕事をさせてくれない。

 愛し子なら王宮で保護されて、もてなしを受ける立場だと。だけど、一日中何も仕事をしないのはどうしても嫌だったので元々大した事は出来ないから足手まといになってしまうのだけど、なんとか昼食の下準備と皿洗いだけはやらせてもらえるようになった。


「対決の日はみんな来るからね!どんなテーマを出されてもほぼ大丈夫だよ。インチキもみんなで見てて暴くから安心してね」

「うん、ありがと」




 陛下との謁見から5日後、対決の日は3週間後に決まったと連絡が入った。





お読みいただきありがとうございます。

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