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「エルネスト団長、いつき君、すぐにレイさんを庇ってあげたかったのに我慢させて申し訳なかった。レイさんも悪口を聞かせてしまい辛い思いをさせてしまいましたね。申し訳ない」
「いえ、大丈夫です。慣れてますから。相変わらず私ってダメな奴ですね、言われっぱなしで……少しは強くなったと思っていたんですけど…」
「そんな事はない、ダメな奴がどうして精霊の愛し子になれるんだ?心が綺麗で優しいから精霊に愛されるんだろ?いつき」
「そうだね、あんな他人の地位を利用して威張ってるのは信じられないよね。自分が偉くなったとでも思ってるんだろうけど、勘違いも甚だしいよ」
団長といつきはあの場で私を庇おうとしてくれていたんだ。悪口を言われている間は我慢できた涙が溢れそうだ。
団長が私の頭を撫でてくれる。大きくてあったかい手。でも余計に涙が出そうになる。
「昨日、いつき君に愛し子と証明するのに偽者と対決させたいと話を伺ったので、偽愛し子本人ではないですが、あれだけ人が居る中で悪口を言わせれば対決で負けた時に余計に恥をかきますから、レイさんが不快になるのが分かってて止めずに言わせました。申し訳ない」
「…は…い……対決になったら…見返します」
溢れる涙を堪えてアレク団長の後に続く。
漸く両開きの扉の前に立った。
「第3騎士団団長、エルネスト·ラモサならびに召喚者、レイ·ハラハラをお連れしました」
扉の前に控えていた騎士が荘厳な扉を開く。
「入れ」
アレク団長に続き部屋に入る。とても広い贅を尽くした部屋なのだろう。奥の一段高い場所に王様が座っている。
王様の少し手前で止まり騎士の礼を取る。
謁見前に団長から教わっておいて良かった。
「面を上げよ」
「はっ」
「エルネスト、此度は息子がとんでもない嫌がらせをしたと聞いた。すまなかった」
「急なお願いにも関わらずご尊顔を拝しまして恐悦至極に存じます。 いえ、陛下が謝る事は何一つありません。こちらこそ規則を破ってしまい申し訳ありませんでした。第3騎士団に寛大な処置を賜り心より感謝申し上げます」
深々とお辞儀をする。
「ところでその子はエルネスト、おぬしの隠し子か?」
「いえ、この子は世界樹の精霊です」
「なんと、儂にも精霊がみえておるのか!皆見えるのか?」
「僕はみんなに見えるようにレイが産み出してくれたから」
「そなたは精霊を産み出せるのか」
「違うよ。レイが精霊を産み出せるわけじゃない。僕が生まれ変わる時にレイの力を借りて実体を持ったの。レイが必要だったからこの世界に連れてきた!僕達精霊がレイの力を借りたの!」
「そなたも愛し子なのか?」
「違うよ!レイだけが愛し子!」
「それじゃ、今の愛し子は?」
「人間にレイの存在が知られちゃったらレイを好き勝手に利用して僕達に力を貸してくれないでしょ?」
「そ、そんな事はない」
「えっ、僕達と意思疎通も出来ないのにどうやって?現に何の力も持たない人が愛し子として認定されてるよね?どーいうつもり?」
「いや、人が大勢怪我していると精霊が教えてくれたから自分が精霊にお願いして皆を助ける力を使ったと言ったからだな…」
「えっ、第2騎士団長は疑問を投げ掛けたよね?レイはその現場に居たんだよ?その人の言葉だけで何にも確認とらないの?おかしくない?それに何で精霊が全ての人の危機を教えてあげなくちゃいけないの?精霊を敬いもしないのに。そんなのやってたらキリがないよ!レイの頼みだから力を貸すだけ」
「そ、それは………」
王様相手にいつき容赦ないなぁ…王族侮辱罪で捕まっちゃうんじゃない?そもそもいつきだって本当に世界樹の精霊だって証明できてないんだし……ほら王様の隣の騎士さんがすごい顔で睨んでる!ああ、気持ちはわかるけど剣に手をかけないで!
「そもそも、そなたは本当に精霊なのか?!精霊を騙るなんて子供でも許されないぞ」
王様もイライラしてるよね?
「そっ、じゃあどっちが本当の愛し子か対決して決める?その時に僕が精霊だってはっきりするんじゃない?」
いやいや、いつきさん外見3才くらいでこれだけ王様を翻弄するのがそもそも異常ですからね?
お読みいただきありがとうございます。ブクマ、評価本当にありがとうございます。




