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会議室にソファーを用意してくれ、夕飯は自分達が持っていた食料を食べて過ごした。
不審者が侵入してくることも無く無事朝を迎える。
アレク団長が朝一で顔を出す。
懐から袋を取り出しいつきに渡す。
「チーズとお菓子を持ってきました。良かったら食べてくださいね」
「ありがとう!さすが、どっかの団長さんとは違って優しいね!」
「どっかの団長さんって俺しかいないじゃないかよ」
「えー、そうなのー?団長は優しくないって認めちゃうの?」
はは、また始まった。アレク団長が呆れてるよ。
なかなか終わりそうに無いやり取りにアレク団長が痺れを切らし話しかける。
「エルネスト団長、お話し中申し訳ない、陛下との謁見が今日の夕方に決まりましたので、時間になったら迎えに来ます。騎士服を洗濯しておきましたので騎士服でレイさんも陛下と謁見してください。いつき君はそのままで大丈夫です。騎士服は後で持ってこさせます。もう少しこの部屋で過ごしてください」
「はい、伝えてくださりありがとうございます。夕方お願いします」
団長といつきが睨み合ってるから、アレク団長にお礼を言う。
アレク団長が部屋を出て行くとまた、ギャーギャー、ワイワイ始まった。
この環境にいれば緊張しなくて済むか!そのまま放っておこう。
夕方になりアレク団長が迎えに来た。
「お待たせしました。準備はできてますか?」
「はい。いつでも行けます」
「では、行きましょう」
騎士団本部を出て、王宮へ向かう。歩いて向かうため、いつきは団長に抱っこしてもらっている。
途中で近衛騎士だろうか?アレク団長に向かい私達を引き渡せとかなり強引に連れて行かれそうになったが、(殿下ではなく陛下からの命で動いているのです。あなた方は誰に従うべきですか?)と言って騎士達を黙らせた。
まあ、一国の王子様の命令より王様の命令を優先すべきなんだろうね、国の頂点なんだから。
私達を捕まえようとする騎士をアレク団長が何度も黙らせ、漸く王宮の中へと入った。
う~ん、豪華絢爛過ぎて気が遠くなりそう……あまりに別世界過ぎて帰りたい。
広い廊下を進んでいると、前から出来れば会いたくない人物が貴族だろう青年と腕を組んで向かって来る。
気づかないで通り過ぎてほしい。俯きながら二人を遣り過ごせたかに思えた。
「あれぇ、乱暴者は騎士服が良く似合う~。散々お世話して貰った人に挨拶もできないなんて相変わらず出来損ないで礼儀知らずね~」
「カレン、知り合いか?」
「ほら、一緒にこの国に来た暴力女の話、したじゃない?その女よぉ」
一緒にいる男性の腕に絡みついて、甘ったるい如何にも媚を売るような話し声は華憐だ。
「ああ、華憐達に暴力をふるっていた女か」
男性二人は納得したように頷く。
「もしかして子供を抱いている騎士様って、怜が体を使って誑かして夢中にさせたって言われてる団長さんかしら?イケメンなのに出来損ないに落ちちゃうなんて可哀想。しかも子供が居るって不貞じゃない?!最悪な女!」
「ちょっと、華憐止めなよ!これから怜と関わる事も無いだろうからもう言わなくてもいいんじゃない?」
りおだ。昔から積極的に私を虐めていた訳では無い(二人に殴れと言われて殴られてましたけど)が、二人を止める事もしなかったし、蔑んだ目で人の事を見ていたのに今更だ。確かに王宮で騒ぎを起こすのなんて良くないって思うよね?もう手遅れだけど。
華憐のわざとらしい大声に皆が集まってしまっているのだ。
華憐はここぞとばかりに私を大声で罵る。
アレク団長が私と華憐の間に入る。
「レイさん行きましょう。陛下との謁見に遅れてしまいます」
「はっ、王様と会うの?出来損ないの娼婦が?王子様を傷つけた罪人でもあるんでしょ?ああ、直接死刑とでも言われるのかなぁ?あなたもそんな女に関わらないで、王子様に怜を引き渡すのが利口よ?」
「お心遣い感謝します。しかし、私はあなた方のような常識の無い、平然と嘘をつく方の言うことは聞く価値もないと思っていますので、失礼します」
「なっ、ちょっと、私は精霊も見えるし精霊の愛し子の親友なのよ!そんな失礼な態度とっていいと思ってるの!?精霊も見えないくせに!」
「そうですか、精霊の愛し子の親友ですか」
意味ありげにアレク団長は華憐達を一瞥し、私を皆の視線から隠すようにその場を離れた。
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