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 騎士さんに挟まれて馬車は進む。

 王都の入口は検問を受けるために行列が出来ている。今まで並んでまで検問なんてしていなかったのだから、ここで私達を絶対に捕まえようという意思が伺える。

(またこの列に並んで検問を受けなくちゃいけないのか)ぼんやり考えながら窓の外を眺めていたが、騎士さんはその列を抜けて検問をしている騎士さんと話をすると私達の馬車はすんなりと王都に入ってしまった。

「???……参考人だから検問無しで入って来れたの?」

 前に座る御者さんも不安でソワソワしている。

「きっと間違いだってキチンと調べれば明らかになる筈です。大丈夫ですよ」

 自分の不安を隠してニッコリと微笑む。

「お母さん、こんな時はお菓子食べよ?」

「うん、そうだねいつき。考えると不安になっちゃうもんね」

 荷物からお菓子を取り出す。

「クッキーでいい?」

「うん、クッキー食べたい!」

「良かったら一緒に食べましょ?」

「……はい、それじゃあいただきます」

 もくもくと食べる。いつもなら美味しく感じるクッキーの味が何も感じられない。このまま騎士団に連れて行かれたら団長の正体もバレてしまう。

 騎士団の規律を守らなかったのは私を心配しての行動だ。せめて団長が罪を問われるなんて馬鹿な事が無いようにしてほしい。

 時々街の中の騎士さんと話しているようで、馬車が停車するがもうすぐ王城についてしまう。


 王城に入るための検問も門番さんと騎士さんが少し話してすんなり通ってしまう。堅牢な石造りの建物(この世界に召喚された日に来た建物なのか、別の建物なのか区別できない)の入口の前に馬車をつけて馬車をその場に残して全員部屋に案内される。さらに森から一緒に来た騎士さんにいつきは誰の連れなのか質問され、私の連れだと話すと団長と私、いつきの3人は地下の取調室に連行された。


 トントン

 ガチャ


「エルネスト団長ご無事でなによりです。こんな場所にお連れして申し訳ありません。ここなら今は話をしても誰にも聞かれませんから」

 団長が立ち上がりお辞儀する。

「アレク殿、今回は無理をお願いして申し訳ありませんでした。その上でこのようなご配慮、何とお礼を申し上げたら良いか……」

「頭を上げてください。殿下の理不尽な対応は他人事ながら腹に据えかねていましたので、気にしないでください。それより近衛より先にエルネスト団長を見つけられて良かったです」

「ありがとうございます」


「レイさんですね?お久しぶりです。第2騎士団団長のアレク·ハイドランジアです。エルネスト団長が毒に犯されていた時お会いしましたね?」

「あっ、あの時の騎士さん!レイ·ハルハラと言います。お久しぶりです」

「ところでこちらのお子さんは……二人のお子さんの筈は無いですし…」

「こんにちは。第2騎士団の団長さん。レイが僕を産み出してくれたんだ!」

「そうなのですか?もう少し詳しく教えて貰えますか?」

「僕は世界樹の精霊。レイがいつきって名前をつけてくれたの」

 ハイドランジア団長が目を大きく見開くが、すぐに冷静になったようだ。

「そうなのですね。いつき君よろしくお願いします。ところで、精霊なのに、皆に見えてますが人間のお子さんじゃないのですか?」

「うん、新しく産まれ変わる時にレイに実体を貰ったの」

「レイさんが精霊を産み出したのですか?」

「そのためにこの世界にレイを召喚したんだ。余計な人まで来ちゃったけど!」

「レイさんを精霊が召喚したのですか?」

「そうだよ。レイは愛し子だもん。愛し子の力が必要だから召喚したんだ」

「レイさんが愛し子………今王国で愛し子と言われている女性も愛し子なんですよね?」

「話を聞いてた?レイを召喚したんだよ。愛し子はレイだけ」

「しかし、パレードの日の不思議な出来事は精霊の力ではないのですか?」

「あぁ、レイが僕達を手伝ってくれなくちゃ困るから、レイが目をつけられないためにしょうがなくあの時はみんなが力を使ったよ?レイの為にね?」

「そ、そうなのですね」


 ポンポン話が進んでいく中、予想外の展開に頭がついていかず、3人の会話をボーッと聞いていた。






お読みいただきありがとうございます。

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