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団長に起こされる度に唇を塞がれ、もう絶対寝ない!と誓いを立てるものの睡魔には勝てずに眠りに落ちてしまう。
漸くスッキリと目覚めたので、空気を吸いに外に出る。太陽が大分高い位置にある。お昼近くまで寝てしまったのだろう。深呼吸をして身体中に森の空気を吸い込むと、頭の中がリセットされ前向きな気持ちになる。
「みんなおはよう。スッキリしたよ」
「レイおはよう!果物採ってきてあげるから待ってて!」
「ありがとう。待ってる」
大量の果物を団長と食べ、お腹いっぱいになった頃また魔力を流す時間になった。
種は大分大きくなり、アボカドの種くらいの大きさになっている。
テーブルの上に置き、魔力を流し始めると種がどんどん大きくなっていく。(何これ、こんなに一気に大きくなっちゃっていいの?)
「団長、ごめんなさい、ウンディーネ呼んできてください」
「あ、ああ。やっぱり一気に大きくなりすぎてるよな?」
「変ですよね?」
「おかしいよな?呼んでくる」
団長は部屋から出て行く。
ウンディーネを連れて団長が戻った時には魔力を流し終え種を眺めているところだった。
「種ってこんなに大きくなるものなの?」
ダチョウの卵くらいあるだろうか?最早種とは言い難い。
「初めてだよ!こんな大きさになったのは…」
「大丈夫なの!?」
「う~ん、何とも言えないけど魔力は十分な様だしこのまま植えてレイに魔力を流してもらって大きくなるようにお願いして貰おうかな?」
「それで世界樹が発芽すれば成功?」
「大きくなる迄お願いしたいの。勿論記憶を移すのも忘れないでね?その時流す魔力が怪我した人を助けた時くらい必要になるかな?」
「えー!そうなの?また魔力切れになるかもしれない?」
「なるかも……でもあの時よりも魔力集める練習していてくれたから、扱いも慣れてきているし倒れないと思うな。魔力を使っちゃった後だけど、少し休んで今日植える?それとも明日朝植える?」
「明日でもいいの?魔力が流れ出ちゃったりしない?」
「あまり時間おかなければそれは平気。あしたまでに植えれば問題ないかな」
「レイ、今晩はゆっくり寝て明日にしろ」
「でも、団の皆が心配ですよね?なるべく早く帰りたいですし、私も早く終わりにしてこの失敗したらどうしようってドキドキから解放されたい」
「レイの体を一番で考えてくれ、頼むから…」
そんな泣きそうな顔にならなくても…
「やっぱり今日やります!一晩失敗するんじゃないかって不安な思いするより、早く成功させて安心したいです」
「レイ!」
団長が心配してくれているのは良く分かる。約3時間置きにずっと魔力を使っていたんだ。足りないと思うのは私も同じだ。
ずっと(私なんかじゃできない)って言ってた自分を変えてくれたのはいつも元気をくれて励ましてくれた精霊達だ。もちろん団長が私の事を沢山誉めてくれるのも自信になってる。
だからこそ、また弱気で後ろ向きな考えになって逃げ出したくなる前に無理をしてでも挑戦したい。
「それじゃ、今日植えましょう。団長、申し訳ありませんが種を世界樹の根元まで運んでください。2~3時間後にお願いするからレイはゆっくり休んでて?それじゃ、行きましょ?」
「…はい、運びます」
二人は部屋から出て行った。
それから2時間くらいたっただろうか?団長が呼びに来た。
「レイ、少しは休めたか?無理して今日やる必要はなかったのに」
「そうですね。でも失敗するかもって思いながら一晩過ごすのも嫌だったんで…」
「そうか。俺は見守るしかできないな」
「一緒に来てくれたじゃないですか?一緒にいてくれるだけで嬉しいし、頑張ろうって前向きにもなれます」
「少しは役に立ててるか?」
「いっぱい助かってます!」
恥ずかしいけど、私から団長に飛び込んで行った。
少しの間団長に抱き付いて心を落ち着ける。
「そろそろ行こうか?」
コクンと頷き顔を上げる。よし、やってやろうじゃないか!
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