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 急いで馬から降りてみぃの後を追う。団長が見えなくならないように気をつけながら歩く。

「みぃ、どうしたの?何怒ってるの?」

「別に怒って無いけど、やっぱり僕達を見る事も出来ない奴を森に入れるのは気分良くない!」

「そっか……ごめんね?私の我が儘を聞いてくれてありがと」

「別に、ウンディーネは団長も一緒に来て良いって言ってたんだから謝る必要も無いんだけどね」


「お待たせ。適当な木に繋がせてもらった。森に入れてくれてありがとう」

 団長が走って追いかけてくる。

「僕はあんまり入って欲しくなかったからお礼はウンディーネに言って」

「ああ、それでもありがとう。皆にお礼を言いたい」


 暫く歩くと綺麗な泉が見えた。その横に物凄く大きな木が生えている。

「あれは世界樹。今回手伝いをして欲しいのは世界樹の世代交代。今の世界樹はもうすぐ枯れてしまうんだ。だから次の世界樹を精霊の愛し子の力で繋いで欲しいんだ」

「世代交代?実がなって種子が出来て発芽するんじゃないの?」

「それが出来ればわざわざ愛し子を探して召喚する必要なんて無いんだけどね」

「普通の木じゃないんだ…」

「まぁ、世界樹はこの世に産まれた時の記憶からずっとこの世界の出来事の記憶を代々受け継いでいるんだ。この世界の精霊達が集めた記憶を世界樹は記憶しているんだ。その世界樹を愛し子の祈りで発芽させて、さらに記憶を繋いでもらうんだ」

「木が記憶を持ってるの?」

「世界樹も精霊が宿っているからね。姿は見せないけど」

「そっか。じゃあ、その精霊さんの記憶を生まれ変わる時に新しく生まれた精霊さんに受け渡しをするイメージで良いのかな?」

「そんな感じで良いと思うよ、ねっ、ウンディーネ?」

 泉からキラキラとした粒子が舞い上がり、ウンディーネが姿を現す。

「初めまして、団長さん。誰もレイに手を差しのべなかったのに、声を掛けてくれてありがとう」

「初めまして。エルネスト・ラモサです。私が声を掛けなくても誰かが助けたでしょう。偶然に過ぎません。

 遅くなりましたが、精霊の森に入る事を許して頂きありがとうございます」

 胸に手を当て深々とお辞儀をする。おぉ、不謹慎だけど真面目な団長もかっこいいな。

「すぐに王都に戻りたいと思うけど、まだ少し時間が必要なんです。暫くこの森で生活してください」

「私達の事情は全てお見通しって訳ですね?月単位で留まらないといけないですか?」

ウンディーネはニコッと笑う。

「そこまでは長くならないです」

「わかりました。よろしくお願いします」

「それじゃ、みぃ、案内してあげて?」

「は~い、こっちだよ」

 みぃはさっさと歩き出す。慌てて後を追い、泉から少し離れた木の前で止まる。

「ここだよ。入ってみて」

 人1人がやっと通れる位のドアが木に付いてる。不思議な光景。

 ノブを回し、現れた空間に息を飲む。(何これ異空間にでも繋がってるの?生活できる広さがある)


 中に入ると、木で出来たテーブルと椅子、中身は藁っぽい大きなベッド?が置いてある。布が掛けてあり、布から草がはみ出ているのだ。野宿をしてきた事を考えると非常に有難い。布を押してみると思ったよりも心地よく、眠るのにも良さそうだ。


「団長も一緒の部屋でいいけど、ここでは()()()()()生活してね?」

「お、おう。抱き締める位はいいだろ?」

「まっ、レイが恥ずかしくない程度でね。精霊は見えなくてもいっぱい居るからね?」

「肝に命じておく」

「うん、信じてるよ。それじゃ、今日は疲れただろうからゆっくりして。ご飯はどーする?野菜と果物と魚なら沢山あるよ」

「みぃ、果物食べたい!葡萄が美味しそうだった!」

「俺も果物が食べたいな。収穫に行くか?」

「みんなレイの為なら喜んで果物採ってくるよ。休んでて」

「ありがとう。お願いします」


 暫くして籠に山盛りになった果物が届けられた。





お読みいただきありがとうございます。

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