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お読みいただきありがとうございます。
「レイ、早く入って来い」
「本当に同じ部屋に泊まるんですか?」
「恋人なんだから問題ないだろう?」
「そーですけど……」
(ぼくはお邪魔しないように外で寝るからね)
(ええっ、みぃ一緒に居てよ)
(一緒に居たって団長ぼくの事見えてないんだから無駄だよ。じゃ、朝になったらまた来るね)
「ゆっくり体を休めておけ。慣れない馬に乗っているんだから」
「はい」
その夜は遠征の様子や魔物の話など他愛の無い話をして過ごした。
人生初の腕枕で抱き締められドキドキして眠れないと思ったのは間違いで、あまりにも何事も無くスッキリと朝を迎えた。
私の純潔とさよならするのかとドキドキしていたのが期待していたようで物凄く恥ずかしい。ホッとしたような、残念なような複雑な心境。ヤバい、自意識過剰だった?!
朝食はパンにスープ、スクランブルエッグにハムと日本でも出てきそうな定番の朝食が懐かしくて、美味しく味わって食べた。
(レイおはよう。昨日はいっぱいイチャイチャできた?)
部屋に戻るとみぃが待っていた。
(昨夜はイチャイチャ無しでゆっくりできたよ!)
(団長我慢したんだねぇ。感心感心)
ボソッとみぃが呟いた。
(何か言った?)
(ううん、言ってないよ)
(今日も案内お願いね)
(まかせて!)
さて、支度をして今日も1日馬の上だ。
団長がチェックイン後に街の入口から宿屋に連れて来てくれた馬に乗り出発する。
だいぶ馬にも慣れて来たのか、景色を楽しむ余裕も出てきた。草原の中にポツンと建つ一軒家。街が近くなりカラフルな建物が隙間無く建てられている街並みなど、色々な風景を楽しむ事ができるようになった。
干し肉とパンを持っては来たが、1日に1度は食堂に入ってゆっくり食事をとる。宿の空きが無く野宿もしながら、4日目の夕方にみぃが言う精霊の森に着いた。
「ここが本当に精霊の森なのか?他の森と変わらないようだが…」
(精霊に認められないと精霊の森の中には入れないよ。団長はここで野宿してしばらく待ってればいいよ)
(団長は入れないの?)
(う~ん、どうしようかな?団長が居るとレイを独り占 めしそうだからイヤだなぁ)
(そんな事ないよ。団長がみんなを見られるようにはできないの?見えないから遠慮しないんだと思うんだ)
(見えれば邪魔しない?)
(見えなくても団長だって精霊の手伝いするのが分かってるんだから邪魔なんかしないよ。もし私が倒れたら助けられるのは団長しかいないだろうし…)
(わかったよ、しょうがないなぁ)
(ありがと、みぃ)
「お待たせしました、精霊の森は精霊に認められないと入れないんだそうです。私と精霊のみんなとのふれあいを邪魔しなければ入れてくれるそうです」
「邪魔なんかするつもりはないが?」
(もう、いいや。あの木に向かって!木に突っ込んで!)
木々の中でも一際大きい楢の木に向かえって突っ込めって、それが入口なんだろうけど躊躇っちゃうよね?
「団長、あの一番大きい楢の木に突っ込めだそうです!」
「はあ?木に突っ込むのか?」
「そうみたいです。とにかく行ってみましょう?」
「ぶつかっても知らないぞ」
「はい」
突っ込めってことはそこそこのスピードが必要なんだよね?ぶつからないと分かっているが、馬が木に近づくと怖くて目を瞑ってしまった。
馬がスピードを落とす。恐る恐る目を開ける。
目の前に色とりどりの花が咲きみだれ、沢山の果物が生っていた。
「……凄いな」
「レイ、案内するから来て。団長は馬を繋いで来てね」
馬の足元から声が聞こえる。
「お、おう!俺にも聞こえるし見えるけど、みぃか?」
「そうだよ。ボケっとしてないで早くレイを馬から降ろして付いてきてね」
みぃはプイッとそっぽを向いて行ってしまう。
「団長、急いで行こう!」
団長……紳士なのかヘタレなのか…




