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41 美姫視点―1

お読みいただきありがとうございます。

 ちょっと一体何だったのよ!

 あれは魔法?ドレスは日本で着ていた服より厚いから生地だけ切れただけで済んだのよね?


 怜が未だにこの国に居るだけでも不愉快なのに、騎士団の寮で生活してるって信じられない!

 わざわざ怜の追放を邪魔をするって言う団長が魔物討伐の遠征の留守を狙って騎士団の寮に行ったのに!

 強引に捕まえてこの国の魔物が居るって話の国境の森にでも置いてきてやろうと思ったのに、何でこんな事になってるの?


 王子と愛し子の殺害未遂よ!あんなの絶対怜がやったに決まってるじゃない!

 でも、出来損ないの怜が魔法を使えるとは思えない。脳筋ばかりの第3騎士団ってカミーユから聞いてるし魔法の使い方を教わっているとは考えられない。

 どんなカラクリがあるのだろう?


 またすぐにチャンスは訪れた。

 許可も取らずに魔物討伐の応援に第3騎士団が向かったとカミーユが言っていた。

 寮に残っている人数はさらに少ないから前回よりも邪魔が入らないだろう。

 カミーユに盾突いたら王族侮辱罪になるから、怜を捕まえるのに邪魔できる人間なんていないでしょうけど!


 念には念を入れて、近衛騎士団一行とカミーユとで寮に向かったの。そしたら怜は居ないのよ!

 カミーユの命令で怜の居場所を答えさせたけど、遠征に一緒に行ったですって!

 ふざけないで!何逃げてるの!とっとと捕まって罪に問われなさいよ!

 本当にムカツク女ね。

 でも、カミーユは怜が私達の服を切り裂いた証拠が無いから罪に問うのは難しいって言うの。

 別に罪に問おうが魔物が居る森に連れて行こうがどっちでも構わないけど…

 使えないの、王子のクセに。適当に証言だってでっち上げちゃえば良いのにね。

 ただ、カミーユは第3騎士団は違反を犯しているから、すぐに後を追って物質や人員を王都に戻すか悩んでいる。

 怜を捕まえて例えそれが遠征先の団長に話が届いても戻ってくる間にどうにでも出来ると考えて態々怜を捕まえに寮に乗り込む日にちを空けたのに。

 応援が出発してから2日が過ぎてしまっているから、かなり遠くまで行かないと追い付かないんだって。完全に裏目に出てしまったわ。

 

 もし、本当に魔物の勢いが凄くて魔物を倒せないと、魔物の脅威が近隣の村に降り掛かるから応援を戻さない方がいいかもしれないって。

 そんな田舎の人なんてどうでも良いんじゃないの?とは思うけれど、それは表に出してはダメね。

 さも心配そうに話を合わせてしまったらカミーユは私の力を使えなんて言い出したの。あり得ない!

 豪華なホテルに泊まって買い物して観光して至れり尽くせりの旅行の様にしてくれたら考えなくもないけど、この世界ってどうなの?観光地なんてあるの?

 ましてや田舎なんて絶対イヤよ!贅沢な生活じゃないなら無理ね。


 カミーユは結局追いかけるのを諦め、王都に入って来た所を捕まえる計画を立てているらしいわ。

 あとどの位で遠征から帰ってくるのか知らないけれど、また楽しいことになるでしょ。



 怜が裁判にかけられる様子を想像しながら討伐隊が遠征から帰ってくるのを待っていたら、陛下がとんでもない命令をしてきたの!

 愛し子は精霊の力を借りて土壌も豊かに出来るし、雨も降らせる事が出来るから北の国境地帯に行って、その土地を作物が良く育つ環境にして来てほしいと言う。

 私の力を貸して欲しいって言うのなら命令されても断っても大丈夫よね?

 私の方が王族より貴重なのよね。

 当然カミーユにも行かないと、そんな簡単に精霊は力なんか貸してくれないんだから行くだけ無駄だと伝えた。

 いつものカミーユなら私の言う事は聞いてくれるのに、今回は力を貸して欲しいなんて言ってくるの。ミキの地位を確立させるのにも、カミーユが王太子に指名されるにも愛し子の力を見せつけて認められる必要があるんだって言うの。愛し子を見つけ出し、ミキに一番信頼されているのはカミーユだから、国王になり側に置いて貴重な愛し子の力を使うのをお願いできる存在になれるらしい。

 そうなんだ、第1王子なんて言ってるから次の王様はカミーユだって疑わなかったけど、そう言う事?

 愛し子に取り入ってその手柄を自分の力とし争いを勝ち抜き王太子になりたかったのね?

 まぁ、私も王宮での贅沢な暮らしを約束してくれるのならお互い様でさらに良い関係でいられそうね?





ブクマ、評価ありがとうございます。

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