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日が傾き辺りが夕闇に包まれる頃団長達は戻ってきた。
昨日は皆満身創痍だったが、今日は余裕の笑みを浮かべながら戻って来た。
「お帰りなさい。皆さん今日は怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、応援に来てくれたから人数も揃っていて連携も取れたからな。ポーション飲む程の怪我はない」
「良かったです。お肉が焼けるので皆さん着替えて来てください」
「ちょっと待て、肉って何だ?ここにも魔物が出たのか?」
だ、団長怖いです…今までの笑顔はどこに行ってしまったんですか~。
「アベルさんが倒してくれたので問題ないです」
慌ててアベルさんを見るが物凄く何か言いたそうな目で見てる。
「そうですね。止めを刺しました」
「何が出たんだ?」
「ビッグボアですね」
「はあ?3人で倒したのか?」
「いいえ、自爆したようなものです。ね、レイさん」
「は、はい。ぶつかって気絶したんです」
「何にぶつかったんだ?」
「……壁です」
「後で良く話を聞かなくちゃいけないヤツかな?」
胡散臭い笑顔です、団長…
「アベルに話したんだな」
ボソッと呟くが聞き取れない。
アベルさんと私を交互に見て1人で納得してる。
「食事の後で詳しく話してくれ。アベルいいな?」
「はい。団長は準備をしてきてください。夕食になりますよ」
夕食後3人で皆の話し声が聞こえない場所まで遠ざかる。
今日の出来事を話し、アベルさんに追及され愛し子だとバレてしまったと正直に報告した。
「いやー、凄かったですよ。突然土が盛り上がってレイさんの前に壁が出来たんですから。レイさんは何も無い場所に手を伸ばしてボーッと一点を見つめてるし。これはもうレイさんは精霊が見えてるんだって誰だって思いますよ。殿下の時の状況も考えれば!」
「それにしても殿下は追ってきているだろうか?」
「そうですねー。寮に乗り込んで来たのも、団長達がこっちに着いたのを見計らって来たと思うので、今回も今頃寮に乗り込んでるんではないですか?レイさんが寮に居ないって知ってまた荒れてるんじゃないですかね」
「今から追いかけても途中で追い付けないと考えてくれればいいんだがな」
「そうですね。明日には何事も無ければ馬車もこちらに着くでしょうから。殿下も団長が居る場所迄は追いかけて来ないでしょう。こう見えて団長は陛下から信頼を得ているから無下に出来ないですもんね」
「…別に信頼されてる訳じゃない。魔物討伐させるのに都合がいいだけだろ。……だが、寮に戻る前に陛下に今回の殿下の暴走を伝えられないだろうか?少しでも殿下の暴走を止めてほしいな」
「第2騎士団のアレク団長に早馬を出すのはどうでしょう?確か団長が毒に犯された時に傍に居てくれたんですよね。しかも愛し子に少し疑問を持っていたなら適任なんじゃないですか?陛下に手紙を届けてくれるんじゃないでしょうか?」
「そうだな。引き受けてくれるかもしれないな。面倒だがアレク団長の生家のハイドランジア侯爵家に手紙を持って行き、家の者にアレク団長に手紙を届けて貰えるように連絡しよう。第3騎士団が第2騎士団に接触するのも殿下に知られたら勘繰られるだろう。…リディに頼むか」
「そうですね。本人は貴族ってあまり言われたくないみたいですけど、伯爵令嬢ですからね。一番適役でしょう」
「それじゃあ、急いで手紙を書かなくちゃいけないな。ああ、苦手なんだよな。貴族相手は。しかも陛下にも手紙書くのか………」
団長は嫌そうに髪の毛をグシャッと掻きむしった。
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