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お読みいただきありがとうございます。

 朝、皆を見送り後片付けをする。

 ここの見張りとして3名。夜、見張りをしていた2名が拠点に残っている。


 2名は今回酷い怪我を負い、ポーションでも完治していないため夜の見張り役を買って出てくれた。なので、皆が出ていった後は夜の見張りのために眠らなくては。

 昨日は散歩と言ってフラフラ出来たけど、今日も焚き火の枝を探すって言えば少し遠くまで行けるかな?


「アベルさん、枝を探してきます。そんなに遠くには行きません。行ってきますね」

「レイさん、一緒に行きます。レイさんの護衛として残ったので離れないでください」

 やっぱりそう言う事か。アベルさんが残ってるからそんな気がしたんだよね。

「見える範囲で行動するので1人で大丈夫です」

「いえ、団長からの命令ですので何かあったら私が怒られてしまいます」

 あちゃー、力を使わせないようにしてくれたんだろうな。

「焚き火の枝は必要ですので、拾いに行きましょう」

「はい」


 今日は果物を皆に食べさせてあげられないか。馬車が来れば無花果を積んであるんだけどな。

 枝を拾いながら果物の木があるか見ておけば後で役に立つかも。(実が生ってなくちゃどれが何の木なんて知らないな。みぃに期待しよう)


 焚き火の枝といっても水分の抜けた枝じゃないと煙が酷くて使い物にならない。素人には見分けが難しい。

 夢中になってしまい、アベルさんから少し距離が離れてしまった。


 ガサガサっと後ろから音がして、慌てて振り返ると一匹の魔物らしき生物が私に向かって突進してくる。


「レイさん!逃げて!」

 アベルさん、言う事聞かなくてごめんなさい。身体が動かないんです。恐怖で体が硬直してる。

 もうダメだ。

怖くて目を瞑る。


 ドンッ!!!


 …………凄い音がしたのに、いつまでたっても衝撃が来ない。

 恐る恐る目を開けると目の前に土の壁が出来ている。

 何これ……ボーゼンと見上げる私に壁の上のみぃが(ノームが助けてくれたんだよ!ビッグボアは気絶してるから早く止めを刺した方が良いよ)と言う。

 視線を下に向けると石に隠れているつもりなのかな?あまり隠れられてない三角帽子を被ったずんぐりと小さい人の形の精霊が居た。屈んで手を差し出す。

(ありがとう。助けてくれたんだね。もう死ぬかと思っちゃった)

 恐る恐るノームが顔を出す。

(僕達君に会いたかったんだ。困っていれば助けるよ)

 恥ずかしそうに、モゴモゴゆっくり喋る。

(本当にありがとう。何かお礼がしたいけど、私に出来ることはある?)

(話せただけでいいよ。また後で話せたら嬉しいけど、後ろの人は大丈夫?)

 ヤバっ、アベルさんに見られた!

 後ろを振り返るとアベルさんが呆然と佇んでいた。


「アベルさん……」


「あっ、ビッグボアを見てきます」

 アベルさんが我に返り壁の向こうに向かう。

「お願いします…」


 アベルさんが止めを刺したのだろう。魔物の咆哮が響き渡る。


「レイさん、後でお話を伺って良いですか?今はビッグボアの処理が先ですから」

 ニッコリと笑顔だか、否とは言えない雰囲気を纏っている。

「………はい」

 アベルさんに正直に話しても良いのかな?アベルさんの追及を逃れる自信無いけど……


団長にも相談できないし……どうしよう。





ブクマ、評価ありがとうございます。

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