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食事も済み、皆が各々寛いでいる。
勿論見張りは交代でしているが。
団長達と合流した事で、人数もポーションも増えて束の間の休息を取ることが出来ているようだ。皆リラックスして談笑している。
「アベル、少しレイと散歩してくる。遠くには行かない。少しだけ話がしたいだけだ」
「分かりました。気を付けてくださいね」
「ああ……レイ行くぞ」
「えっ、もう真っ暗ですよ?今からですか?」
「昼間は討伐で話せないだろ。少し聞きたい事があるだけだ」
「はい」
立ち上がり団長の後についていく。
皆の喧騒が聞こえない距離で団長は立ち止まる。皆から見えない木陰で振り返るなり、強く抱き締められる。団長の胸の中でドキドキしちゃうけど、この場所は安心するな。勇気を出して背中に手を回す。
「会いたかった。少しこのままでいさせてくれ」
切なそうな声で囁く。
「…はい」
ドキドキして声が掠れる。
身体が少し離れ団長の指が顎にかかる。
「ま、待って。ここ外」
「充分待った、部屋の中ならいつでも良いのか?」
有無を言わさず唇を塞がれる。優しい口づけから、段々貪るように深く、深く口づけを交わす。
息が出来なくなり胸を叩く。唇が離れやっと息ができた。
「はぁ」吐息が漏れる。
恥ずかしくて団長の胸に顔を埋める。
「まだ慣れないのか?」
「慣れませんっ!」
優しく頭を撫でてくれる。恥ずかしいけど、髪撫でて貰うの好きだな。
「レイ、精霊が王子と偽物に攻撃したんだろ?疑われてないのか?」
「たぶんアベルさんは疑ってるかもしれない。精霊達が怒っちゃって止められなかったんです。護衛の人にまわりを囲まれてるのに、護衛の人は一切被害はなくて、2人の洋服だけ怪我も無く切り裂いちゃって……2人とも余計に怒らせちゃったんです」
「怪我させないで服だけ切り裂くなんてさすがだなと褒めたいが、それは魔法じゃ出来ない芸当だ。レイが強引に連れていかれなかったから精霊には感謝しなくちゃいけないんだろうけどな。それとザクロと人参はどうしたんだ?無花果と同じ様に成長させたのか?」
「あ~、あれは食べられる植物を見つけて精霊に力を借りました。たまたまザクロと人参があったんです。私じゃ分からないから一緒に来てくれたみぃに教えて貰ったんですけど」
「無理するな。また倒れたらどうするんだ!自然の人参が生る時期じゃないって誰かが気がついたらまた疑われるんだぞ」
「あの時みたいに沢山の人を治した訳じゃないから。木を一本成長させるのと人参だけだったから……」
「静かに目立たないように生活したいんだろ?」
「そうだけど……私が居るから理不尽な事されて、ろくに食事も取れないなんて許せないんです」
「レイのせいじゃないと言ってるだろ?そんなに自分を責めるな」
「でも、私が居なければ………」
あ~、ダメだ目の前がぼやけてきた。喉が震えて言葉が出てこない。
俯いた私の顎に再び手を掛けて上を向かせる。
「レイが無事なだけでいいんだ。変な事考えるようなら何も考えられないようにしてやるよ」
そう言うと長い長い口づけを交わした。胸を叩いても離れようとしてもびくともしない。
その言葉通り私の頭の中は何も考えられないくらい真っ白になった。
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