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 ひぇ~~~!!


 ちょい待てアベル!声にはならない悪態をつく。


 休憩を終え出発すると「もう少し速くしますね。気をつけてくださいね」その直後、馬のお腹を蹴りスピードを上げた。

 うぅ、今までは馬に乗ったことが無い私がいたからあんまりスピード出さないでいてくれたんだ。これくらいだったら大丈夫じゃん!なんて思っていた私を消し去りたい。

 口を開けば舌を噛んじゃうのではないかと思う程揺れるので、文句も言えず歯を食いしばって何とか耐える。

 みぃは余裕かと思いきや鬣に必死にしがみついているじゃないか。可愛い。



 はぁはぁ肩で息をする。

 ようやく地面に降りられたけれど、平衡感覚失くなってるし、全身力を入れていたからぐったりだし…

 そんな私に皆声を掛けてくれる。

「おつかれさん」「今日はここまでだからゆっくりしてて」「乗ったことが無いのに良く頑張ったよ」

 等々労ってくれる。


 皆は遠征慣れしてるのだろう。休む事なく薪になりそうな木の枝を探したり、少しでも良い環境で過ごせるように働いてくれる。


 薪に火を着け焚き火をする。皆で火を囲み今度は遠征食だ。

 うわ~、遠征食ってヤバい!硬いパンに干し肉なのかな?いっぱい噛んで満腹中枢刺激しろって事なのかな?

 皆はワインを水のように飲んでるし、遠征恐ろしや…


 食事が終わり、馬の世話をしてから皆眠りにつく。

 見張りを交代でするから、私も名乗り出たけど、疲れをとるのが優先だと言われてしまい見張りのメンバーに入れなかった。


 地面に布を敷いて毛布をかぶり雑魚寝なんて初めての経験だ。体が痛くなるんだろうけどワクワクしてしまう。

 皆には絶対言えないね、ワクワクしてるなんて。皆は命懸けの仕事をしているんだから。


 ワクワクはしていたけど、この環境では眠れないなんて誰が思ったのかな?

 瞬殺で寝てしまったらしい。



 辺りのざわめきで目が覚める。

 う~ん、もう出発?

 目がなかなか開かない。あれ?隣に人の気配が無い?


 慌てて起き上がる。


 アイリスさんが振り向く。

「起きちゃった?ちょっと魔物を解体してるからうるさかったよね」

「ま、魔物ですか!」

「うん、そう。よくあることよ。一匹だけだったからすぐ倒したわ」

「そ、そうなんですね」

「朝ごはんで肉を食べましょうね」

「自給自足なんですね?」

「遠征では大切な食料なのよ。あの硬いパンと肉で遠征中はほとんど過ごすの」

「うわ~、辛いですね」

「そうなの。だから魔物の肉は貴重よ。皆喜んで解体してるの」


「ところで、魔物が出たって事は結構な騒ぎだったんですよね?私、その中で起きなかったんですか?」

「あはは、そうね。凄く疲れてたのよ」

「はぁ~、恥ずかしいです」

「もう一眠りした方がいいわ。身体中痛いんじゃない?」

「全身筋肉痛ですね」

「休憩もするけど、今日もずっと馬に乗ってるのよ。朝ご飯には起こしてあげるから眠って?おやすみ、レイさん」

「はい。ありがとうございます。甘えさせてもらいます。おやすみなさい」



 あっという間に夢の中に落ちていった。










お読みいただきありがとうございます。

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