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いいにおいだなぁ。
うつらうつらし始めた意識の中、香ばしい匂いが鼻腔を擽る。
ハッ、そうだ野宿してたんだ!パッチリ目が覚める。
「おはようございます。良く眠れましたか?」
「おはようございます。アベルさん、凄く良く寝てしまったみたいで…」
恥ずかしい…こんなに皆動いてくれてガヤガヤしているのに爆睡してしまった。
「魔物の肉がもう少しで焼けるので朝ごはんにしましょう」
「夜中に倒して解体していた奴ですか?」
「そうです。硬い干し肉を食べるよりいいですからね」
「皆はあれから寝ないで動いてるんですか?」
「いえ、必要最低限の人数だけであとは寝てもらいました。大丈夫ですよ、レイさんだけが寝てた訳ではないですから」
クスッと笑われてしまった。
「はい、どうぞレイさん。コカトリスと言う鶏の魔物の肉です」
「ありがとうございます」
「これが魔物の肉なんですね。…うん、美味しいです。もしかしてこのお肉って、食堂でも使ってたりしますか?食べた事あるような…」
「コカトリスは魔物の中でも良く食べられる肉だから食べてますね」
「食堂で仕事してるのに全然知らなかったです」
「レイさんは野菜の準備をメインにしているんですからしょうがないですよ。今日も疲れると思いますが頑張ってくださいね」
「はい…頑張ります」
はぁ~憂鬱だけど頑張らなくちゃね。
それから団長達の居る場所までは特に何の問題もなく着いた。もちろん私が使い物にならなかったのは言うまでもないが……
テントが設営されている場所ではリディさんが忙しなく動いていた。
「副団長!来てくれたのですか?」
「はい。今、どのような状況なんでしょうか?」
「怪我人が多く出てしまって、消毒と包帯の交換をしています」
「ポーションを持ってきました。後続の馬車にもポーションは入っているんですが、こちらはあまり当てにしない方が良いかもしれません。殿下の妨害があるかもしれないので…」
「…もしかして許可なしでここまで来たんですか?」
「勿論です。理不尽な仕打ちには屈しません。取り敢えずポーションが必要な者に飲ませましょう」
「はい」
ポーションを飲んで元気になった人が次々とテントから出てくる。
良かった。怪我治ったんだ。
「皆が戻って来るまで少しでも休みましょう。討伐はどのような状況なのですか?」
「ブラックドッグの群れが居るんです。相手の数が多く、しかも連携がとれているので手こずってます。こちらが退けば深追いしてこないので助かってますが…」
「明日から一緒に討伐に向かい、早く終わらせましょう」
「はい!」
「リディさん、食材は何かありますか?夕食に私でも何か作れるものがあれば作りたいと思うんです」
「レイさんありがとね。食材も殆ど持ってこれなかったから、パンと干し肉でやりくりするわ」
「わかりました。何か私に出来ることがあれば手伝わせてください」
「何かお願いする事があったら遠慮なく言うから今は休みましょ?」
「…はい。少し辺りを散歩してきます。遠くには絶対行かないので心配しないでください」
皆から少し離れる。
(みぃ、食べられる食材をすぐに生やす事は出来ない?)
(食べられる植物があれば早く成長させられるけど、疑われるよ?それでもやる?)
(そっか、そうだよね……………でも、やっぱり皆のために何かしたい)
(わかった。それじゃこの辺りで食べられる植物があるか探そう)
(うん、ありがとう、みぃ)
何か食べられる植物があれば良いな。
お読みいただきありがとうございます。




