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王都は今、お祭り騒ぎだ。
愛し子クッキー、愛し子ケーキ、愛し子カップ等々
愛し子グッズで溢れているらしい。
あの騒動の後、精霊の愛し子の力なのではないかと噂になったらしい。
すると第1王子が「ミキの力だ。優しいミキが皆を助けたんだ」と主張したというのだ。
美姫も美姫で王子に合わせ「私が精霊にお願いしました。怪我をした人を放っておく事なんてできませんから」と参考人として呼ばれた議会で話したそうだ。
皆、精霊が見えないから本人の話だけで愛し子認定したらしい。
団長はあの時、美姫が何をしていたか調べて私の逃げ道を塞いだんだよなぁ。
強いし、仕事は早いしできる男なんだろうな。
イケメンで仕事も出来るなんて、なんで結婚してないのか不思議だ。しかも、私なんかに告白してくるし…
団長が毒に犯されて苦しんでる時、絶対に死んじゃヤダって思ったし助けたかった。うん、私はもう団長が好きなんだよね?
そんな物思いに耽っていると、精霊達が現れる。
「団長好きなの~?」
「チュッっていっぱいするの~!」
うわっ、心臓に悪い。吃驚したー!
「ねぇ、レイが怪我した人助けたのに違う人が助けたって言ってるよ」
精霊達は私の力なのに許せないとプンプンしている。
猫のような精霊を抱き上げ顔を埋める。…気持ちいい…
この子は名前を教えて貰おうと思ったら、好きに呼んで欲しいと言われたので、みぃにした。
ごめんなさい、ネーミングセンスゼロです。
私はずっと美姫が愛し子だと思っているが、余りにも精霊達がプンプンしているので聞いてみた。
「私と一緒に召喚された子達も愛し子なんでしょ?」
「えー!違うよ。レイだけだよ」
「うそっ、私だけなの?」
「そうだよー。嘘つきにはお仕置きしても良いよね?レイ!」
「いやいや、ダメでしょ!って言うか美姫が愛し子って事になってた方が私は目立たなくて静かに生活出来るから好都合だし、嬉しいな。ダメ?」
「「えー、ダメ!」」
「彼女達も精霊が見えてるんでしょ?」
「レイと一緒に召喚しちゃったから今は見えてるだけ。そのうち見えなくなるよ」
「そうなの?」
「「うん!」」
「それじゃあ、しばらく美姫の力って事にしようよ」
「なんで?」
「精霊の森での手伝いが終わったらみんなの好きなようにお仕置きしても良いからさ、もし私が愛し子だって知られたら森に行けなくなっちゃうかもしれないし、少しの間、彼女に力を貸してあげて?」
「団長は愛し子って知ってるよー」
「エルネスト団長は私を尊重してくれるから、王様に言わないでいてくれるよ」
「後でお仕置きしていーい?」
「あんまり激しいお仕置きはダメだよ。イタズラ位にしておいて?」
「うん、イタズラする!」
さんざん悪口言われて、暴力まで受けてたんだから、少しくらいイタズラされたってしょーがないよね?
「そのかわり、精霊の森に行くまで少しだけ美姫が愛し子にみえるように力を貸してあげて?」
「えー、力を貸すまでしなくても…」
「この間の商店街みたいな大きい力じゃなくて良いからさ?」
「あれはレイだから大きい力になるの!」
「…あ、はい…」
そっか、愛し子が魔力を込めるから大きい力か。誰でも同じだと思っちゃってた。ほら、私が愛し子なんて言われてなかったし…
「しょーがないなぁ。ほんとはレイにイジワルしていた人なんかに力貸したくないんだからねっ」
「ありがとう、みんな」
団長に相談して精霊の森に行く日を決めなくちゃ!
お読みいただきありがとうございます。




