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 ああ……そう言えばやらかしたのかもしれない。


 告白とさらにファーストキスを奪われパニック状態だったからなぁ。しかも精霊達にからかわれ裏庭に逃げてきたな。


 あの時無花果に魔力をあててたかも……

 ただでさえあり得ない成長速度なのにあの日は何かに集中していないと告白とファーストキスの感触が頭の中を占めてしまうので、はっきりとは覚えてはいないが何回も魔力のコントロールの練習をしてしまったのだろう。


 ああ、パニックとは恐ろしい。なんて事をしてしまったのだ…実をつけるまで成長させてしまったのか…


「レイ、俺にだけでいい。本当の事を教えてくれ。

 国に知られたくないなら、出きる限り知られないようにするし、俺は報告しない。ただ、本当の事を知らないと助けてやることも出来ないんだ」


 切なそうに、苦しそうに言葉を紡ぐ。


「……」


 目を見られない。どうしたら良い?

 もう誤魔化せない?


 何も言えずに俯いていると、また抱き締められる。


「俺を信じられないか?」

 ふるふると首を振る。


「お前の力になりたい。俺では役不足か?」

 ぶんぶん首を振る。


団長なら信じられる。イヤ、信じたい。私を尊重してくれるだろう。




 胸を叩いて腕を緩めてもらう。

 顔を上げ団長を見つめる。


「エルネスト団長、手助けしてもらえますか?」


「俺に出来る事なら何でもする」


「精霊の森に行きたいんです。手伝ってほしいと…」


「やっぱりレイが愛し子なのか?精霊が見えるだけじゃなく話もするのか?」


 私の周りに来ていた精霊達がその言葉を受けて部屋に色とりどりの花を降らせる。


 突然現れた花に団長は呆気に取られ口を開けて固まっている。


 格好いい人はそんな顔でも素敵なんですね。


 ハッっと団長は我に返る。


「そうか、やはりレイが愛し子か。

レイは国に自分が愛し子だと認めてもらわなくて良いのか?あの3人のようにドレスを着て贅沢できるぞ」


「いえ、愛し子では無いです。」

 そう言うと精霊たちは((レイは愛し子だよー))と言ってくる。


「あの、愛し子だそうです……でも、あの3人から見えない場所に居たいですし、同じようになりたくないです。ここでみんなに親切にしてもらい、楽しく生活させてもらって、人と関わる事は怖い事じゃないって前を向けるようになってきたんです。だからここで生活したいです。団長もいるし……」

 最後の言葉は聞こえないように囁いた。


「正直に話してくれて嬉しい。

 …あの治癒の力はレイの力だよな?」


「私の力…なんでしょうか…精霊達が助けてくれたんです。私は祈っただけで…」


「レイの力だろ。レイが祈ってレイの魔力を使ったんだろ。たとえ精霊が助けてくれたんだとしてもレイだから精霊は助けたんだ。

 もっと自信を持て!」


「…でも…」


 「あの時俺と皆を助けてくれてありがとう。愛し子と知られたくないのに力を使うのは勇気がいるよな。本当にありがとう」


 ぎゅっと抱き締められる。


「この事は俺の心の中にしまっておこう。

部屋に風呂があるから気分転換にゆっくり風呂でも浸かってこい。そのドアの奥だ。

 一応言っておくが着替えさせたのはリディだからな。俺は見てないぞ」


 くぅ~!考えないようにしていたのに団長のばか!

 そう、目覚めたら、出掛けた時に着ていた服ではなくこの国の女の人が寝る時に着るワンピースを着ていたのだ。


「ドアの向こうが風呂だ。使い方は一緒だから入ってこい。着ていた服は洗って置いてあるからな」



「はい、行ってきます」慌ててお風呂に逃げこんだ。








お読みいただきありがとうございます。

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