14エルネスト視点―2
約束通り昼食後、談話室に向かう。
待ち合わせに現れたレイは騎士服だ。
俺はどれだけ気が利かないんだ!この世界の服は騎士服しか持っていない事など考えなくてもわかるものだろう。
今日は一番に服を買おう。そのまま買った服を着て街を歩こう。他に必要な物はないだろうか?
自分からは欲しいものを言わないだろうから、俺が思いつく必要な物は買ってやろう。
いや、店主に任せちゃっても良いかもしれないな。俺には女性に必要な物なんて分からないからな。
街に来てもこの国の金を持っていなければ、レイは遠慮して何も買わないんだろうな。
やはり今まで雑用をしてくれたのだから、下女として給金を払うべきだろう。少しでも自由に使える金は必要だ。
仕事を住み込みで探したいと言っていたから、もし寮の中で他に興味があれば、とは言っても寮では掃除洗濯、食堂の下働きになるが正式に働いてもらえないだろうか。
そんな提案をしながら歩く。
緊張しているのか口調も硬い。
レイも俺も口数が多いわけではないので、会話が弾んだとは言えずに店に着いた。
ここは平民が通う区画だ。動きやすい服もあるから仕事をするのにも使えるだろう。
何着か見繕ってもらおう。
レイが試着を終え出てくる。
髪をセットされ、うっすらと化粧してもらい街に溶け込むような服装。
レイは嫌がるかもしれないがドレスも似合いそうだ。いつかドレスを贈って受け取って貰えるだろうか。
そんな妄想に耽りながら見とれてしまっていたらしい。
店主に呼ばれ我にかえる。
「ああ、美しいな。良く似合っている」と声を掛けると俯きかげんだった顔を一瞬上げはにかんで頬を赤らめる。
可愛いな。目を出したレイを俺以外の男に見られたくない。
デートを意識させるように言葉も被せたんだ。
さりげなく繋いだ手をレイは離そうとしてくるが、こんなチャンス滅多にない。離してやるものか。
これで少しは俺の事を男として意識し始めるだろう。
俯いた顔が真っ赤だ。
半日なんて時間が短すぎた。服を買うのに時間が掛かって二人きりで一緒に居た気がしない。
次にデートできる日を何がなんでも確保しなくては。今まで以上にアベルに仕事を割り振ってやろうか。
魔物討伐の遠征が今入ったら、速攻で倒して帰って来れる気がする。
あまり時間をおかずに俺という存在を意識させなくては。
次は何としても1日ずっと一緒に居るぞ!
それにしても、このままレイを寮に連れて帰ったら騎士団が少し騒がしくなりそうだな。他の奴等を牽制するのも大変になる。
レイは鈍感と言うか、自分に自信が無いから自分に好意を持っている男は居ないと思っているから気が付かないと思うが。
レイには内緒で買ったエプロンも仕事を受けてくれるようになったら渡そう。俺の好意をレイに分からせなくてはいけないな。
楽しみだ。
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