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紅の赤  作者: 青階透
鬼殺し編Death of Shadow Village編
51/61

8話 魂喰の我主

今回はいつもより短めです。

 Scene1


 

 10月25日22時55分


 魂が喝采を求めている。身体から、腹から魂が叫んでいる。

 俺はもっと強くなれる。その為には自分の殻を破らなくてはならない。


 本来は守るべき魂を剥き出しに、鎧の様に自身の身体に纏う。魂を喰らうための口には、顔には魂で生み出した仮面で隠す。

 身体の変異を感じると同時に物凄い昂揚感が押し寄せる。もっともっとだ。自分の魂だけでは不十分、今までに喰らった魂をも吐き出し纏う。


 この時、一匹の怪物が誕生した。


「『魂喰の我主ソウルイーター・ロード』これが俺の最高到達点だ」


 この瞬間、烈喰の魂は死んだ。そして序列十位にも匹敵しうる力を手に入れた。

 次の瞬間、山門健の渾身の一撃を腹に叩き込まれた。



 Scene2


 

 『赤破壊鬼(レッド・デーモン)改』は鋼の義手となった拳で放つ『赤破壊鬼(レッド・デーモン)』であり、本人の成長も相まって、東京の頃のものとは数段上の破壊力を実現している。まさしく渾身の一撃であろう。

 だが、荼鬼はそれを喰らって微塵のダメージも受けていなかった。それどころかまるで格下を見下すように俺を見下す。


「言っただろう。俺は強くなったっと。もうこの程度の攻撃じゃあ俺の防御を超えられない」」


 荼鬼はお返しにと言わんばかりに軽く手を横に振った。その一撃だけで今までにないほどのダメージが全身に走る。明らかにさっきまでと次元が違う。


「ッ!?バカな」


 地面を転がる。左手を地面に突き刺し勢いを殺す。今の一撃だけで肋の何本かがいった。


「大丈夫!?健くん」


「ああ、なんとかなぁ。だが、状況はヤバいぜ。俺の攻撃が微塵も効いていなかった」


 しかもあの一撃だけで、唐暮勿牙(からくれないが)の一撃と同等のダメージが入った。明らかにアレと同格、それ以上の力を奴は手に入れやがった。

 それに加えあの防御力。ありゃあなんだ?何十センチの厚みを持つ鋼鉄を殴っても凹ませる自信がある。それよりも硬い。形容し難い防御力だ。


「おっさん。勝ち筋あるか?」


「ありゃあ『怪物』だな。それも荼鬼種となると純粋に肉体の能力だけであの領域だろう。ワシらが二人で掛かって20%とと言ったところだ」


「そんだけあれば十分だな。おっさんはサポート?」


「そうだな。ワシの火力じゃアレにダメージは難しいからな。健くんがこの場で殻を破る方が可能性が高い」


「無茶言うぜ」


「こう見えてもワシは君を高く買ってる。勝つぞ」


 肋はもうくっついた。全身の傷も塞がった。体力は万全じゃあないが、やるしかない。


「影村寿雄、貴様もあの場にいたな。お前ら二人を殺したのちは馬飼琉助を殺すだけ。手間が省けた」


 おっさんが両手を開く。そこには瞳が瞬いていた。臨戦対戦ってやつだな。俺も拳に妖気を纏う。今までの攻撃じゃあダメ。もっと強い攻撃を手に入れる。


「行くよ!」「おうっ!」


 おっさんは俺の攻撃に合わせてくれると信じる。だから俺はただ突き進む。拳を顔面目掛けて、ぶちかます。しかし、やはり微動だにしない。


「効かんわッ!」


「『観る目(ルックアイ)』」


 荼鬼のカウンターが来ると同時におっさんの右手の瞳が瞬いた。気が付けば俺はおっさんの隣に。


「チッ」


 荼鬼は舌打ちをするもこちらに近づく気配がない。アイツは少し舐めプが多いと思う。だが、それなら助かる。


「顔への攻撃は効かないようだよ。ワシを信じて、ありとあらゆる部位を攻撃して。弱点部位を探すんだ」


 脇腹、脚、背中、腰、腕、頭部、拳、尻と次々と攻撃を仕掛けはおっさんの隣に戻るを繰り返す。しかし、一向に奴にダメージが効いてる感覚がない。


「どういう事だ?弱点がまるでないぞ。奴は無敵か?」


 奴は俺の攻撃が効かない事をいいことに、あの場で俺たちの動きを待ってやがる。完全に舐められてる。


「いや、違う。おそらく何かが条件なのだ」


「意味!」


「どれだけ肉体の能力を上げても、その差が絶対でない限りダメージが入らないという事はあり得ない。という事は考えられるのは特定の攻撃方法でのみダメージが入るパターンか。少しでもダメージを受けた瞬間終わるかのどちらかだ」


「後者の場合は、今の攻撃力じゃ足りないってことか。文字通り殻を破る必要があるのか。はぁー」


「ため息つかないでよぉ〜。こっちもやる気下がっちゃうでしょ。やるしかないの」


「やりますよ、やりますとも。勝つまでは」


「そう言えば君の能力はまだちゃんと見てなかったね。パッと見たかんじ荒削りに見える。洗練されてない。ここで指導しよっか?」


「闘いながらっすか。余裕あります?」


「幸い、あっちから仕掛けてくる様子はないからね。それにワシの能力があれば彼は攻撃できない」


 そういえば俺もおっさんの能力をまだしっかり見たことがなかった。記憶をどうたらってのは聞いたんだが、さっきの謎ワープは分からない。まぁ、あのワープが出来るなら、安全ではあるか。


「でっ?修行方法は?」


「一旦君の能力を全部見せてくれ、それでどこを改良するかを観る。妖気に関しては大丈夫、これがあるから」


 そう言っておっさんはポケットから十枚のカードを取り出した。それには見覚えがあった。てか、昨日見たばかりだ。亜流(アル)の生み出したカードだ。


「『先払い(プリペイド)』。それぞれに一日分の妖気が宿ってる。妖気切れは起こらないだろう。それにこれは『借り妖気(ローン)』でもないから返済の必要はないよ」


「そういう問題じゃあ、、、まぁいっか。それでっ使い方は?」


「ただ妖気を流す。それだけでカードを形成する妖気が身体に溶けて吸収される」


 言われた通りに妖気を流す。するとカードは溶けるように身体に染み入っている。なんとなく妖気が身体に加算される感覚がある。これは他人の妖気だからだろうか?そのうち慣れそう。


「じゃあ、見せてくれ君の能力を」


 そう言われて『赤破壊鬼(レッド・デーモン)』を発動する。腕全体な筋肉が肥大化し、腕が赤く染まる。


 なるほどね、そう呟いて、徐におっさんは俺の左腕、二の腕部分に触れた。すると、小さくではあるが妖気の衝突が起こる。


「君バカか?」

「ア゛?」


 いきなりバカにされた。これには少しイラッと来た。つい悪態も出る。しかし、今は教えを乞う立場。文句は言えん。


「君は妖気を拳に纏おうとして、腕全体、あるいは」


 おっさんの手が腹にそっと触れる。またしても妖気の衝突が起こる。


「無意識に身体全体に纏ってる。これじゃあ攻撃力は出ないよね、君の攻撃は腕全体を使うの?身体全身を使うの?違うでしょ、君の攻撃は、拳の一点。君は攻撃しながら無意識に身体を守ろうとしてる。一点集中と口では言いつつ、実際はその箇所を他よりもちょっと妖気を多くしてるだけ」


「ッ!?でも、これには筋肉を肥大化する効果が!」


「だとしても身体に纏う必要は無いよね。それに肥大化した筋肉を半分も活かせていない。なら、真の一点集中の妖気を纏った方が全ての妖気を無駄なく使える。それをなし得なきゃあの鬼にはダメージを通せない。時に捨てる覚悟を持たないものに得られるものは少ない。今一度、自分に向き直せ」


 そう言っておっさんは荼鬼の方に目を向けた。まさか、闘うつもりか?今の荼鬼は圧倒的な強さを持つ、おっさんも自分では勝てないことを悟ってるはずだ。


「待たせたね。少しはワシが遊んでやろう」


「修行は終わりか?なら、遠慮なくいかせてもらう」


「おっさん!奴は喰った「君の記憶を見た。能力は知ってるよ。ワシの心配をしてないで、自分に集中しろ。ワシは勝てなくても、負けないから」」


 俺の心配を片手で制して、おっさんは荼鬼に向かっていく。荼鬼は初っ端からその顔面目掛けて、拳を繰り出した。


 それに対しておっさんは背中をそり華麗にかわす。そのまま膝を使って滑るように、流れるように荼鬼の背後をとる。


「遅いね。遅い」


「流石、百を超す年月を生きる妖気法使いは戦闘経験は豊富。俺の攻撃を見切れるか。だが、その老いた身体では限界も早いだろ!」


 荼鬼はそう言いながらも、俺の方に猛ダッシュしてきた。俺はそれを避けようとしない。正確には動くつもりがない。


 おっさんの瞳が瞬いた。


「ッ!?」


 気が付けば荼鬼は先ほどと同じ位置に戻っていた。その一瞬の出来事に驚き、動きがフリーズしたように固まった。その荼鬼の顔面目掛けておっさんは蹴りを炸裂させる。


 見ただけでわかる。あの一撃は俺のパンチなんかよりもよっぽど強力だ。それでも荼鬼にはダメージが入ってない。


「なるほどね。なら、『神・雷槌(ゴン・トール)』ッ!」


 右手の瞳が瞬いた。

 雷鳴が轟く、今は曇り一つない夜空。雷など降るはずがない。ないはずなのだ。いや、音は聞こえただけ。

 実際は雷は落ちてない。


 荼鬼は動けなくなっていた。まるで雷に打たれたみたいに。


「なんだ、、これは」


「これでもダメージは入らないか。なるほどね」


 理解のできずにフリーズしてる荼鬼をおっさんは冷静に分析しながら蹴り飛ばした。


「なんだ今のは!」


「記憶だよ。もう顔も思い出せないどっかの誰かの記憶。雷に打たれ、死んだ奴の記憶さ。強烈だろ?『視る眼(シーアイ)』人の記憶を移植できる。記憶にあるダメージは脳を通して肉体に行く。それが効かないと言うことは、君の今の身体は肉体的なダメージでは意味がないと言うこと。本来は裏にある『魂』が表に出てきている。何倍にも硬化された魂を直接ダメージを与える必要があると言うことか」


「正解だ。キッショ!なんで分んだよッ!。これが『魂喰の我主ソウルイーター・ロード』の正体、それはむき出しの魂。弱点を表に出すことでこの硬さと強さを実現した。もちろん、弱点は弱点。ダメージが入れば終わりだ」


「健くんッ!今の聞いた!勝つよ!」


 おっさんがこちらを向いてそう叫んだ。

 その直後、顔面をぶん殴られ、おっさんは森の奥へ消えた。


「俺が弱点をわざわざおしゃべりしたのは、この勝敗には関係ないからだ。お前は俺に殺される。肉体はその次だ。邪魔者はいらねぇなぁ」


「マジかよ。正直おっさんの時間稼ぎが短すぎて、あんまり自信ねぇわ。本当に。でも、なんでか、ヴィジョンはあるんだよ。それに勝利のためのイメージも」


「イメージは、ただの理想、願望に過ぎないんだよ。みんな思うんだ、俺は出来るんだって、予定通りにすれば全て上手く行く。違う、予定を立てている段階で満足する。予定外が起これば、取り乱す。できる奴は常に自然体だ。上部だけを並べることはしない」


「そうか?それただの偏見だろ。偏見で長ったらしく語んなよ。耳が疲れる」


「ならば、おしゃべりは不要だろう。お互いもう相手するのは面倒だと思ってる。決着だ」


 多分、俺の体力はあの攻撃を一発でも喰らえば、アウト。俺は有効打を必ず当てなければならない。

 イメージが理想でも良い。イメージ通りにいかないことを恐れるから、駄目になるんだ。でも、まだ覚悟が足りないな。


「俺は結構楽しかったぜ。それはそうと、ムカついてるがな。笹原さんの為にも清々しき決着をつけてやる」


 俺は左手で右肩を掴んだ。そして力強く握る。


「嗚呼アアアアアアアアアアアアアッ!オリャアアアアアアアッ!!!」


 自分の右腕を肩から引き千切った。大量の血が噴き出る。ものすごい痛みが全身に走る。失血で意識も消えそうだ。だが、それで良い。コレが覚悟だ。


「何をしてるんだ!貴様!」


「何をって?覚悟だよ。俺描くヴィジョンを実現するためのなァアアアアアアアアアアアアアッ!」


 俺の右腕は肘から手に関してが燃えた影響で再生も起きなかった。だから義手にした。しかし、肩から再生すれば、すべて生えるはず。


 再生させる方法なんて知らない。


 ただ俺は駆け出す。そして、荼鬼の元へ向かう。血を噴き出せ!止血はしない。


「ッ!?」


 走る最中に重心が安定した。右に目をやると生えている右腕が完全な姿で。ならばここに妖気をぶち込む。ぶち流す。


「本当に気色の悪い肉体をしてるんだなァ!貴様はぁ!」


 おっさんに言われた通り、俺はまだ身体に妖気を微弱だが纏っている。真に拳に一点集中する。筋肉の膨張、締め付けるような妖気。血管と骨を押し潰される感覚。激痛だ。血管が破裂した。拳が真っ赤に染まる。そしてようやく俺の拳が完成する。


「成ったぞッ!」


 その拳を見た荼鬼は明らかに動揺した。あの姿に変化して初めて見せた恐怖の形相。

 もはやこれは『赤破壊鬼(レッド・デーモン)』じゃない。新しい名前が要る。血染めの拳。そうだな名前は、、。


「せいぜい噛み締めろッ!『真紅の拳(クリムゾン・フィスト)』だッ!」


 荼鬼は合掌する。世界が歪む。

 

「そのとっておきを真正面から受ける義理はねぇよなぁ!」


 荼鬼はその歪みに乗じて回避した。外れる、そう思った時。


 左目の瞳が瞬いた。


「クワァッ!?」


 避けたはずの荼鬼が目の前に出現した。このチャンスを逃さない。拳は止まってない軌道上の荼鬼の顔面を撃ち抜いた。


「くたばれ!このクソブラコン野郎がァッ!!!!」

「かぁ、、か、ろ、、つと」


 真紅の一撃は荼鬼の、魂喰の我主(ソウルイーターロード)の強力な防御力を突破した。


 荼鬼はそれを受け、膝から崩れ落ちた。勝負ありだ。


「俺の勝ちだな」


 俺はバキバキの右腕を掲げて勝利を宣言した。



 Scene3


 

 10月25日23時10分



 黒鬼の私室に一人の高鬼が入室した。彼は空鬼(そらき)。序列三十五位だ。今回の作戦における高鬼の最低序列である。

 

「密偵より報告が!たった今荼鬼と山門健の戦闘が決着つきました。荼鬼は敗北。山門健も疲弊しています」


「分かった。まずは館を落とす。白鬼(しらき)に告げろ、床下ぶち抜けってな」


「それが、、白鬼様の姿が見られないのです」


「何ぃ?あの馬鹿はどこで遊び呆けてる?」


 白鬼は黒鬼と同じ序列第十位の一人だ。今作戦において重要な要の一人でもある。強さは折り紙付き。紛れもない怪物だ。


「置き手紙がありました」


 空鬼は胸元から手紙を取り出す。ご丁寧に白いハートのシールを貼ってあり、親愛なる黒鬼へという言葉と、下手くそな黒鬼の似顔絵が描かれてる。


「読めッ!読み上げろッ!」


「はっ!『面白そうな奴が来てるから先に向こうに行ってちょっかい掛けてくる。チュ、奇襲失敗させてごめん♪なるべくバレないようにするから❤︎』っと書かれ、、、ちょちょ待ってください黒っ」


 ふざけた文面に怒りを覚えた黒鬼は空鬼の頭を掴んで持ち上げた。


「お許しくださいッ!!私には家族ぅがぁぁあッ!」


 悶絶し抵抗する空鬼の頭をそのまま捻り潰した。黒鬼の腕を力一杯掴んでいた腕は力無く垂れ下がっている。そのまま、空鬼の死体を壁に目掛けてぶん投げる。死体は血肉に変わり壁のシミとなった。


「ふざけやがってッ!全員ッ!集合だ!」


 黒鬼のハイパーボイスは基地全体に響いた。


 同刻


「なんでっここに貴方がっ!白鬼ッ!」


 私はイタリアより緑鬼様の命を受け急いで帰国した。

 姫鬼姫を攫う為にアメリカ軍が襲撃を仕掛ける可能性があると断じて緑鬼様は、私を派遣した。仮にも序列九位、アメリカ軍の一個中隊程度では負けない。

 

 しかし、目の前に現れたのは、本土にいるはずの白鬼だった。水鬼にとっては、予想外の存在。

 自分よりも格上の第八位。


「なんでって、理由を答える必要があるのか?コレは軍の作戦だ、序列十位のメンバーが何人居でもおかしくない。むしろ君の方こそ、なんで、ここに?」


 まさか気付かれた?奴は緑鬼様に敵対する紅鬼陣営の鬼。すでに奴らがアメリカと手を組んでいてもおかしくない。となると、狙いは姫鬼姫。この地下通路は天山緋麿の館に直接通じている。ならば、通すわけにはいかない。


「その先に用があるなら、私を倒してからです」

「いいじゃん通してよ。ここで二人で戦っても不毛だよ。どうせ君じゃあ勝てないんだから」


 白鬼は淡々と人を小馬鹿にするような言葉を吐く。こいつの言葉に重みなどない。ただ単に純粋なんだ。単純に邪悪。

 コイツに姫鬼姫を渡すわけにはいかない。


「やってみないと!」


 覚悟を決めたその瞬間、彼の身体は血肉となり爆ぜた。

 これは私の能力によるもの『迷い人の未路(サブマリン)』これは相手に深海の水圧を味にあわせる力。常人ならば、白鬼ように肉片残らず弾け飛ぶ。


「この程度で倒せる貴方じゃないの分かってる」


 しかし、相手は序列第十位の一人。


「ご明察っ♪」


 白鬼は何んとも無かったように、その場に再度出現する。コレが彼の能力の一端。無敵だ。


「序列ってのはつくづく残酷だ。九位じゃあ、八位には届かないっ。覆らない実力差つうヤツよ!」


 辺りが粉末状がに分解された。いや、再構築された。自分の知る中で三指に入る恐ろしいしい能力だ。『分散する悪意(テビル・メイ・クライ)

 だが、私にもまだ奥の手が、


「ここは通さない!」


「遅い」


 白鬼は体に火を付けた。

 火が周囲の粉塵に引火した。



 Scene4



 荼鬼は魂は破壊された。肉体はピクリとも動かずに完全に沈黙していた。魂の破壊。それは荼鬼にとってそれは死を意味する。


「いやーお疲れぇ。流石だね健くん」


「おっさんこそ、あの攻撃受けてよく無事でしたね」


「君ほどじゃないよ」


 そう言っておっさんは俺の右腕に視線を一瞬落とした。まぁさっきまで義手だったのが生身の腕に変わってたら見るか。


「コイツだけってこたぁねぇーっすよね。すで天山の策は始まってたって事か」


「そうだね。今回、東京とは違って軍が動いてるのは確定。この様子じゃあ紅鬼が来てるってのもブラフ。ワシたちを釣るための餌ってところか」


「オレェアーしばらく動けねぇっすね。身体がバキバキで、マズいっすね」


 妖気自体はおっさんからもらったカード(プリペイド)があるから問題ないが身体が言うことを聞かない。戦闘継続は不可能。再起不能(リタイア)だ。


「まだ、夜海ちゃんや、ロビンちゃんが居る。彼女らなら君と同じ働きをしてくれると思うよ。亜流や天ちゃんの弟子はここでは戦力としては数えられないだろう」


「おっさんはどうなんだ?アンタもアレらと同じくらいだろ?今の実力」


「手痛いね。ワシは問題ない。怪物クラスなら負けはしない」


 でも勝てないね。これは本当に本格的に戦力不足だな。早く体力を回復させないと。第二波が来る前に、、、。


 館が地下から爆炎に飲まれた。


「「ッ!?」」


「いや、いつ見ても粉塵爆発は気持ちぃね。お前たちもそう思うだろ?妖気法使いさんたちよ」


 いきなり現れたのは。白い鬼。純白を身に包んだ鬼。明らかに今までの鬼より遥か格上の鬼。


「そうっだ。名前知らなよなぁ。俺は高鬼序列第八位『純度100%の悪意(イービル・クリスタル)』白鬼だ。メイドへの土産にしていいぜ」


 コレは悪夢か何かか?

 だとしたらいつ覚めてくれる?誰か教えてくれ。

 


 Death of Shadow Village


 荼鬼戦終わり!

 そしてこっからが本当のDeath of Shadow Village編です。勝機なし戦いに妖気法使いたちが挑む!


 注釈 荼鬼はまだ生きてます。まだ生きてます。


 次回はアルキャラクターの過去回想です。


 荼鬼(烈喰の魂)  Lv.47

 荼鬼(魂喰の我主) Lv.71

 空鬼    Lv.49

 白鬼    Lv.74(肉体レベル52+妖気法レベル22)

 山門健   Lv.70(肉体レベル47+妖気法レベル23)

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