表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白馬と姫  作者: カーネーション


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/144

第84話『お母さんみたい』

 一生言わないつもりだったとマージさんは語った。しかし、サディアスの部屋で自分に関連した新聞や本を見たときに、決心が揺らいだのだという。ここまでサディアスが真剣に調べているとは思わなかったらしいんだ。


「でも、一番はフォル……いや、神子様の影響が大きかったね」


「えっ?」


 神子様ってことは、マージさんはもしかして、わたしの正体に気づいているの?


「その顔を見てすぐにわかったよ。フォルはレーコ様にそっくりだ」


「えっ、まさか」


 自分の父親と母親にも似ていないこの顔が、同じ異世界からやってきたレーコさんに似ているだなんて驚きしかない。頬に手を当ててみるけど、自分ではわからないなあと思う。マージさんはわたしを真っ直ぐに見て、顔をほころばせた。


「似てるよ。まるでレーコ様を見ているようだった」


 お母さんってこんな感じなのかもしれない。我が子の話をするとき、とても穏やかな表情になるんだ。わたしのお母さんもマージさんみたいだったのかな。そう思ったら鼻の奥がつーんと痛んできた。やだ、泣きそうだ。何とか気分をそらしてやり過ごす。


「良かったら、わたしに本当の名前を教えてくれないかい?」


「ミヤコです」


「ミヤコか……いい名だね」


 フォルなんかよりもずっといい名前だとほめるので、何だか笑えてしまった。サディアスの考えたフォルよりも、ミヤコのほうがいいだなんて、ちょっぴり嬉しかったんだ。


「さてと、地図は持ってるかい?」


「はい、クラウスさんのものですけど」


 大事な地図は2階の部屋に残されていた。肌身離さず持っていると言っていたけど、今回は置いていってしまったようだ。それからはわたしが無くさないようにローブのポケットに入れている。革の紐をほどいてテーブルの上に広げた。


 森から北東の位置にマージさんの指が落とされる。


「ここがフィンボルンさ」


 そこからずっと上の方に指をすべらせて止めた。


「レーコ様は遥か北にあるゲオルカに向かわれた」


「ゲオルカ……」山脈が連なっているけど、こんなところに街があるのだろうか。


「ゲオルカは鉱山の街だからね。少々、面倒な場所にあるのさ」


 確かに見る限り、鉱山の街までの道は距離もあるし、山を遠回りしなければならないようだ。そんな険しそうな道のりをサディアスとわたしだけで行けるのか不安だ。わたしもあの男も体力がなさそうだし。


 だけど、それでも行き先が決まったことは大事だ。


 サディアスが元気になったらゲオルカに向かう。その街でレーコさんに会うのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ