表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
test  作者: test
44/69

第三章 - 犬猿の発展(C-8)

「また緊張してんのか?」


 代表挨拶を終えて弛緩した空気の中で、申渡があたしの顔を覗き込んできた。


「……あんたのメンタルどうなってんのよ。緊張しないほうがおかしいでしょう」


「アホか。俺だって緊張してるっつうの。でも――これは、良い緊張だ」


 そう言って予選リーグのおこなわれるコートへ足を進めながら。


「良い緊張は集中に結びつく。自分の力を一〇〇%試合で出し切るなんて無理だ。だからこそ集中して、今までに積んできた練習の成果を少しずつ試合に反映していって、堅実に点を積み重ねられる奴が強い。お前も分かってんだろ、狗上?」


 こいつの言葉は至極当たり前のことだ。


 ただこの男は、畑は違えど、同じような死線をくぐり抜けて全国の頂点に立った実力者。


 だからこそ――重みがある。


 もっとも、本人は自覚していないだろうけれど。


「それにスポーツは楽しんだもん勝ちって言うしな。だから狗上、勝負しようぜ。俺とお前、どっちのほうが点数を獲れるのか。シンプルで良いだろ?」


「…………はぁ」


 溜息をついて手を開くと、指の先まで熱が通っていた。思い通りに動く。


 どうやらこの男は。


 あたしのプライドに火をつけるのが、めっぽう上手いらしい。


「――言ってなさい。俺が点獲れるのはぜんぶ狗上様のおかげです、って跪かせてみせるわ」


「あれ!? 俺と言ってること違くね!?」


 おどける申渡の後ろに、あたしも続く。


 かくして、あたしたちの運命を決める大会の火蓋が、切って落とされた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ