55/119
分心
ディオは髪の毛を1本抜き、いつもの手順で、ワンをディオの姿で出現させた。
『サーリ、今回のワンは、分心だからな。完全に、俺自身だ。安心して、ワンとともに行動してくれ。
ワン、握手だ。』
ディオは、ワンと握手して、時が少し流れた。
『わかりました、ディオ。』
これは、分心の時だけの儀式であった。ディオとワンの契約であり、ワンは、ディオと繋がっている限りの
命であることを誓ったものである。
その昔、この術を使う者が、あと一人いたのだが、そのものの分心が其の者から逃げ出したことがあり、
その時から、分心の時は、契約をして、逃げる時は死をもって償うことを、契約という形でワンの心に
埋め込んだのである。
これは、逃げた時のみ、必ず発動するワンの心に埋め込んだ別の心であった。




