秘密 4
秘密 4
「そうだな、なぜかな。
君のため、
いや、アイのためかな。
まあ、どちらにせよ、決めたんだ。
アイは、もう、今までのエミじゃないんだ。
人間は、記憶によって、自分を自覚するが、
アイと僕は、前世の記憶と、それと、からだの記憶、異質な能力、僕らの愛の記憶が、
よみがえって、ぼくらを、前世の僕らに変えてしまったんだ。
もう、元には戻れない。
だから、この世に、この姿で生きるしかない。
君たちとは、縁、そう、必然だったんだと思った。
それで、秘密を打ち明けようと思ったのかもしれないな。
今日は、ここまでにしよう。
ふたりで、よーく話して、結論が出たら、連絡をくれ。
いっしょに、やってくれることを、楽しみにしてる。
そして、秘密は、他に漏らさないことを信じている。」
「いい返事を期待しているからね、アミ。そして、サトルくん。
今日は、ちゃんと、アミを家まで送ってね。
それと、アミと食事をしながらでも、よく話し合ってね。
サトルくんのおごりでね。
アミは、あなたに貸しがあるから。わかるわよね。」
とアイが言って、
サトルとアミは、言葉もなく、頭を下げて、いっしょに、
喫茶ラーニンを出て行った。
ラーニンが入っているビルを出たところで、
アミが言った。
「サトルさん、わかった?
あれは何なの。」
「アミさん、ずっと、頭の中を整理していたんだ。
初めて、彼と会った時、事件を起こした時、
彼に、ナイフを持った手を握られたんだ。
それは、凄い力というか、金縛りにあったかのように、
まったく体が動かなくなった。
あの時は、殺されるかと思ったよ。
だから、今日の話は、頷けるというか、安心したというか。
信じるしかない、彼らの話を聞いた限りでは、
僕たちに友好的なことは、信じられる。
そうでないと、ぼくらに、秘密を話す意味がない。」




