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☀ イストリゲ~ム  作者: 雪*苺
   【 葬式 】
90/156

葬式3 交渉

 

 克慈の家に再び戻り、キッチンで自分の分の朝食を食べる。

 

 克慈は『休まない』って言ってたから、車に乗せて貰える。

 

 車だから時間に余裕がある。

 

 早起きして良かった〜♪


 

克慈

「戻って来たんだ」


 

 二階から降りて来た克慈はスーツに着替えていた。

 

 今はもう見慣れちゃったけど、初めて克慈のスーツ姿を見た時、変な感じだったんだよね。

 

 ……眼鏡をサングラスに変えたら間違いなく悪人ですな。

 

 ヤの付く世界で幹部くらいやってそうな人に見えちゃうよ。

 

 サングラスを掛けて歩いて欲しいなぁ〜。


 

惠美

「うん。お母さんから克ちゃんのお弁当預かって来たからね」

 

克慈

「ん……、ありがと」


 

 うーん……、やっぱり克慈の様子は変だと思う。

 

 何時もはムカつく程に色々言ってくるのに、今日はどうだろう……、何も言って来ない。

 

 やっぱり調子が悪いんじゃないのか?

 

 途中で事故るとか嫌なんですけど!!

 

 朝食を食べ終えた私は、水に浸けられている食器と自分が使った食器を洗う。

 

 克慈はソファーに座って新聞を片手にTVを見ている。

 

 克慈が見ている番組は朝の連続テレビ小説『はるみなき』だ。

 

 何が面白いのか私にはサッパリですよ。

 

 そうそう、私の両親も朝の連続テレビ小説が大好きで、毎日欠かさず見ている。

 

 お母さんは7時半から見るし、お父さんは八時から見る。

 

 『一緒に見ろや!』って毎日思う。

 

 克慈は毎日、七時半からと八時からの両方を見るらしい。

 

 同じのを二回も見る必要あるの?

 

 ちなみに克慈の部署では、休憩中に必ず朝の連続テレビ小説の再放送を見るらしい。

 

 三回も見て飽きないの?!

 

 そんなに見る程、面白いのだろうか?

 

 拭き終えた食器を食器棚へ戻し、私もソファーに座る。

 

 克慈が読み終えた新聞を取り、四コマ漫画と番組欄をチェックする。

 

 おお〜、今日は『迷惑探偵ロンドル』の三時間スペシャルがあるじゃないですか!

 

 『迷惑探偵ロンドル』は視聴率が急上昇している人気の探偵ドラマなのです。

 

 私のお気に入りのドラマの一つ。


 

惠美

「克ちゃん、一九時からドラマの録画してもいい? 今日ね、三時間スペシャルなんだよ」

 

克慈

「いいけど、何してくれるの」

 

惠美

「もう〜、交換条件出さないでよ! 克ちゃんは録画とかしないんだからいいでしょ?」

 

克慈

「嫌なら自分の家のTVで録画しなよ」

 

惠美

「出来ないよ! お母さんが録画しまくってるんだもん!! 意地悪言わないでさ、何時もみたいに録画させてよ〜」

 

克慈

「で、何してくれるの?」

 

惠美

「もうっ! じゃあ、クッキー買ったげますからお願いします!!」

 

克慈

「ふぅん? クッキーねぇ。何箱買ってくれるの」

 

惠美

「ひと──いや、二箱!」

 

克慈

「三箱ね。三時間スペシャルなんでしょ」

 

惠美

「──ぐっ!? ……いいですよ、買いますよ! 買わせて頂きますよ! 但し、安いクッキーだからね!!」

 

克慈

「クッキーくらい奮発出来ないの? まあ、いいけど」

 

惠美

「給料日前だから辛いんですぅ!! それに明日は蓉子のお葬式で香典も出さないといけないし……ピンチなんですぅ!!」

 

克慈

「漫画を買うの止めればいいだけなのにね」

 

惠美

「漫画は駄目! 漫画はね、私に元気をくれる大事な──」

 

克慈

「いいよ、言わなくて。八時のが始まるから静かにしてよ」

 

惠美

「さっき見てたじゃない。……もう、何がそんなにいいんだか……」

 

克慈

「惠美には分からないだろうね。別にいいけど」

 

惠美

「いいんですかい!」


 

 でもさ、克慈には行きも帰りも車に乗せて貰うから我慢しないとね。

 

 明日も乗せて貰うしさ。

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