葬式2 自宅
自宅に帰った私は、部屋に上がり、仕事用の服に着替える。
雑務課はその名も通り、様々な雑務をこなす課なので、唯一ラフな格好が許されている。
職場に行けば課専用の更衣室があり、支給されているジャンパーみたいな上着を着て仕事をする。
だから上着を着るから、服はラフな私服でも許されているってワケ。
雑務課では勤務中のスカート,ハイヒール,指輪,ネックレス等は禁止されており、動き易いように長ズボン,運動靴或はスニーカーを履かなければならない。
オシャレがしたい盛りで、髪型が崩れるのを嫌がるお年頃の女性は、雑務課に配属されるのを物凄く嫌がる。
年の割りにオシャレとかに大した興味を持たない私は、雑務課の仕事に対して嫌ではなく、やり甲斐を感じている。
あまりにも忙しい時は、『もう嫌っ! 辞めたい!!』って思っちゃうけど、遺さんが居てくれたから頑張って続けられたんだよね……。
遺さんの代わりに他部署から移動して来た新しい上司は『姐さん!』って呼びたくなっちゃうような貫禄があり厳しそうな女性。
上司の影響なのか、部署に活気が出て、楽しくて、前向きになれる雰囲気に変わった。
因に克慈の部署はスーツ着用です。
着替え終わったら、仕事に持って行く鞄を取り、一階に降りる。
?
「惠美ちゃん! 朝帰りなんかして~、克ちゃんに迷惑掛けてないでしょうねぇ?」
お母さんだ。
朝からキンキン声なんか出してテンション高いな……。
美加
「帰って来たなら『ただいま』くらい言いなさい! はい、克ちゃんのお弁当。ちゃんと渡すのよ」
惠美
「は~い……ねぇ、私のお弁当は無いの?」
美加
「知りません! 今まで持って行かなかったじゃないの。要るならって言ってくれないと作らないわよ」
惠美
「……言ったって作ってくれないくせに……」
美加
「朝御飯は?」
惠美
「んー……、克ちゃんの家で食べるからいい」
美加
「そう? 良かった♪ 惠美ちゃんの分ね、用意してなかったのよ」
惠美
「……ですよね〜。そんなこったろうと思ってました。……行って来まーす」
美加
「行ってらっしゃい。克ちゃんに宜しくね。今日も克ちゃん家に泊まるの?」
惠美
「んー……分かんない。電話する」
美加
「そう。それなら夕飯を作る前に電話して頂戴ね」
惠美
「は〜い」
お母さんに見送られながら玄関を出る。
私には厳しいくせに、克慈には優しいんだから!




