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☀ イストリゲ~ム  作者: 雪*苺
   【 寺社 】
77/156

寺社5 利樹

 

「おい、黙って聞いてれば言いたい放題だな、キッド」


 

 開いた襖から男性の声が聞こえた。

 

 目を向けると木土さんの頭に誰かの足が乗っていた。


 

克慈

「先輩、久し振りです」


 

 木土さんの体勢を気にしないで、克慈は足の主に声を掛ける。


 

惠美

「先輩? この足の人が克ちゃんの先輩なの?」

 

克慈

「そう、さっき話した利樹先輩。この蒔邑寺社の跡取り」

 

利樹

「セット、久し振りだな。元気そうで何よりだ。よく来てくれたな。可愛い彼女を連れて……、自慢しに来たのか?」

 

克慈

「違いますよ。相談したい事があって来たんです」

 

利樹

「へぇ、セットが俺に相談ね。いいぞ、聞こう」

 

惠美

「あの、初めまして。おんです」

 

利樹

「初めまして。俺はセットの先輩、まきむらりつだ、宜しくな。オノちゃん」

 

惠美

「オノちゃん?」

 

克慈

「先輩の癖。渾名を付けて呼ぶんだよ」

 

惠美

「セットとかキッドとか? 私はオノちゃん?」

 

利樹

「薗野だからな。ちなみに瀬戸瀬はセット、木土はキッドだ」

 

惠美

「はあ、そうなんですか? 宜しくお願いします、利樹さん……でいいんですか?」

 

利樹

「ああ、いいよ」

 

利樹

「オノちゃんは幾つかな?」

 

惠美

「えと、一九歳です」

 

利樹

「一九だって? 美彩と理彩より年上だな。……見えないな」

 

惠美

「えぇっ?! 私ってそんなに老けて見えますか!?」


 

 ────ガーン、同性からは『幼く見えるね』って言われるくらいなのに〜。

 

 異性から見たら老けて見えるのかな……。


 

利樹

「違う違う、その逆だよ。双子より年下と思ったんだ。セットがロリコンに目覚めたかと本気で思ったよ、ハハハ」

 

克慈

「先輩、俺はキッドと違って年下は対象外ですから」

 

利樹

「そうだったか? セットがロリコンに走ったら面白いのにな」

 

克慈

「先輩、俺はなりませんよ」

 

利樹

「ノリが悪いのも相変わらずだな」

 

礼仁

「……先輩、そろそろ、足を退けてくれませんか? 首が痛いんすけど……」

 

利樹

「ん? ああ、悪かったな。いいかキッド、茜はお前が思ってるような男じゃないぞ。礼節も節操もある誠実でいい奴だ。俺の従弟を変に言うなよ」

 

惠美

「従弟? 茜さんって人は利樹さんの従弟なんですか?」

 

利樹

「ああ、四歳下のな。会いたいなら時間を作って会わせてやるよ」

 

惠美

「はいっ! 是非、会ってみたいです♪」

  

利樹

「おっ、オノちゃんはノリがいいな。今度、喫茶店に連れてってあげるよ」

 

惠美

「有難う御座います! 楽しみです♪」

 

克慈

「……先輩、惠美は俺のですから」

 

利樹

「そうなのか? ハハッ、取らないから安心しろよ!」

 

礼仁

「でもなぁ、やっぱり納得出来ないっすよ。出会って一年も経たないのに瀬名ちゃんと結婚なんて……」

 

利樹

「キッド、いい加減、空音ちゃんの事は諦めろよ」

 

惠美

「ソラネ? えっ、セナが名前じゃないんですか?」

 

利樹

「ん? ああ、そらだよ。籍を入れたらまきむらそらになる。式は家の寺社で挙げるんだ。三人共、招待するから来いよ」

 

惠美

「わあっ、此処で結婚式するんですか。凄い~! 絶対に来ようね、克ちゃん♪」

 

克慈

「惠美、話を戻すから黙って」

 

惠美

「戻すって? 何の話を?」

 

克慈

「惠美は黙ってていいから。先輩、いいですか」

 

利樹

「あぁ、相談があるんだったな。いいぞ」


 

 利樹さんと向かい合った克慈は真剣な表情で、利樹さんに話し出したの。

 

 克慈の相談って何だろう??

 

 あっ、メールだ!

 

 蓉子と善朋、どっちからだろう?

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