異変7 大惨事
惠美
「か、かかかか克ちゃんっ!!!! くる、くる車っ車っ、とめ、と停めてっ!!」
私は訳が分からないまま運転席の椅子を叩く。
克慈が車を停めると、後部座席の窓からサービスエリアが見えた。
つい数分まで自分が居た筈のサービスエリアは炎に包まれていた。
……、……炎?
どうして、炎なんかが??
外に居た人達が炎上するサービスエリアから離れる為に逃げて来る。
何れ程の時間、炎上するサービスエリアを前に私は放心していただろう。
惠美
「……遺さん? 遺さん! 遺さんがっ!! 克ちゃん、遺さんが中に居るの! 行かなきゃ、助けなきゃ!!」
私は漸く遺さんの事を思い出した。
思い出すの遅過ぎるでしょ、惠美っ!!
克慈
「惠美、落ち着いて」
惠美
「おち、おち? 落ち着けるわけ無いよっ!! 遺さんが、遺さんが中に━━!!」
克慈
「惠美が行って何が出来るの? 無駄に被害者が増えるだけ。足手まとい、邪魔になるだけだよ」
惠美
「克ちゃんっ、何でそんな事━━」
克慈
「惠美、俺は惠美が心配なの。惠美には無事でいて欲しい。悳司さん,美加さんの為にもね」
惠美
「━━!! お父さん…お母さん……」
克慈
「惠美に何かあったら━━、惠美まで亡くしてしまったら……、悳司さんも美加さんも立ち直れなくなるでしょ」
惠美
「あっ……」
克慈
「分かったら帰るよ。此処に居ても俺達に出来る事は無いからね。いい?」
惠美
「……うん」
それしか言えないじゃん。
両親を出されたら、私……。
狡いよ、克慈!
克慈は車を発進させ、サービスエリアの駐車場を出た。
私を乗せた克慈の車は高速道路を走る。
惠美
「克ちゃん、いい加減に私の携帯電話返して。遺さんに電話したいの。……繋がるか分からないけど……」
克慈
「今は駄目。家に着いたら返すから我慢して」
惠美
「私の携帯電話だよ! ……ちゃんと家に着いたら返してよ?」
克慈
「そう言ってる。家に着くまで寝てれば」
惠美
「無神経! あんなの見ちゃったら、寝れないに決まってるでしょ!!」
もうっ、克慈ったら、他人事だと思って!!
携帯電話を返して貰ったら直ぐに電話してみよう。
遺さん、無事で居てくれるといいな……。
……三〇分くらい走った頃に、私の瞼が重くなって来た。
あんなショッキングな光景を見たっていうのに、睡魔には敵わないのかなぁ……。
克慈
「ほらね、惠美は神経が図太いから眠れるんだよ」
ムカつく!!
でも、克慈の言う通りなのが悔しい。
惠美
「笑わないでよ」
克慈
「笑ってないよ」
惠美
「嘘吐き! ニヤニヤしてるじゃん!!」




