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☀ イストリゲ~ム  作者: 雪*苺
第四週【 異変 】
59/156

異変7 大惨事

 

惠美

「か、かかかか克ちゃんっ!!!! くる、くる車っ車っ、とめ、と停めてっ!!」


 

 私は訳が分からないまま運転席の椅子を叩く。

 

 克慈が車を停めると、後部座席の窓からサービスエリアが見えた。

 

 つい数分まで自分が居た筈のサービスエリアは炎に包まれていた。

 

 ……、……炎?

 

 どうして、炎なんかが??

 

 外に居た人達が炎上するサービスエリアから離れる為に逃げて来る。

 

 何れ程の時間、炎上するサービスエリアを前に私は放心していただろう。


 

惠美

「……遺さん? 遺さん! 遺さんがっ!! 克ちゃん、遺さんが中に居るの! 行かなきゃ、助けなきゃ!!」


 

 私は漸く遺さんの事を思い出した。

 

 思い出すの遅過ぎるでしょ、惠美っ!!


 

克慈

「惠美、落ち着いて」

 

惠美

「おち、おち? 落ち着けるわけ無いよっ!! 遺さんが、遺さんが中に━━!!」

 

克慈

「惠美が行って何が出来るの? 無駄に被害者が増えるだけ。足手まとい、邪魔になるだけだよ」

 

惠美

「克ちゃんっ、何でそんな事━━」

 

克慈

「惠美、俺は惠美が心配なの。惠美には無事でいて欲しい。とくさん,かとさんの為にもね」

 

惠美

「━━!! お父さん…お母さん……」

 

克慈

「惠美に何かあったら━━、惠美まで亡くしてしまったら……、悳司さんも美加さんも立ち直れなくなるでしょ」

 

惠美

「あっ……」

 

克慈

「分かったら帰るよ。此処に居ても俺達に出来る事は無いからね。いい?」

 

惠美

「……うん」


 

 それしか言えないじゃん。

 

 両親を出されたら、私……。

 

 狡いよ、克慈!

 

 克慈は車を発進させ、サービスエリアの駐車場を出た。

 

 私を乗せた克慈の車は高速道路を走る。


 

惠美

「克ちゃん、いい加減に私の携帯電話返して。遺さんに電話したいの。……繋がるか分からないけど……」

 

克慈

「今は駄目。家に着いたら返すから我慢して」

 

惠美

「私の携帯電話だよ! ……ちゃんと家に着いたら返してよ?」

 

克慈

「そう言ってる。家に着くまで寝てれば」

 

惠美

「無神経! あんなの見ちゃったら、寝れないに決まってるでしょ!!」


 

 もうっ、克慈ったら、他人事だと思って!!

 

 携帯電話を返して貰ったら直ぐに電話してみよう。

 

 遺さん、無事で居てくれるといいな……。

 

 ……三〇分くらい走った頃に、私の瞼が重くなって来た。

 

 あんなショッキングな光景を見たっていうのに、睡魔には敵わないのかなぁ……。


 

克慈

「ほらね、惠美は神経が図太いから眠れるんだよ」


 

 ムカつく!!

 

 でも、克慈の言う通りなのが悔しい。


 

惠美

「笑わないでよ」

 

克慈

「笑ってないよ」

 

惠美

「嘘吐き! ニヤニヤしてるじゃん!!」

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