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☀ イストリゲ~ム  作者: 雪*苺
第四週【 異変 】
56/156

異変4 デート

 

「着いたよ、薗野さん」


 

 ……あ〜あぁ、あれから緊張のし過ぎで遺さんと話が出来なかったよ……。

 

 無口で詰まらない女って思われちゃったかな?


 

「薗野さん、此方だよ」


 

 ……何とか、しなきゃ!

 

 何とかして遺さんと距離を縮めなくちゃだよ!


 

惠美

「あのっ、遺さん!」

 

「どうしたの、薗野さん? もしかして車酔いした?」

 

惠美

「違っ……名前! 私の事、苗字じゃなくて名前で呼んで下さい! お互いにプ、プライベートですしっ(////)」

 

「薗野さん……。名前で呼んでいいの? 嬉しいよ。なんか、恋人同士みたいだね」

 

惠美

「こっ……こい、恋人……ですかっ(////)」

 

「ごめん! 僕とじゃ嫌だったかな? ……瀬戸瀬君には敵わないね」

 

惠美

「そんなこと無いです! 瀬戸瀬さんは幼馴染みでっ……何にもありませんから!」

 

「はは、薗野さんは面白いね。あっ、名前だったよね。━━惠美ちゃん」

 

惠美

「はっはい!」

 

「元気一杯だね。お昼、先に食べちゃおうか」

 

惠美

「はい!」


 

 遺さんが私を連れて来てくれたのは、なんとショッピングと遊園地が楽しめると話題のサービスエリアだったの!

 

 デートスポットにも挙げられている有名なサービスエリアなの♪

 

 一度、来てみたかったんだよね〜♪

 

 行ってみたくて、駄目元で克慈に頼んでみた事もあったけど、見事な迄にスルーされて連れて行ってもらえなかったサービスエリア。

 

 今、私の目の前には来たくてたまらなかったサービスエリアがある。

 

 はう〜ん、夢みたい〜♪

 

 駐車場に停めた車から出て、サービスエリアの中に入った私は、人の多さに驚いた。


 

惠美

「わあっ、凄い人の数……。賑やかですね〜!」

 

「はぐれない様に手、繋いじゃおうか。僕とじゃ嫌かな?」

 

惠美

「い、嫌じゃないです! おおお、お願いしますっ」


 

 遺さんと手を繋いでフードエリアに向かって歩く。


 

惠美

「……私、異性と手を繋ぐなんて初めてです。……き、緊張しちゃいます(///)」

 

「そうなの? 惠美ちゃん、初々しくて可愛いね」

 

惠美

「へ? そんなっ、可愛いとか、言い過ぎ……」

 

「そんな事ないよ。本当に可愛いと思ってるよ。手も小さいし、小学生みたいだね」

 

惠美

「そんなに小さくないです(////)」

 

「今日の惠美ちゃんは、ふわふわしてるから繋いでないと飛んで行きそうだよ」

 

惠美

「そんな、飛んでくなんて……」

 

「それだけ惠美ちゃんが気になってるって事だよ。離したくないんだ」

 

惠美

「遺さんっ……。あの、お世辞とか社交辞令なら止めて下さい。熱くなるので(////)」

 

「本心だよ。涼しそうなカフェに入ろうか。ほら、彼処なら空いてるし」

 

惠美

「……はいっ。喉が渇いちゃってフラフラします……」

 

「惠美ちゃん、大丈夫?」


 

 遺さんは本当に心配そうに私を気遣ってくれる。


 

惠美

「有難う御座います、大丈夫で━━ひゃっ?!」


 

 腰に手を回されて私は変な声を出してしまった。


 

「あ、ごめん! ふらつくなら支えた方がいいと思って……。嫌なら止めるから言ってくれたら━━」

 

惠美

「いえっ、有難う御座います(////)」


 

 遺さんにエスコートされながらカフェへ入った。


 

店員

「いらっしゃいませ〜! 二名様で御座いますね。お席へご案内致しま〜す」


 

 和風の制服を着た可愛いウェイトレスさんが、席に案内してくれた。 


 

惠美

「見て下さい、遺さん。可愛いですね! うわっ、目の保養になりますね♪」


 

 可愛いもの好きの私にとって、カフェの中はまるで楽園だった。

 

 自然にテンションが上がってしまう。


 

「本当に可愛いね。惠美ちゃんも着たら似合うんじゃないかな。和服は女性の良さを引き立ててくれるから、きっと似合うよ」

 

惠美

「ゆ、遺さんっ(////)」

 

「いいねぇ、凄くいいよ。照れる惠美ちゃんを見てると癒されるね。……瀬戸瀬君が羨ましいよ」

 

惠美

「癒されるなんて初めて言われました(////)」

 

「瀬戸瀬君は言わないのかい?」

 

惠美

「えっ、はい。瀬戸瀬さんは遺さんみたいな事は……」

 

「そうなんだ? ……僕は瀬戸瀬君になりたいくらい羨ましいって思うのに、意外だな」

 

惠美

「え?」

 

「瀬戸瀬君は惠美ちゃんを独り占めしてるからね、悔しいよ。毎日一緒に来たり帰ったりするの見てるから余計にさ……」

 

惠美

「遺さん、瀬戸瀬さんと何も━━! ただのご近所さんってだけで━━! 親切にして頂いてるだけで、本当に━━」

 

「惠美ちゃん、必死過ぎない? 僕は二人の仲を疑ったりはしてないよ。瀬戸瀬君に彼女が居るって知った時、惠美ちゃんなのかなって思ったけど、違うって分かってさ、惠美ちゃんがフリーだって知って、寧ろホッとしたんだ」

 

惠美

「遺さん?」

 

「惠美ちゃん、自覚無さそうだし」

 

惠美

「遺さん、自覚って何のですか?」

 

「んー、惠美ちゃんのそういう所がいいんだよね」

 

惠美

「……えと、良く分からないんですけど?」

 

「褒めてるんだよ」

 

惠美

「えっ? 私、褒められてるんですか(////)」

 

「ほら、また。やっぱりいいよ、惠美ちゃんは」

 

惠美

「遺さんっ(////)」


 

 私はほんの少しでも遺さんに気に入って貰えてるのかな?

 

 ドキドキしっぱなしで、気恥ずかしくて、落ち着かなくて……、これが大人の魅力というヤツなの?

 

 遺さんって、克慈とは違うタイプのお兄さんだな。

 

 ちっとも意地悪じゃない、優し気で素敵なお兄さん!

 

 克慈には遺さんの爪の垢を飲んで貰いたいくらいだよ!

 

 遺さんの事、好きかも知れない。

 

 カフェで楽しいランチを終え、次に向かうのはショッピングが楽しめるエリア。

 

 サービスエリアのマスコットキャラ“まんぼる君”と“ゆるだち君”が群がる子供達に風船を渡している。


 

惠美

「嘘みたい! まんぼる君とゆるだち君ですよ! 生で見れるなんて~♪」

 

「へぇ、惠美ちゃん、ゆるキャラ好きなんだね。ゆるキャラグッズのお店に行こうか」

 

惠美

「え、いいんですか?」

 

「いいよ。折角だし寄って行こうか。お揃いで何か買っちゃおう」

 

惠美

「遺さんと? いいんですか、私とお揃いなんて……」

 

「もちろんだよ。初デートの記念にね」

 

惠美

「初デート?! 遺さん(////)

 はっはい! 嬉しいです♪」


 

 ゆるキャラ専用のグッズ売場で、遺さんとお揃いの携帯ストラップを買った。

 

 携帯ストラップって定番過ぎてアレだけど、遺さんと初のお揃い!

 

 嬉しくてたまらない。

 

 封を開けちゃうのが勿体無くて、このまま保管していたい。


 

惠美

「遺さん、有難う御座います♪ 私、大事にします! このまま保管していたいくらいです」

 

「はは、大袈裟だなぁ。そんなに喜んでもらえるなんてね。僕も嬉しいよ」


 

 色んなお店を二人で見て歩いた。


 

惠美

「歩き疲れちゃいましたね。あっ、あのアイスクリーム、美味しそう♪」

 

「凄い行列だね。それだけ人気のある証拠か。惠美ちゃん、其処で待っててくれるかな。買って来てあげるよ」

 

惠美

「えぇっ、そんな、いいですよ! 食べたいの私ですから私が自分で━━」

 

「いいから。買わせて欲しいんだよ。彼氏としてさ」

 

惠美

「遺さんっ(////)

 あのっ、じゃあ……お願いします」

 

「一緒に食べような、惠美」

 

惠美

「はっはい(////)」


 

 もう〜、遺さんったら『惠美』だなんて〜(////)

 

 彼氏だって〜、……って事は、私は遺さんの彼女?

 

 えっ、えぇっ、もう〜、恥ずかしいなぁ〜!

 

 ふふふっ、嬉しいっ♪♪♪

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