異変4 デート
遺
「着いたよ、薗野さん」
……あ〜あぁ、あれから緊張のし過ぎで遺さんと話が出来なかったよ……。
無口で詰まらない女って思われちゃったかな?
遺
「薗野さん、此方だよ」
……何とか、しなきゃ!
何とかして遺さんと距離を縮めなくちゃだよ!
惠美
「あのっ、遺さん!」
遺
「どうしたの、薗野さん? もしかして車酔いした?」
惠美
「違っ……名前! 私の事、苗字じゃなくて名前で呼んで下さい! お互いにプ、プライベートですしっ(////)」
遺
「薗野さん……。名前で呼んでいいの? 嬉しいよ。なんか、恋人同士みたいだね」
惠美
「こっ……こい、恋人……ですかっ(////)」
遺
「ごめん! 僕とじゃ嫌だったかな? ……瀬戸瀬君には敵わないね」
惠美
「そんなこと無いです! 瀬戸瀬さんは幼馴染みでっ……何にもありませんから!」
遺
「はは、薗野さんは面白いね。あっ、名前だったよね。━━惠美ちゃん」
惠美
「はっはい!」
遺
「元気一杯だね。お昼、先に食べちゃおうか」
惠美
「はい!」
遺さんが私を連れて来てくれたのは、なんとショッピングと遊園地が楽しめると話題のサービスエリアだったの!
デートスポットにも挙げられている有名なサービスエリアなの♪
一度、来てみたかったんだよね〜♪
行ってみたくて、駄目元で克慈に頼んでみた事もあったけど、見事な迄にスルーされて連れて行ってもらえなかったサービスエリア。
今、私の目の前には来たくてたまらなかったサービスエリアがある。
はう〜ん、夢みたい〜♪
駐車場に停めた車から出て、サービスエリアの中に入った私は、人の多さに驚いた。
惠美
「わあっ、凄い人の数……。賑やかですね〜!」
遺
「はぐれない様に手、繋いじゃおうか。僕とじゃ嫌かな?」
惠美
「い、嫌じゃないです! おおお、お願いしますっ」
遺さんと手を繋いでフードエリアに向かって歩く。
惠美
「……私、異性と手を繋ぐなんて初めてです。……き、緊張しちゃいます(///)」
遺
「そうなの? 惠美ちゃん、初々しくて可愛いね」
惠美
「へ? そんなっ、可愛いとか、言い過ぎ……」
遺
「そんな事ないよ。本当に可愛いと思ってるよ。手も小さいし、小学生みたいだね」
惠美
「そんなに小さくないです(////)」
遺
「今日の惠美ちゃんは、ふわふわしてるから繋いでないと飛んで行きそうだよ」
惠美
「そんな、飛んでくなんて……」
遺
「それだけ惠美ちゃんが気になってるって事だよ。離したくないんだ」
惠美
「遺さんっ……。あの、お世辞とか社交辞令なら止めて下さい。熱くなるので(////)」
遺
「本心だよ。涼しそうなカフェに入ろうか。ほら、彼処なら空いてるし」
惠美
「……はいっ。喉が渇いちゃってフラフラします……」
遺
「惠美ちゃん、大丈夫?」
遺さんは本当に心配そうに私を気遣ってくれる。
惠美
「有難う御座います、大丈夫で━━ひゃっ?!」
腰に手を回されて私は変な声を出してしまった。
遺
「あ、ごめん! ふらつくなら支えた方がいいと思って……。嫌なら止めるから言ってくれたら━━」
惠美
「いえっ、有難う御座います(////)」
遺さんにエスコートされながらカフェへ入った。
店員
「いらっしゃいませ〜! 二名様で御座いますね。お席へご案内致しま〜す」
和風の制服を着た可愛いウェイトレスさんが、席に案内してくれた。
惠美
「見て下さい、遺さん。可愛いですね! うわっ、目の保養になりますね♪」
可愛いもの好きの私にとって、カフェの中はまるで楽園だった。
自然にテンションが上がってしまう。
遺
「本当に可愛いね。惠美ちゃんも着たら似合うんじゃないかな。和服は女性の良さを引き立ててくれるから、きっと似合うよ」
惠美
「ゆ、遺さんっ(////)」
遺
「いいねぇ、凄くいいよ。照れる惠美ちゃんを見てると癒されるね。……瀬戸瀬君が羨ましいよ」
惠美
「癒されるなんて初めて言われました(////)」
遺
「瀬戸瀬君は言わないのかい?」
惠美
「えっ、はい。瀬戸瀬さんは遺さんみたいな事は……」
遺
「そうなんだ? ……僕は瀬戸瀬君になりたいくらい羨ましいって思うのに、意外だな」
惠美
「え?」
遺
「瀬戸瀬君は惠美ちゃんを独り占めしてるからね、悔しいよ。毎日一緒に来たり帰ったりするの見てるから余計にさ……」
惠美
「遺さん、瀬戸瀬さんと何も━━! ただのご近所さんってだけで━━! 親切にして頂いてるだけで、本当に━━」
遺
「惠美ちゃん、必死過ぎない? 僕は二人の仲を疑ったりはしてないよ。瀬戸瀬君に彼女が居るって知った時、惠美ちゃんなのかなって思ったけど、違うって分かってさ、惠美ちゃんがフリーだって知って、寧ろホッとしたんだ」
惠美
「遺さん?」
遺
「惠美ちゃん、自覚無さそうだし」
惠美
「遺さん、自覚って何のですか?」
遺
「んー、惠美ちゃんのそういう所がいいんだよね」
惠美
「……えと、良く分からないんですけど?」
遺
「褒めてるんだよ」
惠美
「えっ? 私、褒められてるんですか(////)」
遺
「ほら、また。やっぱりいいよ、惠美ちゃんは」
惠美
「遺さんっ(////)」
私はほんの少しでも遺さんに気に入って貰えてるのかな?
ドキドキしっぱなしで、気恥ずかしくて、落ち着かなくて……、これが大人の魅力というヤツなの?
遺さんって、克慈とは違うタイプのお兄さんだな。
ちっとも意地悪じゃない、優し気で素敵なお兄さん!
克慈には遺さんの爪の垢を飲んで貰いたいくらいだよ!
遺さんの事、好きかも知れない。
カフェで楽しいランチを終え、次に向かうのはショッピングが楽しめるエリア。
サービスエリアのマスコットキャラ“まんぼる君”と“ゆるだち君”が群がる子供達に風船を渡している。
惠美
「嘘みたい! まんぼる君とゆるだち君ですよ! 生で見れるなんて~♪」
遺
「へぇ、惠美ちゃん、ゆるキャラ好きなんだね。ゆるキャラグッズのお店に行こうか」
惠美
「え、いいんですか?」
遺
「いいよ。折角だし寄って行こうか。お揃いで何か買っちゃおう」
惠美
「遺さんと? いいんですか、私とお揃いなんて……」
遺
「もちろんだよ。初デートの記念にね」
惠美
「初デート?! 遺さん(////)
はっはい! 嬉しいです♪」
ゆるキャラ専用のグッズ売場で、遺さんとお揃いの携帯ストラップを買った。
携帯ストラップって定番過ぎてアレだけど、遺さんと初のお揃い!
嬉しくてたまらない。
封を開けちゃうのが勿体無くて、このまま保管していたい。
惠美
「遺さん、有難う御座います♪ 私、大事にします! このまま保管していたいくらいです」
遺
「はは、大袈裟だなぁ。そんなに喜んでもらえるなんてね。僕も嬉しいよ」
色んなお店を二人で見て歩いた。
惠美
「歩き疲れちゃいましたね。あっ、あのアイスクリーム、美味しそう♪」
遺
「凄い行列だね。それだけ人気のある証拠か。惠美ちゃん、其処で待っててくれるかな。買って来てあげるよ」
惠美
「えぇっ、そんな、いいですよ! 食べたいの私ですから私が自分で━━」
遺
「いいから。買わせて欲しいんだよ。彼氏としてさ」
惠美
「遺さんっ(////)
あのっ、じゃあ……お願いします」
遺
「一緒に食べような、惠美」
惠美
「はっはい(////)」
もう〜、遺さんったら『惠美』だなんて〜(////)
彼氏だって〜、……って事は、私は遺さんの彼女?
えっ、えぇっ、もう〜、恥ずかしいなぁ〜!
ふふふっ、嬉しいっ♪♪♪




