葬式5 車内
私は後部座席でも良かったのに!!
折角、克慈の彼女に遠慮して助手席に座らない様にしてたのにぃ〜!
惠美
「……克ちゃんは分かってないよ!」
克慈
「何が?」
惠美
「助手席は彼女の特等席なんだよ。私が座っちゃ駄目なんだよ! 何で分からないの?」
克慈
「……前も言ってたね、それ。惠美、俺の優先順位、知りたい?」
惠美
「優先順位??」
克慈
「そう、俺の優先順位の上位。惠美には特別に教えてあげるよ」
惠美
「克ちゃん?」
克慈
「家(家族),仕事,惠美。それが俺の上位」
惠美
「……え? えぇっ?! 私が入ってるの? な、なんで?!」
克慈
「俺は瀬戸瀬家の長男でしょ。両親と家を守るのは跡取りの役目。安定した生活を送る為には仕事は絶対に必要」
惠美
「それは解るけど……」
克慈
「惠美は特別。俺は一人っ子でしょ? 俺には幼馴染みより妹に近いよ、惠美はね」
惠美
「そ、そうなの? 真面目な顔して言われたら、照れちゃうかも……」
克慈
「照れてるじゃん」
惠美
「……うん(////) 克ちゃん、今日も有難うね。トッキーの御葬式にまで同伴してくれて……」
克慈
「いいよ。惠美一人じゃ行けないでしょ」
惠美
「うわ〜、なにそれ〜! 克ちゃんってば、自意識過剰なんじゃないの〜」
克慈
「何処が? ちゃんと妹思いの良い兄でしょ」
そう言って、私の頭に手を乗せた克慈に髪をクシャクシャとされた。
惠美
「もっもうっ、酷いしっ!!」
克慈はクシャクシャの髪を直している私を見て笑ってる。
そっか、克慈は私の事、ちゃんと妹と思ってくれてるんだ。
責任感を感じて、じゃなくて……って思っていいのかな?
ふふ、何か嬉しいな♪
彼女よりも私の方が優先なんて本当にいいのかな?
惠美
「克ちゃん、彼女が三番目じゃなくていいの?」
克慈
「何で? 惠美の方が付き合い長いでしょ」
惠美
「それはそうなんだけど……、彼女なんだよ?」
克慈
「どうなるか先の分からない彼女より、妹の惠美の方が大事なの」
惠美
「……克ちゃん(////)」
克慈
「照れ過ぎでしょ。惠美は何時から照れ屋になったの?」
惠美
「……そんなに照れてないよ。照れてない!」
克慈
「ムキになり過ぎでしょ。惠美は面白いね」
ガーン!!!!
笑われた〜〜〜!!!!
惠美
「もうっ、笑うな〜!」
克慈の笑った顔は好きだけど、こんなに笑われるのは我慢ならない!
……克慈の優先順位の三位に入ってるのは嬉しいけど、彼女が知ったら━━って思うと恐いかも。
惠美
「……克ちゃん、彼女に聞かれた時は……ちゃんと『三位だよ』って言うんでしょ?」
克慈
「何で? 俺の彼女は惠美ほど心は狭くないよ。俺の婚約者なんだから寛大な心の持ち主なのは当然でしょ」
惠美
「わたっ私だって、心は狭くないよ!! 寛大だよ!!」
克慈
「━━ぷっ。それは言い過ぎ。惠美がそれを言ったら詐欺罪確定でしょ」
惠美
「さっ詐欺罪って━━!!」
私を詐欺罪扱いしやがる克慈は、ケラケラと大笑いしている。
なんて男なんだろうかっ!!
こんな酷い発言を平気で連発する男と結婚する気でいる克慈の彼女は何者なの?!
後光が輝く菩薩様みたいな女性なの?!
激しく会ってみたいんですけどっ!!
……私にも内緒で交際してる克慈が、婚約者と会わしてくれるワケ無いよね〜。
克慈は私を結婚式に呼んでくれるのかな……。
二人の結婚式に出席出来たら、克慈のお嫁さんを初見出来るんだよね!
……克慈のお嫁さんかぁ。
私の事、妹って思えるのかな?




