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☀ イストリゲ~ム  作者: 雪*苺
第四週【 異変 】
53/156

異変1 克慈宅

    廃校舎

     で

 【椅子取りゲーム】

     を 

   した日から

 

 

 

    四週間後

  

 

 

  犠牲者 四人目

 

 椅子取りゲームをした日から、四週間が経った。

 

 あの日の出来事が、頻繁に頭に浮かんで来ては、私の頭の中をグルグルと回っている。

 

 くだらない,阿呆らしい,迷惑……そう思っていたけれど、実際に参加してみたら結構楽しかったんだ。

 

 場所や小道具の数々には色々とツッコミたいけど……。

 

 初めて会った人達と、アン◯ンマン◯ーチを手拍子しながら歌って、椅子取りをした事も……、ただのお遊びなのに皆が真剣になって、椅子を取り合った事も……、時間が経ったからなのかな……今思えば、かなり笑えるんだよね。

 

 まるで童心に返ったような、あんなに楽しい気持ちで遊んだ事が、今迄あっただろうか?

 

 誰もがって訳じゃないけど、結構ハメを外して楽しめていたんじゃないかな……と思う。

 

 高校時代のクラスメートを亡くして、沈んだまま浮かび上がれない私にとって、一二人で参加した【椅子取りゲーム】は、私の中で懐かしくも楽しかった良い思い出になりつつあった。

 

 『あの日に戻りたい!』とすら思う程に━━。


 

克慈

「惠美、……まだ?」

 

惠美

「はーい、今直ぐに!」


 

 四週間前に浸っている私の邪魔をしたのは、眠た気な克慈の声。

 

 いい気なもんですよ!

 

 昨日夜、克慈と私は深夜過ぎに勤先から帰宅した。

 

 克慈の部署でトラブルが起きて、雑務課の私は応援に出された。

 

 克慈が帰れないと私も家に帰れないから『私が応援に行きます!』なんて言っちゃったばっかりに……。

 

 何も知らないで手を挙げたりして、阿呆だ私は……。

 

 私の考えは甘かった。

 

 誰も応援に行きたがらない理由が分かったのは、半端ない雑務を言い付けられてからだった。

 

 私が名乗り上げた時の、あの嬉しそうな皆の顔が忘れられません!!

 

 私も『二度と応援に行くもんかっ!』って、本気で思ったくらいの、それは酷い扱われ様だったんだから〜〜〜!!!!


 

克慈

「惠美、お腹空いてるんだけど……」

 

惠美

「だぁかぁらぁ〜、作ってるってば〜!! 黙って待てないの?」

 

克慈

「早くして……」

 

惠美

「文句言うなら自分で作りなよ! 次、何か言ったら作るの止めるからね!!」


 

 全く、着替えもしないで!


 

惠美

「そうだよ! 顔洗って着替えて来なよ。終わった頃には出来てるからさ」

 

克慈

「……やだ。二度寝したいもん」


 

 『もん』じゃねーよ!

 

 オッサンかよ、グータラめ!

 

 男が『もん』なんて使ったってポッチも可愛く無いんだからね!!!!


 

惠美

「二度寝するなら朝御飯いらないじゃん! 作らせないでよ。私は時間が惜しいんだからね!!」

 

克慈

「いいでしょ。……腹減ってると寝れない……」

 

惠美

「私は早く家に帰って、出掛ける準備したいの! 帰らせてよ〜」

 

克慈

「駄目。いいから、早くして」

 

惠美

「……、もう! 手の掛かるお兄ちゃんなんて要らないんですけど!!」


 

 今日は雑務課の雛菊上司と会う約束をしている。

 

 ふふっ、待ちに待ったドライブデートの日なんですよ〜♪

 

 待ち合わせ時間は一一時。

 

 遅れない様に、一〇時五〇分には着いていたいのにぃ〜!!


 

惠美

「はい! 出来たよ、オムレツスパゲッティ! もう帰っていいよね?」

 

克慈

「惠美の分が無いね」

 

惠美

「私はね、食べてる時間も惜しいぐらいなの! さっきも言ったでしょ!! じゃあね、帰るから!」

 

克慈

「惠美さ、段々と美加さんに似て来たね」

 

惠美

「はぁ?! 何なの急に? 何でお母さんが出て来るの?」

 

克慈

「口調とキンキン声が似てる」

 

惠美

「止めてよ! 私はキンキン声じゃありませ〜ん!」

 

克慈

「自覚が無いって恐いね」

 

惠美

「なんっ……と、克ちゃんと無駄話してる暇ないの! もう余計な事は言わないでね!!」


 

 私はエプロンを外して、椅子の上に置くと、時計を見た。

 

 時計は八時半を過ぎてしまっている。

 

 椅子に座ってる克慈の後ろを通り、ソファーに置いてあった荷物を持つ。


 

惠美

「じゃあね、克ちゃん。食器洗いは自分でしてよ! 夕飯も自分でしてよ! 私、帰り遅くなるかもだからね」


 

 夕食は雛菊上司と食べたいんだもん!

 

 言いたい事だけ伝えて、克慈の家を急いで出た。

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