異変8 自宅
克慈は玄関を開けて、私を家に入れてくれた。
?
「あら、克ちゃん! いらっしゃい♪ まあ、惠美ちゃん!」
あ、お母さんのキンキン声だ。
克慈
「今晩わ、美加さん。惠美ちゃんを送りに来ました」
美加
「まあ、わざわざ有難う〜! ごめんね、だらしのない子で……。惠美ちゃん、何時まで酔っ払いみたいにしてるの! しゃんとして、克ちゃんにお礼言いなさい!」
克慈
「美加さん、いいですよ。惠美ちゃんをお願いします」
美加
「そうなの? 何時も惠美ちゃんを有難ね。あ、そうだわ! 実家から、段ボール一杯に玉葱が送られて来たの。良かったら持って帰ってくれる?」
克慈
「有難う御座います」
美加
「惠美ちゃん、眠いなら部屋で寝なさいよ。ちゃんと化粧を落として、着替えるのよ。聞いてるの?」
克慈
「じゃあ、僕はこれで……。玉葱、有難う御座います」
美加
「ふふ、いいのよ。克ちゃんさえ良ければ、夕飯も食べに来てくれていいのよ。ウチなら毎日だって大歓迎なんだから♪ 遠慮しないで遊びに来てね☆」
克慈
「有難う御座います、美加さん。それじゃあ……失礼します」
美加
「はーい。お休みなさい、克ちゃん」
克慈に玉葱を持たせた母は、名残惜しそうに克慈に手を振り、見送っていた。
克慈は玉葱が一杯入った買い物袋を持って私の家を出て行った。
……あんなに玉葱を貰ってどうするつもりだろう?
お母さんは私を残したまま、満足そうに台所へ戻った。
私は洗面所で化粧を落として、自分の部屋に戻り、カーテンを閉めてパジャマ用のジャージに着替えた。
家の夕飯は一九時だから、まだ時間はある。
克慈はケーキ、食べてくれるかな?
意地悪を言われるかも知れないけど明日、ケーキのこと聞いてみよう。




