帰宅3 車内
克慈と私の関係は、兄妹の延長線みたいなものだと思ってる。
だから、お互いに恋愛感情は無い━━、と思う。
仮に有ったとしても無理だろうな……。
私が克慈を受け入れられないから。
もしかしたら、その逆の方が有り得るかも知れない。
惠美
「克ちゃん、何時も乗せてくれて、ありがとね」
克慈
「どうしたの? 拾い食いしてないよね?」
惠美
「酷いっ! 拾い食いとかしてないし!! する暇なんか無かったよ!!」
克慈
「そう? 低学年まで、カーペットに落ちたご飯粒やお菓子を拾って食べてたでしょ。ああいう癖は、なかな直らないからね」
惠美
「ちょっ! 今、それ関係無いでしょ〜! それに良く言われるじゃん、三秒ルールとかって!」
克慈
「三秒は余裕に過ぎてたよ」
惠美
「克ちゃんは摘まみ食いしてたよ! ちゃんと直ったの?」
克慈
「さぁね、俺の事はいいよ」
克慈は本当に珍しいくらい楽しそうに笑う。
克慈の笑った顔、好きなんだよね。
幸裕兄の笑った顔も好きだったな。
笑った顔しか思い出せないよ……。
克慈は自宅(瀬戸瀬家)の車庫に車を停めた。
運転してくれた克慈にお礼を言って、車を降りる。
瀬戸瀬家の車庫から直ぐ前が、私の自宅(薗野家)だ。
明かりは点いて無いけど、電話したから鍵は掛かっていない筈……だと思いたい。




