克慈宅7 話し合い
夕食を終え、後片付けも済んで、今は寛ぎタイム中──。
克慈と私は、利樹さんと向かい合う様に座っている。
利樹
「──成程な。廃墟でイストリゲームか……。負けた順番通り、一人づつ、一週間に一度起きる大事故,大惨事に巻き込まれて亡くなっている──か。うちに来た時に見たオノちゃんのメール文に書かれていた子が、この前のグランドホテルの大惨事に巻き込まれたんだな?」
惠美
「……はい」
声が沈んじゃう。
季喜も蓉子も死んじゃって……、もう会えないって再確認……。
このまま、智沙も善朋も私も克慈も杏菜も……死んじゃうのかなぁ……。
克慈
「順番通りなら、次は来週の何処かで、智沙ちゃんが亡くなりますね。続いてD男,善朋君,惠美,俺,杏菜ちゃん、最後はU子です」
利樹
「六人の中のD男とU子が智沙ちゃん繋がりの友人なんだな?」
惠美
「あ、はい。イストリゲームをするのに人数合わせで呼んだって、智沙は言ってました。あ……でも、用意されていた椅子は初めから一一脚あって──。アナちゃんが言ってましたけど、智沙の友達と一緒に教室を掃除して魔法陣を描いたり、椅子を用意してたらしいです。……初めから一二人でするつもりだったのかな?」
克慈
「断言は出来ないけど、それもあるかもな。前から計画してた感じだったし。……逆に考えて、俺達の方が人数合わせに呼ばれた感もある」
惠美
「私達が人数合わせ? 何で??」
克慈
「智沙ちゃん達は友達と準備までしてたんでしょ? T男,O子,舜也,D男,U子,杏菜ちゃん,智沙ちゃん──。七人しかい居ないでしょ。足りない五人を俺達で賄ったって事。善朋君,季喜君,蓉子ちゃん,惠美,俺も含めて全員が、智沙ちゃんと杏菜ちゃん繋がりでしょ?」
惠美
「う、うん。──本当だ! 丁度、五人居る!!」
克慈
「多分だけど、五人揃うなら誰でも良かったんじゃないの? 俺達を選んだのに深い意味はないかもね」
惠美
「誰でもいいなら、私達じゃ無くても良かったじゃん!! 劇団仲間とか、元彼達とかさ! 智沙には沢山居た筈だよ!!」
克慈
「手間を掛けて別々に誘って集めるより、手っ取り早く集まる方が楽でしょ? 時間が無かったかも知れないし」
惠美
「じゃあ何? 智沙達にとって、楽に集まる私達は都合が良かったって事??」
克慈
「多分って言ってる。事実かどうかは智沙ちゃん達に聞かないと分からないでしょ」
惠美
「聞くったって! 智沙とは連絡が取れないんだよ!! ずっとエラーなのにぃ!!」
克慈
「D男とU子の連絡先は?」
惠美
「……知らない。……聞いてないもん。アナちゃんだったら知ってるかも知れないけど……、面会謝絶だったし……」
克慈
「O子からは?」
惠美
「えっ? O子さんから? ……聞いてないよ〜。教えて貰ったのO子さんのメアドとケー番だけだもん……」
克慈
「(俺も聞いてないしな。惠美だけを責める事は出来ないな……)」
利樹
「オノちゃんとセット達を選んだのに深い意味は無いか。──それは有名な神社へ態々お祓いをして貰いに行ったからだな?」
惠美
「え? そうなの??」
克慈
「俺の推測ですけどね。一週間に一人つづ死んで逝くなんて思わなかったんだと思いますよ。唯の遊びでしただけの参加者が次々と死ぬなんて誰にも想像が出来ないでしょう? 智沙ちゃんが態々惠美に連絡をして、お祓いに誘ったのは、深夜の遊びに誘った事に対して、少しでも罪悪感や責任を感じていたからかも知れない。俺の事が好きみたいだったし。俺だけに連絡をしたくても、俺と連絡が取れない智沙ちゃんは、惠美に連絡するしかないし」
惠美
「そっか……。ん? ──っていうか、その言い方だと私達は克慈のオマケみたいじゃんか!!」
克慈
「だったかもね」
惠美
「智ぃ〜沙ぁ〜〜〜!!!!」
利樹
「まぁまぁ、オノちゃん。セットの推測だよ。実際の所は智沙ちゃんに聞かないと分からないよ。怒らない、怒らない」
惠美
「は、はい!! ごめんなさい(////)」
うぅ〜、恥ずかしいよぉ(////)
克慈
「俺達が神社に来た時の智沙ちゃんの顔、嬉しそうだったでしょ?」
惠美
「ええっ? 克ちゃんに会えたのが嬉しかったからじゃ無いの?」
克慈
「それも有るだろうけど──」
チッ、この自意識過剰男めッッッ!!!!
脳天に天罰よ、下れってばよ!!
克慈
「無事な四人がお祓いに来てくれて安堵してたと思うよ、俺はね。お祓いをしなかった俺達に何を思ったか迄は分からないけど」
惠美
「……。お祓いをした効果も無かったもんね……」
克慈
「智沙ちゃん達は、そう思って無いかも知れないでしょ。来週を過ぎても智沙ちゃんが生きていれば、お祓いも無駄じゃ無かったって事への証明にもなるし」
惠美
「う゛……。そうなるとぉ、お祓いしなかった私達四人(善朋,克慈,杏菜,惠美)が死ぬかも知れないって事??」
克慈
「其処までは言って無いでしょ。飛躍し過ぎ」
惠美
「だって……」
利樹
「結果は再来週か。──よし、土曜日にでも、その廃校舎に行ってみるか。どうだ?」
克慈
「大丈夫ですよ。土日と祝日は休みですから。惠美も来るでしょ」
惠美
「え? ……私はあんまり行きたく無いよ……。だって、彼処は有名な心霊スポットで、殿堂入りされてる場所だって、蓉子が言ってたもん!!」
利樹
「へぇ、殿堂入りされてる廃校舎ねぇ。心霊スポットで、イストリゲームとは随分と肝が据わってる連中じゃないか。オノちゃん、善朋君とは連絡は出来るかい?」
“殿堂入り”とか“心霊スポット”の私の発言を聞いた利樹さんは、何故だか面白そうな顔をしている。
……そういう類いが好きな人なのかなぁ?
寺社の跡取りだから??
利樹さんの瞳がキラッキラしてるように見えるんですけど!!
惠美
「朋ちゃんですか? 連絡は出来ますけど、返信が来ないんです。電話を掛けても留守電なんです。……メッセージを入れても電話も掛かって来ないし……」
利樹
「エラーにはならないんだな? なら、今から俺が善朋君宛に文章を打つから、貸してくれるかい?」
惠美
「はい。──どうぞ、利樹さん」
私は自分のガラゲーを手に取ると、メール作成画面にしてから利樹さんに手渡した。
私からガラゲーを受け取った利樹さんは、文字を──速っ!!
メッチャ速っ!!
文字を打つ指の動きが無茶苦茶、速いッッッ!!!!
まるで、今時の女子高生並みに速いですよ!!
何て言えばいいの!?
セクシー 連打うち 利樹さん??
空いた口を塞ぐのも忘れちゃうくらい魅入ってしまった。
利樹
「オノちゃん、この文章を善朋君に送信してくれるかい?」
惠美
「は、はい(////)」
どんな文章を打ったのか気になるから、後でゆっくり読んでみよーと。
私は利樹さんからガラゲーを受け取って、メールを善朋へ送信した。
送信してから暫く待ってみたけど、エラーメールが来ない事に、ガチでホッとした。
惠美
「……、……、……うん。エラーにならないです。ちゃんと送信されたみたいです」
利樹
「そうか。一先ず、善朋君はこれでよしだな。オノちゃん、杏菜ちゃんの携帯電話にメールは送れるかい? 電話でもいいけど」
惠美
「……駄目なんです。メールは届いてるみたいですけど返信は来ないですし、電話をしても繋がらなくて……。電源が入って無いのかも知れません」
克慈
「杏菜ちゃんの実家の連絡先は教えてもらって無いの?」
惠美
「え? 実家の? ……知らないよ。アナちゃんのメアドとケー番しか登録されてないもん」
利樹
「なら、杏菜ちゃんが入院してる病院にも行くか。もしかしたら杏菜ちゃんの御両親と会えるかも知れないからな。その時に携帯電話に登録されているアドレス帳を見せて貰えないか聞いてみようか」
惠美
「はい! 会いたいですね!」
克慈
「惠美、O子のアドレスは未だ残ってるよね?」
惠美
「え? うん、あるけど……」
克慈
「実名は分かる?」
惠美
「えーと……、……、……ごめんなさい。分からないや。実名“O子さん”って打ち直しちゃって……」
克慈
「何してるの? 馬鹿なの?」
うぅ〜、悔しいけど言い返せないよ〜〜!!
克慈
「O子が最後に勤めてた◯メダ店に行くしかないか……」
利樹
「場所は知ってるのか?」
克慈
「大体の場所は覚えてます。惠美、◯メダの場所は覚えてるだろ?」
惠美
「う、うん。多分、大丈夫だよ。大きなお店だったし、行けば直ぐに見付けれると思う。でも、どうして◯メダに行く必要があるの?」
克慈
「O子の遺留品の中に壊れて無い携帯電話が入っていれば、D男とU子の連絡先が分かるかも知れないだろ。実名と実家の連絡先が教えて貰えればの話だけど……」
利樹
「オノちゃんは、智沙ちゃん,杏菜ちゃん,蓉子ちゃんの実家の場所は知ってるかい?」
惠美
「……知らないですぅ。智沙はアナちゃんの実家を知ってるみたいですけど……。蓉子の実家の話は聞いてましたけど、場所までは……。遊びにも行った事は無いんです。あっでも、朋ちゃんの住んでるマンションへは、克ちゃんと行った事あります! 場所は忘れちゃいましたけど、克ちゃんは覚えてると思います。だよね、克ちゃん!」
克慈
「まあ、知っては居るけど……」
利樹
「日曜日にでも善朋君の住んでるマンションへ行ってみるか。土日はあちこちに行くから忙しくなるけど、楽しみだな!」
利樹さんは土日が待ち遠しいみたい。
子供みたいにワクワクしている。
克慈はどうだか知らないけど、私はあまり気が乗らない。
でも、でも『行かない!』なんて言えない雰囲気です。
◯メダ店と病院と廃校舎か……。
誰か、私の代わりに廃校舎に行ってくれないかな〜。




