克慈宅3 ダイニング
夕飯を終えた克慈は、ソファーに凭れてTVを見ている。
食洗機に食器を入れてスイッチを入れる。
洗浄と乾燥が終わる迄は、私もゆっくり出来るんだ。
……っていうか、これって克慈がすべき事だよ!
今時の男子は、これくらい自分ですべきだよね!!
結婚前提で付き合ってる彼女が居るからって、この体たらく振りは、いかんでしょ?
でもでも、多々ある弱味を握られている私は、克慈にビシッと言えない。
はあ……、食後にアイスコーヒーでも飲もうかな。
私用にアイスコーヒーを作り、それを持って克慈の隣に座る。
克慈が見ている番組は、外国人のプロが日本に来日をして視察をしている様子が放送されている番組だ。
……克慈は本当に二〇歳ですか?
何で克慈の見る番組は、お父さんが好んで見てる番組と被ってるんですか??
人生まだまだこれからっていう二〇歳の若者が、五〇代のおっさんが好んで見るような番組を見るとですか?
……まぁね、為になる番組だってのは私にも分かるよ?
でもね、未だ二〇歳だよ?
おっさん臭が漂って来そうだよ!!
克慈
「ふぅん、俺のアイスコーヒーはないの?」
惠美
「──え?」
克慈
「俺のアイスコーヒーは? 全く……、自分の事しか考えられないなんて、気の利かない妹だね」
惠美
「むう、よく言うよ! 話し掛けても返事しなかったじゃん!」
克慈
「返事がなくても作るのが、気遣いの出来る妹でしょ」
惠美
「……ムカつく」
克慈
「ほら、さっさと立って。俺のアイスコーヒーも作ってよ。御褒美、欲しいでしょ?」
惠美
「ご、御褒美?! 何々、御褒美って何?! お菓子? お菓子なの??」
克慈
「内緒。いいから、ほら」
克慈は顔をTVに向けて、『さっさと作れよ』と言わんばかりに、私に向けた手のヒラヒラさせる。
何のよ、御褒美で私を釣ろうって言うの?
ハンッ!
御褒美如きで、私を思い通りに出来ると思ったら大間違いなんだからね!!
私にだって、プライドがあるんですーーーー!!!!!
克慈
「早くしろよ」
惠美
「イ・エッ・サー」
もう、嫌だ、この人!
アイスコーヒー如きでキレるとか有り得ないし!!
文句と不満を言いながらも作ってあげちゃう私は、何て心が広いんだろうね。
まるで天使だよ!!
惠美
「克ちゃん、お待たせしました。アイスコーヒーでーす」
飲みたきゃ、テメェで作りやがれってんだよ、オヤ臭野郎め!!
何て間違っても口に出しては言えない。
だって、克慈ってば怒ると恐いんだもん!!
ほら、よく言われるじゃない?
男性は全身が凶器だって!
男性は誰でも、本気を出したら、片手で首をへし折れる程の腕力を持っているって!!
私、まだ、生きていたいんです!!
克慈
「サンキュ。御褒美あげるよ」
惠美
「う、うん! 御褒美、欲しい!! 克ちゃん、大好き♪♪♪」
やっぱり、御褒美は欲しい訳で……。
タダで貰える物は貰える時に貰っとかないとね☆




