職場4 同情
智司
「──瀬戸瀬、さっきから何を調べてんだよ?」
克慈
「今週のグランドホテルの大惨事。ほら、薗野さんと俺が葬式で休んだろ? 共通の友人が、この大惨事の被害者だったからさ」
愛
「ああ、ニュースで持ちきりの一週間に一度起きる痛ましい大惨事か……」
智司
「{此処だけの話、ウチが契約してた会社の社長と跡取りが揃って出席してたらしいぜ。遺体も見付かって無いし、会社は長が居なくなって大変な事になってるらしいぜ}」
愛
「何処情報よ?」
智司
「俺の情報網をナメんな!
{明日は我が身ってな。仲間入りしないように気を付けないとな……}」
愛
「気を付けようが無いけどな〜。
{薗野さんも可哀想だよな……。友人が大惨事に巻き込まれて葬式に出っぱなしなんだろ?}
慰めてあげたいよな〜……」
克慈
「俺の友人でもあるんだけど?」
愛
「……、元気出せよ?」
智司
「疑問系かよ。
{薗野さんには俺も同情するよ。良くしてくれた上司も例の大惨事に巻き込まれて亡くなったんだろ?}」
愛
「{デートスポットで有名なサービスエリアの大事故だろ? 噂だと彼女とデートに行ってたらしいけど? 特定の彼女が居たんだな〜。薗野さんは遊ばれてた──って事かな?}」
克慈
「薗野さんは変な男に目を付けられ易いからね。変な男に!!」
智司
「何で強調して二回も言うんだよ?」
克慈
「大事な事だろ」
智司
「まあ、確かにそれは言えるけど……」
愛
「{亡くなった人を悪く言うのはアレだけど、八崗以上に女癖が悪いって、同性間では有名だったもんな。貢がせていた女が結構居るって噂もあったぐらいだしさ}」
智司
「{『俺以上に』って何だよ! 俺は会社の女性社員に手なんて出した事は一度も無いからな! 誤解されるような言い方するなよ!}」
愛
「{暇を見付けてはナンパしてるだろ。噂の原因はそのナンパだよ。影で“女の尻を追ってるハイエナ〜”って言われてるんだけど、耳にしない?}」
智司
「するかよ!」
克慈
「薗野さんは俺が慰めるから、壱可も八崗も余計な事しなくていいから」
愛
「何、その言い方! 瀬戸瀬が言うと厭らしい!!」
克慈
「近所だから自然と家族付き合いになるの。
{薗野さんは俺にしてみれば、アホの妹みたいな感じだし}
近所の誼だよ」
智司
「酷い言われようだな。否定が出来ない分、余計に可哀想だ……」




