克慈宅8 説得
惠美
「い、痛いよ! 克ちゃん、痛い! 離して!!」
克慈
「惠美、よく聞いて。俺は惠美に危ない目に遭って欲しく無い。惠美に傷付いて欲しく無い。──幸裕兄さんに誓ったんだ。悳司さん,美加さんにも約束した。惠美がお嫁さんになる迄、幸裕兄さんに代わって守るって──。惠美は俺の大切な、妹だ。解って欲しい……」
克慈は真っ直ぐに私の目を見て、そう言った。
克慈があんまりにも真剣な顔をしているから、私は克慈から目を逸らすなんて出来ない。
惠美
「……っ、克ちゃん」
……克慈は私の事を其処まで思ってくれてるの??
お嫁さんになる迄、私を守る──って、なんか、恥ずかしい!!
照れちゃうよぅ(////)
でも、嬉しい。
だって、克慈には本っ当に意地悪ばっかりされるけど、本当は私の事をちゃんと妹として見ててくれてるって解ったから(////)
たまにパシられたりするけどね!!
もっと妹らしく大事に接して貰いたいですけどねっ!!
惠美
「──克ちゃん。あ、ありがと(////)
そんな風に思ってくれてるなんて知らなくて……」
克慈
「言わなかったし」
惠美
「──あ、あのね、克ちゃん。……私ね、お嫁さんになっても、克ちゃんの妹だからね!! 克ちゃんはずっと、私の大好きなお兄ちゃんだよ!!」
克慈
「当然でしょ」
惠美
「う、うん(////)
……サオちゃんの事はね、克ちゃんの友達だから、大丈夫なんじゃないかなって思ったの。話してみると楽しいし、何かね、元気になれるっていうか(////)
蓉子とも知り合いだったみたいだし……。だから、それで……」
嘘でーす。
そんな事は思った事もありませーん。
なんか、このまま、いい感じの流れで終われるんじゃないかなって期待している。
克慈の本音(?)を知れちゃったし、克慈は堅智さんが私にメルアドを教えたって、信じてくれてるみたいだし、このまま上手く穏便に事が終わってくれたら、私的には有難い。
私って、何時からこんなに最低な嫌な女になっちゃったんだろう??
……、……、……元からでした。
克慈
「惠美、俺の友人だからって、安全な男とは限らないよ。木土みたいにどうしようもない奴だって居るし、佐尾も同類みたいなもんだよ。ある意味、木土よりもタチが悪い」
惠美
「どういう意味?? 木土さんよりタチが悪いなんて、どうして??」
克慈
「……あんまり、女の子には言いたくないんだけど、惠美には佐尾を諦めてもらいたいから敢えて言うよ。覚悟はいい?」
惠美
「か、覚悟? 覚悟しないと駄目な内容なの??」
克慈
「そうだね。男が全員そうとは言わないけど、佐尾は変態なの。どうする、聞きたい?」
惠美
「……えっ、う、うん……聞いた方がいいの??」
克慈
「聞きたくなくても、惠美が道を踏み外さない為に言うけどね」
惠美
「言うき満々じゃんか〜」
克慈
「内容が内容だからね。一度しか言わないから、よく聞いて」
惠美
「は、はい! お、お願いしますっ!!」
私は背筋をピンと伸ばして、克慈の話を聞いた。
克慈の話を聞き終えた私は、迷いなく堅智さんのメルアドを非通知にしてから削除しました。
念の為に、私はメールアドレスと携帯番号も変更した。
ごめんなさい、堅智さん。
克慈の弱点とか、もう、どうでもよくなりました。




