克慈宅2 キッチン
もうっ、作れるんだから、自分で作ればいいのにっ!!
私は克慈の専属シェフじゃないっつーの!
ダンボールの組み立てが一段落ついた私は、キッチンに向かう。
はぁ……、仕方無いですな。
克慈の夕飯を作りますか〜……。
作りたく無いけどねっ!!
はぁ〜……。
溜め息しか出ない。
惠美
「ん〜、何を作ろうかなぁ? 取敢ず、冷蔵庫チェックだよね〜」
椅子に掛けてあるエプロンを着けつつ、冷蔵庫を開ける。
惠美
「ん〜、まぁ、克ちゃんが食べるんだから何でもいいよね〜。お腹に入っちゃえば何を食べても一緒だもんね!」
克慈
「ふぅん? 調理師としては、あるまじき発言だね。俺は悲しいよ」
惠美
「──うわっ、克ちゃん?! 何時から居るの?! 吃驚するじゃん!!」
克慈
「惠美が変な料理を作らないか見張ろうと思ってね。毎日、安全に職場通勤が出来るのは誰のお蔭? 俺への恩を仇で返したりしないでしょ? 惠美ちゃんは其処まで馬鹿じゃないね?」
惠美
「〜〜〜っ、頭に手を置いて、髪をグシャグシャしないでよ〜〜〜!!」
克慈
「嫌なら、俺が安心して食べれるの作ってよ」
惠美
「分かってますよ!! 作るから!! ──あ、ねぇ、克ちゃんは智沙のメルアドとか知らない? 一週間後に起こるかも知れない事を教えたいんだよ」
克慈
「俺が知るわけ無いでしょ。知ってたら惠美に教えてる」
惠美
「そうなの? 本当に知らないの? 智沙ってば、克ちゃんの事が好きだからメルアドくらい教えてると思ったんだけど……」
克慈
「男に軽々しく自分のメルアドを教えるような無節操女は嫌いだからね。教えられても断るに決まってるでしょ」
惠美
「そ、そうなんだ?
(無節操女か。……私じゃんか。克ちゃんにバレたらどうなっちゃうんだろう? ……絶交されちゃうかな??)」
克慈
「惠美? ボケッと呆けてないで早く作ってよ。一九時には食べたんだけど」
惠美
「一九時? ──って、二時間もないじゃんか!!」
急いで作らなきゃ!!
克慈
「俺は部屋に居るから。一九時になったら降りて来るから、それ迄に食べれるようにしといてよ」
言うだけ言うと、克慈は階段を上がって二階へ行ってしまった。
なんて勝手な奴ですか!!
全くもう、作る側になって物を言って欲しい。
ブツクサ言いながらも、時間に間に合うように作る事にした。




