靖樹真美
凄く遅れました。本当に済みません。
秋田が蒔田の身体を抑え、吉岡がペンチを歯に押し付けた。 私、吉岡真美はただそれをジーと見ていた。 怖かった。如何したの? 秋田君。如何して、狂い始めたの? 「止めてぇぇぇっス」 蒔田が叫ぶ。 「痛むよ」 吉岡がペンチを持つ手首を捻った。 ぐりゅ。 「ぎえええぇぇぇぇぇっ」 蒔田が痛みに絶叫した。 「痛い。痛い。痛いっス」 蒔田の口から血が流れる。 「くそっ。歯を1本抜くのに一苦労だ」 吉岡が更にペンチを持つ手を捻る。 「ぎゃあぁぁああああぁぁぁぁぁぁっ」 蒔田がこの世の者とは思えない叫び声を上げる。 「おらあああぁぁぁああぁぁぁあぁあぁっ」 ぐちょり。 「ぎやああああぁぁああああぁぁぁああぁぁっ」 叫びと共に蒔田の口から大量の血が出荷される。 「取れた♥」 吉岡がペンチを蒔田の口から出す。 そのペンチの先には血に塗れて白い物が。 「は……は、は」 歯。 「歯だよ。歯。歯が取れたよ。やった。歯だ。歯だ。歯だ。歯歯歯歯歯歯ははははははははははははははははははははははははっ」 吉岡が狂った様に叫び続ける。 「じゃあ、もう1本いっちゃおうか」 「嫌ああああぁぁぁっ」 「止めて」 私は小さく呟いた。 「もう1本。もう1本」 「止めて」 「もう1本。もう1本」 「止めてっ」 私は大声で叫ぶと、吉岡に向かって走った。 もう無理、耐えられない。 「っ!」 え……何? ペンチが私の顔面に直撃す……。




