弱虫の再恋ー筒抜けの恋心
ご一読いただきありがとうございます!『弱虫の再恋』第2話です。
1話目を読んでいただきありがとうございました!
今回は、主人公・零の愉快な(?)幼馴染たちが登場します。
男子高校生のリアルな放課後の空気感を楽しんでいただけたら嬉しいです!
実際、私自身も経験したことのあるノリです。これで皆様が体験したものと違ったらリアルとは言えませんが、そこはご愛嬌ということで温かい目で見てやってください。(笑)
彼女とは、連絡先を交換して、他愛ない会話を少しして教室で別れた。
僕は少し教室に残り余韻に浸っていた。しばらくスマホの画面を見つめる。
(本当に現実だよな…まさかあんな至近距離で会話して、連絡先交換までしてしまうなんて、最初は怖かったけど途中は自然に話せてたな……いや待てよ、今は放課後…てことは教室にはまだあいつらがいるはず…)
「おいおいおい!なんだよ今の!!お前が女子と話してるの小学生以来初めて見たぞ!!!」
「零君も成長したんですなぁ~」
やはりいた。こいつら見てたのかよと思った。名前は佐藤 拓と藤田 蓮、二人とも僕の幼馴染だ。
二人とも僕の友達なのだが、僕とは正反対で、明るく社交性が驚くほど高い、そしてもれなく顔がいい。
―――そしてもちろん、僕のトラウマを知っている唯一の人物でもある…。
「たまたまだよ。別に話そうと思って話したわけじゃねえし。」
「いやお前、未来ちゃんの顔見てにやにやしてただろ。」
「そのあと急に机に突っ伏してぶつぶつ言うもんだから面白かったよね~」
こいつら最初から見てやがった、昔から面白そうなことがあると黙って遠くからにやにや観察するタイプのやつらだ。今回もその感じで見ていたんだろう。
「最初からかよ…で?なんですか?冷やかしに来たんですか!?え!?」
「な、何キレてんだよ。俺らは応援するぜって言おうとしたのによ」
「そうそう、今まで接点を持とうとした事がない零の恋を応援しようと思ってね~」
意外だった。いつも僕のことをからかって面白がってるので、応援されることは想定外だった。
何故か涙があふれそうになり、下を向く。
「どうした?」
二人の声が重なる。
「いや、なんでもない…でも恋って?俺好きなんて誰にも言ってないよな?」
何故ばれているのか困惑しながら二人に聞く。自分は隠し通せていると思っていた。
「は!?お前あれで隠せてる気でいんのか!?」
また二人の声が重なる。声を荒げる二人にびっくりして、身がすくむ。
「な、なんだよ」
「はぁ、流石、恋愛感情が小学校で消え失せたやつは違うわ」
拓が溜息をつきながら言う。消え失せたとは失礼だなと思ったが、口には出さなかった。
実際、消え失せたというのは正しくもあるが正しくはない。
僕も恋心は持っていたのであろう。その感情が、いままで誰かに向くことがなかっただけだ。
その感情が、今回彼女に向いただけ。ただ、それだけの話。ただそれだけの…。
そう改めて思うと、少し恥ずかしくなってきた。
「ま、うぶな零君や、そろそろ帰ろうぜ~、俺バイトもあるし」
蓮があくびをしながら言う。なんやかんやもう午後六時を回っている。彼女と話した時間と二人と話し他時間を合わせ、かれこれ二時間弱は経ってしまっていたようだ。
「そうだな、そろそろ帰るか」
よいしょと腰を上げ教室を出る。外へ出て、空を見上げる。冬の星空は清々しく、息は白く、手はかじかむ。だがこの寒ささえも今日は少し心地よかった。
第2話をお読みいただき、ありがとうございました!
自分だけの秘密にするつもりが、幼馴染に見破られていた零くんでした(笑)。
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次回、第3話。いったいどうなることやら…。
どうぞお楽しみに!




