弱虫の再恋ーネガティブ環状線発車します
第3話をお読みいただきありがとうございます!『弱虫の再恋』です。
前回、幼馴染の拓と蓮に恋心が「筒抜け」になってしまった零くん。
今回は、そんな彼らのいつもの帰り道と「あるメッセージ」のお話です。
主人公の心の中でぐるぐると回り始める、ネガティブな環状線の様子をお楽しみください……!
夜の冬空の下、拓と蓮と僕でいつもみたいに取り留めもない会話をして進んでいく。
綺麗な星空に三人とも心を奪われ、通ったことのない道を通っていた。
やがてそれぞれの家へと向かう別れ道に差し掛かると
「じゃあ、俺こっちだから、また明日な!!」
と拓が大声で言う。それに合わせるように蓮も小走りしながら声を張る。
「バ先こっちだから俺もここでバイバイだね〜」
「うん、また明日」
一人になり、暗く寒い道を星の光を頼りに進む。
その時、ポケットの中で僕のスマホが不意に光り目が眩む。
「うっ、誰からだ?」
画面には『長谷川 未来』と表示されている。心臓が跳ねるのを感じながら急いで内容を確認する。そこに表示されていたのは今日教室で話したスイパラのことだった。
『やぁやぁ、零君、今日話したスイパラのことなんだけど、今週の土曜日とかどーよ?私の友達からはOKもらえたよー!零君は友達誘ってくれた?』
(――あ。そうだった、スイパラにあいつら誘うの完全に忘れてた…)
女子と遊ぶのは小学校のあの時以来だ。正直怖くて怖くてたまらない。あの頃の思い出したくもない記憶が鮮明に思い出され、また同じようになるのではないかと胸が痛くなる。
だが、僕にとっての初恋、ここで終わらせたくはなかった。そう思い、震える手でスマホのキーボードをタップしていく。
『ごめん、まだ誘えてないんだ、また明日誘っておくよ、今週の土曜日だね、空いてるから僕は大丈夫だよ』
送信ボタンを押し、安堵のため息をついた――その一瞬後には、彼女から返信が来た。
『おっけおっけ!ありがとねー!!じゃあまた明日!!』
『うん、また明日』
ほんの何でもないやり取りだが、今の僕には少し、いや猛烈に喜ばしかった。思えば彼女と話す時はトラウマを思い出すことはない。いわゆる『初恋パワー』というものなのだろうか。
家につき、風呂と夕飯を済まし、自分の部屋のベッドにダイブする。
彼女とのトーク履歴はまだ少ないものの、少し話せただけでもウキウキと胸の奥が跳ねる。
女子との遊びか…あいつらがいるなら安心だ。ただ――問題は他の女子もいるということだ。未来さんはドがつくほどの天然だから、僕みたいなやつとも普通に話してくれているのだろう。
だけど、他の女子はどうなのだろう。僕を不審がっていないだろうか、気持ち悪がっていないだろうか、嫌われていないだろうか。
いや、そもそも。本当に未来さんは、僕のことを嫌ってないのだろうか。一度考えると、そんなネガティブな思考が環状線のようにぐるぐると回り続ける。
(…もう、もういいや、寝よう…考えても無駄なんだ、考えたところでなにも変わらないし、なにも進まない…嫌われたっていいじゃないか…それ相応のことをしてるんだ、僕は…)
毛布を頭からすっぽりと被り、目を閉じて眠りに落ちた。
第3話をお読みいただきありがとうございました!
未来ちゃんからの嬉しいLINEにウキウキしつつも、過去のトラウマから他の女子への恐怖、そして「本当に嫌われていないか」という不安に押しつぶされそうになってしまう零くんでした。
自分も同じようなキャラクターなので、感情移入が止まりません。




