スライム
馬車での移動も決して楽ではない。
道はガタガタだし、
とにかく揺れる。
馬車に乗っていて分かったことは
スライムはやはり定番モンスターなのだ
ということだ。
馬車から見えるスライムは
決して強そうには思えなかった。
「ねえ?
ちょっと試しにスライムの方に
近づいてみない?」
「コスケくん。
絶対にやめてね?」
コスケは相変わらず
マイペースだ。
ちなみに俺ももうちょっと近くで
スライムを見たかったが
場の雰囲気を乱してはいけないと思い、
何も言わなかった。
俺たち4人は移動しながら
いろいろな話をした。
音楽家のヨキは親戚に商人がいて、
たびたび町から出たことがあって
サソリに刺されて毒で入院したことがあるとか。
薬師のミラさんは俺と同じ歳くらいの
娘がいて、薬師の見習いをしているだとか。
羊飼いのコスケは羊たちを彼女のメイちゃんに
無理言って預けてきたとか。
俺が店員として働いている宿屋は
会員制の宿屋でお金持ちや有名人が泊まりに来ることが多いとか。
時間はたっぷりあったので
各々が好きなだけ好きなように話したり、
コスケと俺は
ヨキに馬車の操縦の仕方を教わったりした。
日が暮れかける頃、
馬車を操縦していたヨキの顔が
明るくなった。
「よかった!みなさん!
見えましたよ!!!」
「わーーーーーーい!」
「すごい!これが!!」
「立派な都市ね」
俺が知っている村や町とは全く違う。
遥かに大きく、立派で栄えた都市が見えた。
家はほとんどが今風の
石造りでできている。
もちろん街道も歩きやすいように
石で整えられている。
都市はたくさんの人で溢れかえっていた。
それに伴って
飯屋、酒場、露店、道具屋、宿屋、
お店も数えきれない。
町の名前はゴールドシャワー。
むかし、金が雨のように降り注いだという
そんな言い伝えがあるらしい。
竜に襲われたロトの町の
すぐ手前にある大都市だ。
今のところ、
ゴールドシャワーでは
竜の被害は全く感じられない。
俺たちは
手分けして情報を集めるために、
一度解散して明日の朝、
再度集まることにした。
俺はコスケと2人で
行動することになった。
手頃な酒場を見つけたので、
そこに入ることにした。




