教会
職員と約束した教会は
すぐに見つかった。
「全員で行くと相手に
プレッシャーを与えてしまうかもしれない。
まずはわたし1人で行ってみるわね」
俺たちは離れた所に
馬車を停めて
ミラさんを待った。
教会の外観は
傾いたり崩れたりはしていなかった。
外を出歩く人は
1人もいない。
まるでこの町に
人がいなくなってしまったみたいだ。
数分してから
ミラさんがこちらに戻ってきた。
「門前払いで相手にしてもらえなかったわ。
すごく敵対視されちゃったみたい」
まさかミラさんが
入れてもらえないとは......。
「ワトくん。
行ってもらえないかしら?」
「え、
俺が?!!」
俺はビビりながら
1人で教会の入り口の前に立った。
こういう時は
結論から話さなきゃな......。
教会の中から
全身黒い服を身に纏った
1人の女性が出てきた。
「......なんですか?」
「えー、
水がなくて困ってると聞いて
水を持ってきました!
ぼくは冒険者なんです!」
女性は
はあ、と言って
怪しんでこっちを見た。
そうだよね。
怪しいよね。
「仲間に薬師がいるので
ケガされた方や病気の方の
力になれると思います!
少しだけ中へ入れてもらえませんか?」
ミラさんが無理だったら
俺だって無理でしょ。
「......どうぞ。」
ほらね。
相手にしてもらえるわけ......。
え?
今なんて?
俺たちは無事にその教会に
入れてもらえることになった。
しかも
すんなりと。




