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薬師
俺たちは教会の入り口で
持っていた水の半分を渡した。
教会の礼拝する空間に
避難者たちは寝ていた。
この地区が
もともと高齢化していることもあり、
9割は高齢者だ。
代表の黒い服の女性が
避難者たちに呼びかける。
「みなさん、
薬師の人が来てくれましたよ!
順番にお話を聞いていきますね!」
みんなの注目を受けた俺たちは
軽くお辞儀をした。
「終わったら
また声をかけてください」
黒い服の女性はそう言って
その場を離れた。
それからミラさんは
一人ひとりと話して回った。
俺はミラさんの指示で
必要なことを、いらない紙の裏にメモした。
幸い、ケガをした人は
ここにはいなかった。
多かったのは常備している薬草を
家に置いてきてしまったが、
取りに帰れないという人だ。
ミラさんは
避難者たちの症状に合うように、
持参した多種多様な薬草を
選別して渡していった。
コスケは避難者のおばあちゃんに
マッサージをしてあげていた。
ヨキもどうやら別の避難者と
話をしているようだ。
教会の避難者たちは
「来てくれてありがとう」
と、言ってくれた。
俺は
「帰ってくれ」と、
言われるかもしれないと思い
ビクビクしていた。
けれどそんなこと言う人は
1人もいなかった。




