48.こちらとあちら
お今晩は。
一応、説明回は今回で終了です。
苦笑いを浮かべていた一三は一呼吸置いて顔を引き締めて話を始めた。
「私の兄の一兄さんは、インセクタスの望む通りに≪召喚陣≫をこの地に遺しました。ですが、一兄さんは彼らの望む通りのモノを残したわけではありませんでした。兄さんは≪召喚陣≫の造り方を彼等から教わりそれにアレンジを加えたのです。その一つが自分の記憶を≪召喚陣≫そのものに落とし込む事を可能にするというものです」
「・・・≪召喚陣≫に記憶を・・・?」
湯水のごとく湧き出て来る自身の理解の範疇外の情報に、その場に居る殆どの者が頭痛を感じていた。
そして、そこに容赦なく話し続ける一三。
「はい。そしてここに皆様を招集する前に私は≪召喚陣≫と接触して、兄の記憶をそして意思を貰いました。それと同時に≪召喚陣≫の機能を完全に停止しました」
「・・・はっ!?記憶を・・いや、それよりもっ!て、停止ですか?それ・・は、大丈夫なのでしょうか?」
雪崩の如き怒涛の情報・・否、埒外の情報に大臣達は成す術がない。
「≪召喚陣≫には彼等に情報を与える仕組みが設計段階から組み込まれています。停止させる事で時間を稼げます、何せここと向こうの時差はこちらが約八十八年と向こうが約一日です。一兄さんがこちらに送還られて私が送還られるまでにほぼ三日しか経っていませんでした」
一三のその言葉を聴いて、グレイルは目を細めた。
「成程、向こうからの反応や攻撃に関して、猶予は十分に有るという事ですね?」
「はい。私達が今対処すべきはこの国に殺到している≪魔獣≫と≪瘴気≫への対処です」
「・・・ヒトミ様ぁ、≪魔素溜り≫に関してはぁ、≪召喚陣≫を停止させたのでぇ、今後は発生しないという事でぇ、良いでしょうかぁ?」
考えを纏めながら、聞くべき事をクレストは質問した。
「その通りです。後は≪魔獣≫の侵攻を防ぎ、≪瘴気≫の寄生している植物さえ処分すれば“この”戦いはこちらの勝ちです」
「・・・では、この局面で我々の敵は≪魔獣≫及び≪瘴気≫ですね。インセクタスに関してはその後に各国と共に対策を立てましょう」
これから自国がどう動くべきか、その場に居る大臣達にも認識が共有された時、一三がグレイルに話し掛けた。
「・・・グレイル陛下。≪魔獣≫との戦いに関してお願いが有ります」
唐突なお願いにグレイルは面食らったものの、直ぐに一三に答えた。
「・・・はい。何でしょうか?」
「ベンジェフ・カーライル様の騎士団長への復帰です」
予想外の人物の名前が出てグレイルは再び驚いた。
そのやり取りを見ていた大臣の一人がグレイルの代わりに答えた。
「・・・彼は貴方様をお守りする事が出来なかった男ですよ?」
「私は無事ですけど?」
一三の言葉にグレイルは顎に手を当てて考えていた。
「彼は不利な状況にも関わらず、無数の≪魔獣≫を超えて私を目的の場所へ連れて行って頂けました。・・・この戦いに彼の戦力は必要不可欠です」
一三の眼は真っ直ぐにグレイルに向き直って言った。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
これで説明回は終了ですが、質問等有りましたら何時でも訊いて下さい!
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感想とかもここ文章おかしくない?等の指摘もお待ちしております!
でゃ!!




