36.知らないから気付かない
お今晩は。
今回も前回と同じく他人称視点(三人称視点)での進行になります。
・・・前書きのネタが出てこない(´;ω;`)ウッ・・・。
・・・とりあえず本編をお楽しみください。
最後に挿絵あります。
パース・カンゼル騎士団長。
ベンジェフ元騎士団長が失脚し、投獄された事により臨時として騎士団長に就任。
彼としてはベンジェフの処分に関しては思うところがある。
当時の彼は副団長であり、ベンジェフから王都の守りを命じられていた。
故にオールデン領防衛戦には参加しておらず、現地に赴いた部下達から調書を取って現地での情報を集めた。
現地での対応や作戦行動に関しての姿勢、集められる情報は全て集めた。
だがそれでも聖女様がお倒れになった件に関しては如何ともし難いのが現状であった。
とはいえ、自分が敬愛するベンジェフの処罰だけでもどうにか出来ないものかと資料室にて、国内の判例等を調べていたのだ
「パース騎士団長っ!」
パースが資料室から騎士団本部へ戻る途中、彼の進路上から駆けて来る騎士が彼に気付くや否や、慌てたように呼び掛て来た。
「・・・待て、一旦落ち着け」
部下のこの慌てぶりから並々ならぬ事が起きているという事は分かった。
だからこそ、情報を正確に得るためにパースは先ず目の前の部下を落ち着かせる事を優先した。
そうして、部下が落ち着いて佇まいを正したのを確認してからその急用を尋ねた。
「落ち着いたな?・・・よしっ、では何が在ったか話してくれ」
「はっ!カーバイエット盆地戦線での生還者の一人であるミリス・ネイバーが医療棟から脱走っ!その際に取り押さえようとした職員三名を殺害っ!その後、医療棟にいらっしゃった司祭様の一人を捕縛されましたっ!」
「なっ!・・・その者はまだ医療棟にいるのか?」
説明を受けたパースは予想外の事態に耳を疑ったものの直ぐに持ち直して続きを促すように質問した。
「はっ!現在医療棟の西側を閉鎖して司祭様を人質に立て籠もっていますっ!」
パースは思考を巡らせた。
何故ミリスはそんな事をしたのか。
何故司祭様を連れて行ったのか。
医療棟には他にも長期治療中の子供達もいた筈である。
連れて行くにもそちらの方が容易な筈・・・。
ここまで考えた時にそれが無駄である事を彼は判断した。
ミリスと言う人間の情報等、カーバイエット盆地戦線の生き残りであるという事しか情報が無いのだ。
だからこそ彼は目の前の部下に指示を出す。
「私は医療棟へ直接赴く!君はミリスという人物を探る為に彼女が所属していた隊への聞き込みと兵士団への問い合わせを頼む!人員は騎士団から何人か連れて行く事を許可するっ!」
「はっ!!了解しましたっ!!」
パースから指示を貰った騎士が返事の後、直ぐ様人員を呼ぶために本部へ駆け出した。
それを見送り彼も医療棟へと向かったのである。
パースはミリスが何を考えているのか予想が出来ない。
彼女の情報が無いからである。
彼女が何故司祭を捕縛して連れているのか。
彼女が何故医療棟の西側にいるのか。
だからこそ彼は気付かない。
医療棟の西側、その先にミリスの目指す場所である召喚陣が在る事を。
そこへ行くためのルートが地上の渡り廊下だけでなく地下にある施設を通っていける事を。
そしてミリスも知らない。
自身が使おうとしている地下ルート。
そのルートである施設の地下牢には今、ラーゼント王国≪最強≫の騎士が収監されている事を。
今回もここまで読んで頂きありがとうございます。
やっちゃいましたねミリスさん・・・いつかやる子だと思ってたんです(´;ω;`)。
次回!ついにベンジェフ“元”騎士団長ついに活躍かっ!!(未定)
お楽しみに!
では!




