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27.閣議は踊り、≪魔獣≫は進む

お今晩は~。


27話です~。


性懲りも無く他人称視点(三人称視点)です~。


―ラーゼント王国・城内閣議室―

 

 現在、ここにはグレイル国王を始めとして、各部門の責任者や各領の領主達が一堂に会していた。

 何故なら、この国にある報せが入ってきたからだ。


 バクランズ連邦国首都陥落。


 この国どころか世界中全ての人間が想定出来なかった事態である。

 単なる陥落では無い。

 ≪瘴気≫や≪魔獣≫等の出現場所こそが問題なのである。


 首都からの出現。


 これこそが各国を震撼させうる事態なのだ。

 どんなに強固な城壁を造ろうとも、どれだけ堅牢な要塞を築こうとも、人が作りうる障害を全て無視して暴威をふるう。

 この事実がどれだけ恐ろしい事か想像に難くないだろう。


 そしてこの国には現在、更なる絶望に世界を叩き落とす要素が存在する。

 

 それは聖女が倒れたという事実である。


 その事実がこの部屋の空気をより重くしていた。


「さて、どうしたものかな・・・。諸君何か解決策・・・否、考えうる現状への対策案はあるかな?」


 グレイルはこの重苦しい空気の中、この国の絶対権力者として一番に口を開いた。

 自身の思考だけでは打開策等出ようはずもない。

 だからこそ国の為に共に歩む各分野の重鎮達からの意見を問うた。

 少しでもこの国を、可能ならばこの世界を厄災から守るために。


 しかし、グレイルの言葉に臣下達やこの場に集った全ての人間が口を噤んでしまう。

 ≪魔力溜り≫から始まる、この世界に巻き起こった厄災に自身達の力だけで対処出来た事等、唯の一度も無いのだから。

 だからこそ、この場でこの(・・)意見が出てしまうのは必然でもあるのだ。


「陛下、率直に申し上げます。聖女様の再召喚をどうか検討して下さいませ・・・」


 この国で運営されている≪魔力溜り≫やそれにより巻き起こる災害を含めた厄災等への対策案を上申する、厄災対策部門を指揮している大臣がグレイルに跪きそう進言した。

 彼の周囲にいる厄災対策部門に名を連ねる武官及び文官達もまた、大臣と同じ様に跪いた。

 彼等厄災対策部門の意見は全員一致している様であった。


 この進言にグレイルは難色を示しながら、彼らに告げた。

 

「・・・その案が上がってくる事は予想出来ていた。故に現在、召喚の儀を執り行う司祭長と資料室室長に過去の文献から短期間の内に召喚の儀を行った場合の影響に関して調べてもらっている」


 グレイルは施政者である。

 故に彼個人の意思等は(まつりごと)の前には自身の胸にしまわなければないのである。

 その度に彼は心の奥底で王としての自身の未熟さを嘆くのだろう。


「・・・聖女様の容態はどうなっているのでしょうか?」


 交易及び国内の物流を担当する物流部門を担当している大臣がそうこぼした。

 それに対して反応したのは、ベンジェフ元騎士団長が失脚したことにより臨時就任したパース・カンゼル騎士団長であった。

 

「その件に関してですが、オールデン領への先遣部隊として派兵した三個連隊を護衛として、女官と共に王都への帰還を昨日付けで手配しております。ですのでその際に聖女様の容態に関しての報告が上がります」 

 

 現状では何もわかる事は無いという事実は、彼のみならずこの場にいる者達全員に影を落とした。

 そんな中、閣議室に慌ただしく入って来た者がいた。

 彼は騎士団に所属するもので、現在故バクランズ連邦国を監視している部隊の連絡係だった。

 そして彼が息を切らせながら文官達の仲介を待たずにこの場に来たという事はつまり・・・。


「バクランズ連邦国に発生した≪魔獣≫共が移動を開始しましたっ!」


 その報せにパースは息を呑み、彼を問いただした。


「・・・その移動先はどこだ?」


 彼はまるで枯れてしまった自身の喉から声を絞り出すように答えた。


「ここっ!ラーゼント王国でありますっ!」


 絶望は大地を揺らしながら、雪崩の様に押し寄せて来た。

 

 

はい。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございまう。


初の作品という事で当初はブックマークとか一つもつかないんだろうなぁ、と思っていたのですが・・・。

・・・ついてますね。

ポインヨも入ってますね・・・。


・・・頑張ろう。


それでは、次回もお楽しみに!

では!

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