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終末の飛来  作者:
第二章:ウズメノミコト編
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暗闇

 軽トラの運転手にお礼を伝え旅館へと戻る。


 気がつけばすっかり陽も落ちて、山奥ということもあってか辺りは真っ暗になっている。


「いやぁ、ウズメノミコトも見つかりましたし、観光も楽しかったし良い一日でしたね!」


 なぜか上機嫌のフィーネが本日の感想を述べる。

 それを聞いていると、世界の危機を回避する旅という壮大な理由ではなく、何となく小旅行している気分になってきた。


「あー、温泉楽しみですね!」


 フィーネも絶対楽しんでると思う。

 いや、普通に楽しんでて良いのだろうか?

 具体的な期日がわかれば良いんだが、そんな事が分かるわけもない。

 ならとりあえず今は今を楽しみながらやれる事をするしかないという事なのだろう。


「俺は聖光(アーク)の訓練をしてから風呂にするよ」


 ここまでの道中で基本的な扱い方は教わってはいたが、弱々しい光の剣しか作れていなかった。


「わかりました!では後ほど部屋で合流しましょう。ご飯も楽しみです!」


 そう言ってフィーネは鼻歌交じりに旅館へと入っていく。

 余程温泉が楽しみなのだろう。


 俺は一旦宿から離れて、程よく広くて人がいない場所を探したが、山奥なのですぐ近くに河原があるのを発見した。小さな橋が架かっている小川の河原。ここなら誰の迷惑にもならないだろう。辺りが真っ暗なのでちょっとだけ怖いけど...


「さて、やりますか...」


 フィーネはすぐに仲間になってくれるとは言っていたが、万が一ってこともある。

 それなりに扱えるようにならないと、このままではマズイことはわかっている。


 光をイメージしながら剣を作る。


 これが案外難しい。そもそも光の剣なんて、イメージしようがない気がする。見たこともないんだし。だからこそのイメージなんだろうけど...


 右手に現れたのは、光も弱く形もおぼろげな剣だった。いや、これは剣とは言えないだろう。形もハッキリしていないのだから。


「フィーネももう少しアドバイスしてくれたら良いのにな....」


 そんな不満を漏らしていると


「なら私が教えてあげようか⁇」


 と声をかけられた。

 真っ暗な中で声をかけられたことでビックリした俺は辺りを見回すが誰もいない。

 というか、わからない。だって見えないんだから。


 ちょっと待って、泣きそうな程怖いんだけど...


「こっちこっち!」


 今度は後ろから声をかけられ、慌てて振り返ると、


「バァッ!」


 顔の下から懐中電灯で照らすという、お決まりのパターンで驚かせてきた女の子がそこにいた。


 あまりに古典的なやり方。

 だけど、時と場所を考えろよ。

 こんな見知らぬ土地の山奥で、しかも辺り一面真っ暗中でそれやられたら、爺さんだったら多分死ぬぞ⁈



 心の中で激しくツッコミを入れつつ俺は無事に気を失った。

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