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転生幼女のわくわくスローライフ! ~変換スキルで異世界の開拓村を豊かにします  作者: 武蔵野純平@9/18マンガ蛮族転生3巻発
第二章 キャロライン村の大改革!(二歳)

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第30話 ジュリアン・ジュベール

 ――翌日。


 私は唇を尖らせていた。


「むう!」


「キャリーが機嫌悪いの珍しいね」


 妖精のベルだ。

 ベルは人の営みには興味ないが、私には興味がある。


 私とベルがいるのは、町の北側にある丘の上だ。

 町の北側は畜産エリアになっていて、牛、馬、ニワトリがいる。

 父さまは、魔の森から一番離れた場所を畜産エリアに設定した。

 貴重な家畜を魔物に襲撃されたら困るからだ。


 父さまはというと、村民を指揮して北側に新しく作った畑に燕麦をまいている。


 燕麦はオーツ麦やオート麦ともいう。

 家畜の餌になる穀物で、人が食べる時はオートミールにもなる。

 何で知っているかと、前世日本のダイエットブームでオートミールが流行ったんだよね。

 日本ではあまり馴染みがないけど、ヨーロッパでは昔から栽培されていたそうだ。


 父さまは食用としてではなく、家畜の餌として燕麦を育てている。

 今、種まきすれば、秋には収穫できる。

 ちなみに種は、ニューゲートの町のメゾン・グラディスで仕入れた種だ。


 私は丘の上にチョコンと座って、父さまたちの作業を見ている。

 ベルがパタパタと顔の前に飛んできた。


「バターが出来るっていってたから楽しみじゃない? 機嫌直しなさいよ」


「でも、ぶどうがダメ」


 父さまが本国から引き連れて来た開拓団――キャロライン村の村民は、元々父さまの実家であるラ・ファール男爵領の住民だ。

 ラ・ファール男爵領では畜産が盛んだったそうで、みんな家畜の世話はお手の物だ。

 牛乳からバターを作ってくれるそうだ。

 パンにバターは嬉しい。

 これでまた食生活が充実する。


 一方、問題発生はぶどう。

 ラ・ファール男爵領ではぶどう農家は少ないらしく、キャロライン村ににぶどう栽培の経験者がいなかったのよ。


 それで父さまはぶどう畑を後回しにして、他の畑仕事を優先してしまった。


「しぇっかく材木を用意したのに!」


「まあ、まあ――あっ、馬が来るよ」


 ベルが高く飛び上がった。

 ベルは目が良い。

 私には見えないけど、北の方から馬が来るらしい。


 何かなぁと見ていると、徐々に馬が近づいてくる。

 馬は歩いているので、急ぎではないようだ。


 しばらくすると馬上の人が見えた。

 若い男性、イケメン、紺色の貴族服を着ている。

 畑で作業している父さまたちも馬に気が付いた。


「やあ! アラン! 久しぶり!」


「ジュリアン! ジュリアン・ジュベールじゃないか!」


 父さまが笑顔で畑から駆け出し、ジュリアンと呼ばれたイケメンは馬から下りた。


「久しぶりだな! ジュリアン!」


「アラン。君は元気そうだな。領地経営も順調そうじゃないか」


「はは、まあ、何とかな!」


「いやいや、牛とニワトリなんて凄いぞ!」


「うん、まあね」


「今は何をまいているのだ?」


「燕麦だ。このあたりは燕麦にしようと思ってね」


「なるほど。家畜の餌だな。さすがアランだ! 考えているな!」


「いや、まあな」


 久しぶりに会った友人同士で話が盛り上がっている。

 父さまはジュリアンさんに褒められて照れくさそうだ。


 父さまが手招きするので、私はよちよち歩きで二人のそばに行く。


「ジュリアン! 紹介しよう。娘のキャリーとキャリーのフェアリーのベルだ」


「はじめまちて、キャリーでしゅ」


 私が舌っ足らずに挨拶を述べると、ジュリアンさんは屈んで私の頭をなでてくれた。


「ありがとう。私はジュリアン・ジュベール。お父様のお友達だよ」


 近くで見たけど、やっぱりイケメンだ。

 柔らかそうな少しくせっ毛の黒髪に黒い瞳。

 魔法を使えるのかな?

 とすると髪と瞳の色から考えると闇魔法とか?


 ジュリアンさんは立ち上がり、感心したように腕を組み何度もうなずいた。


「いやあ、まだ幼いのにフェアリーがついているのか。魔力の量も物凄いし、末恐ろしいな……」


「まあ、とはいえ、キャリーは光属性なんだ」


「あー、なるほど!」


 そう。私は金色の髪に金色の瞳。

 誰がどう見ても光属性。

 そして、光属性の魔法はライトで攻撃魔法はない。

 だから魔力量が莫大でも魔法使いとしては大成しない、使い道がない――と、ジュリアンさんは思ったはずだ。


「フェアリーと魔力量の件は内密に頼む。あまり言い触らされては、良くないからな」


「もちろんだ」


 父さまが、しっかり口止めしジュリアンさんも請け負ってくれた。


「ここで立ち話もなんだ。家に来てくれ。マリーにも会ってくれ」


 父さま、私、ジュリアンさんは、家へ移動することになった。


 ――私はジュリアンさんの態度に違和感を覚えた。

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